栄養士は児童養護施設でも働ける?仕事内容・給料相場を解説!

更新日 2024年04月05日 公開日 2024年04月05日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

栄養士として働く方のなかには、「子どもが大好きで、子どもたちの食に携わる仕事がしたい」という方もいらっしゃるでしょう。もしかしたら、そうした希望をかなえるために、転職を検討されている方もいらっしゃるかもしれませんね。

栄養士として子どもたちと深く関われる職場には、保育施設や小児病棟、児童養護施設などがあります。当記事では、そのなかから児童養護施設をピックアップし、その概要や栄養士の仕事内容、児童養護施設での勤務が向いている方の特徴などをご紹介します。気になる給料相場についても解説しますので、ぜひ今後の転職活動にお役立てください!

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栄養士は児童養護施設でも働ける?仕事内容・給料相場を解説!

そもそも児童養護施設とは?

児童養護施設とは、保護者のいない子どもや、適切な養育を受けられない子どもを養護する児童福祉施設です。子どもが健やかに成長して自立できるように生活を支え、学習の指導や退所後の自立支援なども行います。運営者は自治体である場合もあれば、民間の社会福祉法人などである場合もあります。

養護の対象は原則的に乳児を除く18歳までの子どもですが、事情によって乳児を預かる場合もあるほか、18歳を超えて在所できる制度も用意されています。さらに、2024年には「原則18歳まで」という年齢制限自体が撤廃される予定です。

(出典:社会福祉法人 全国社会福祉協議会「もっと、もっと知ってほしい児童養護施設」/https://www.zenyokyo.gr.jp/about/

児童養護施設では、保育士や児童指導員、家庭支援専門相談員、看護師などさまざまな専門職の方が働いています。栄養士もその1つで、41人以上の子どもを預かる児童養護施設では、栄養士を1人以上配置することが義務付けられています。

(出典:厚生労働省「児童養護施設等について」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000166119.pdf

栄養士が働ける児童養護施設はどのくらいある?

2020年3月末時点で全国に612か所の児童養護施設があり、24,539人の子どもたちが入所しています。

近年、児童養護施設に入所する子どもの数は減少傾向にあります。また、厚生労働省は子どもをできるだけ家庭的な環境で育てられるように、児童養護施設の小規模化やグループホーム化を推進しています。そのため、今後栄養士の配置が必須となる大規模な児童養護施設が増えることは、考えにくい状況です。

(出典:厚生労働省「社会的養護の施設等について」/https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/syakaiteki_yougo/01.html

そうした背景もあって、児童養護施設の栄養士求人は、病院や介護施設などと比べて少ない傾向にあります。「児童養護施設で働きたい」と考える栄養士の方は、こまめに求人をチェックする必要があるでしょう。

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児童養護施設で働く栄養士の主な仕事内容とは?

児童養護施設において、栄養士は栄養管理や調理、衛生管理などの役割を担います。

ここからは、栄養士の具体的な業務内容を詳しくご紹介します。就職・転職を検討している栄養士の方は、児童養護施設での働き方について、しっかり確認しておきましょう。

調理業務・料理提供

児童福祉施設で働く栄養士は、調理業務、料理提供など、調理師や調理員と同じ業務を行うのが一般的です。業務においては、決められた時間通りスムーズに料理を提供できるよう、仕込みから調理まで計画的に行うことが求められます。

また、食事の時間を楽しみにしている子どもも多いため、できたての料理をすばやく配膳する配慮も必要でしょう。

料理の提供は子どもたちとコミュニケーションが取れる貴重な時間です。なにげない会話のなかで、「ありがとう」「おいしかった」などの言葉を聞く機会も多いため、栄養士にとっては大きなやりがいにつながるでしょう。

献立作成・栄養管理

毎日の献立作成・栄養管理においては、栄養のバランスを考慮しつつ、飽きのこないメニューを考案する必要があります。

考案した献立は「献立表」として配布しますが、食事メニューの内容や栄養状況、エネルギー量などを記載した献立表は、子どもたちの楽しみの1つになるはずです。調理スタッフとも協力して、子どもたちがワクワクしたり、おもしろいと思ったりするような献立表の作成を心掛けましょう。

栄養計算では、1食ごとの総エネルギー量や炭水化物・たんぱく質・脂質の量、ビタミン・ミネラルの種類と量などに偏りがないかを計算し、数値で管理します。児童養護施設には幼児から高校生くらいまで幅広い子どもが集まるため、それぞれの年代や発育状況、体調などに配慮した栄養バランスを設計することが大事です。

食材の発注・予算管理

献立作成後は、実際に食材の発注をします。その際は、献立の内容と子どもたちの人数や食事数を照らし合わせながら、食材の数量を過不足なく計算する必要があるでしょう。

また、在庫量をきちんと確認しつつ、生鮮食品は毎日、日持ちするものは月に数回など、計画的に発注することも重要です。ただし、施設によっては、栄養士ではなく調理スタッフや事務員が発注業務を担当するケースもあります。

食材発注における予算の管理も栄養士の仕事です。児童養護施設は限られた予算で運営されているため、子どもたちの食事も予算の範囲内で作ることが求められます。献立作成の段階から、おおよその予算を念頭に置いておくとよいでしょう。

衛生管理

子どもたちのために食事を作ることは、栄養士にとって非常にやりがいのある仕事ですが、食事を提供する際の大前提として「安全性の確保」を忘れるわけにはいきません。そして、安全な食事を提供するには、衛生管理を徹底することが大切です。

食中毒などを防ぐためにも、栄養士が率先して調理室の衛生管理を行い、調理スタッフにも知識の共有・指導を行う必要があるでしょう。

厚生労働省では、福祉施設などにおける食中毒を予防するために、衛生管理マニュアルや大量調理マニュアルを作成しています。マニュアルにもとづいた衛生管理を行ったり、日々の衛生管理状況を記録したりすることで、子どもたちに安全な食事を届けられるように努めましょう。

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児童養護施設で働く栄養士の給料相場

児童養護施設で働く栄養士の年収は「約260万〜310万円」です。なお、マイナビコメディカルの求人情報をもとに算出した、栄養士の職場別平均年収は下表の通りとなります(ただし、栄養士・管理栄養士全体の平均年収は、厚生労働省の調査より抜粋)。

【職場別】栄養士・管理栄養士の平均年収
栄養士・管理栄養士全体(※) 約368万円
病院・診療所 約300万~400万円
福祉施設(介護施設・児童福祉施設など) 約260万~310万円
保育施設 約300万~350万円
行政機関(公務員) 約450万~600万円
給食施設 約330万~400万円
その他事業所(美容業界・食品業界など) 約250万~330万円

(※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

(それ以外の出典:マイナビコメディカル/https://co-medical.mynavi.jp/

栄養士全体の平均年収である約「368万円」と比較すると、児童養護施設で働く栄養士の平均年収はやや低い水準となっています。

ただし、これには1日数時間の勤務や週2〜3日の勤務など、フルタイム以外の雇用形態を採用する施設があることも関係しています。フルタイム勤務であれば賞与や昇給が保証されるケースもあるため、職場によっては平均年収を上回ることも期待できるでしょう。

児童養護施設の栄養士の求人を検索すると、通勤手当や住宅手当、家族手当などの諸手当が充実している職場が多く見られます。加えて、特別休暇やリフレッシュ休暇などの休暇制度が充実している職場が多いことも、児童養護施設求人のポイントです。

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児童養護施設での勤務に向いている栄養士の特徴

児童養護施設勤務に向いている方の特徴として、「子どもが好き」であることが挙げられます。児童養護施設で生活するなかには、複雑な生い立ちの子どもも多く見られます。そうした子どもたちに「しっかりと愛情を注ぎたい」と思える方は、やりがいを感じながら活躍できるでしょう。

また、ときには厳しく生活指導や助言を行い、子どもたちをまっすぐ育てることも児童養護施設に求められる役割です。そのため、子どもの発達や発育についての知識があり、適切なコミュニケーションを取れる方も、児童養護施設での勤務に向いているでしょう。

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まとめ

児童養護施設における栄養士の役割は、食材発注や献立作成、実際の調理などで、ほかの施設と大きく変わりません。ただし、たくさんの子どもたちが生活する場であるため、衛生管理や1人ひとりに合わせた栄養設計、食事管理など、栄養士として特に注意すべきポイントがあります。また、複雑な家庭環境に育った子どもたちも少なくないため、子どもに寄り添い見守る姿勢も大切です。

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