給食委託会社とは？管理栄養士・栄養士にとっての魅力・メリット

管理栄養士・栄養士の職場の1つとして、給食委託会社があります。給食委託会社とは、医療機関や介護福祉施設、保育園、学校、企業などに管理栄養士・栄養士、調理師などを派遣して、給食に関わるさまざまなサービスを提供する会社です。近年では、充実した研修体制を整えて、管理栄養士・栄養士のキャリアアップを支援する給食委託会社も多く見られます。

当記事では、給食委託会社の概要や魅力、メリットなどを解説した上で、給食委託会社での仕事が向いている方の特徴も紹介します。就職・転職を検討している管理栄養士・栄養士の方は、ぜひ参考にしてくださいね。

給食委託会社とは？

前述したように、給食委託会社とは、医療機関や介護福祉施設、保育園、学校、企業などに、食事サービスを提供する会社です。

給食委託会社は、各施設に管理栄養士や栄養士、調理師などを派遣して、献立の作成から食材の発注、調理、配膳、片付けまで、給食にまつわる業務全般を請け負います。

施設によって食事回数が異なるほか、メニューも一般食、介護食、治療食などさまざまですが、「栄養バランスがよくておいしい食事」と「安心・安全なサービス」の提供が求められるのは、どの施設においても共通しています。

給食委託会社における管理栄養士・栄養士の仕事内容

給食委託会社における管理栄養士・栄養士の仕事内容は、職場によって異なりますが、一般的には下記のような業務を担います。

●給食委託会社における管理栄養士・栄養士の仕事内容の例

• ・献立作成
• ・調理業務
• ・食材の発注、品質チェック、在庫管理
• ・盛り付け、配膳
• ・食器洗浄
• ・事業所の衛生管理、安全点検
• ・書類作成、事務作業

調理まわりの業務は施設によって特徴があり、たとえば老人ホームでは、食事をミキサーにかけるなど、利用者に合わせて形状を工夫することも少なくありません。保育園では、幼児食や離乳食、アレルギー対応食を同時に調理するケースが多く、安全確保のためにミーティングや献立確認もしっかりと行われる傾向です。また、調理体験を実施するなど、食育活動に携わることもあります。

給食委託会社の場合、上記のように業務内容が多岐にわたるため、安全に配慮しつつ、すべての工程を手際よく進める必要があるでしょう。

また、現場では、調理師や調理員の方だけでなく、利用者さまや患者さま、子どもたちとコミュニケーションを取る機会も多く見られます。それもまた、給食委託会社で働く管理栄養士・栄養士の特徴と言えるでしょう。

給食委託会社で働く魅力・メリット5選

給食委託会社に対して、「給料が低く残業も多い」というイメージを抱いている管理栄養士・栄養士の方もいらっしゃるようですが、給食委託会社にはさまざまな魅力やメリットがあります。

ここでは、給食委託会社で働く魅力・メリットを5つ紹介します。

調理業務を一から学べる

管理栄養士・栄養士というと、献立作成がメインだと思われがちですが、給食委託会社では現場で調理業務に携わるのが一般的です。管理栄養士・栄養士は、調理師に比べて調理の機会が少ないため、現場で調理スキルを磨けるのは大きなメリットとなるでしょう。

また、調理業務を経験すると、現場における効率的な手順や注意点などが理解できるため、転職で有利になる傾向にあります。将来マネジャーや責任者として働く際も、現場経験があることで、スタッフからの信頼が得やすくなるでしょう。以上のことから、給食委託会社は経験が浅い人や、これから管理栄養士・栄養士として活躍したい方に、おすすめの職場と言えます。

栄養士以外の業務にも携われる

給食委託会社では、管理栄養士・栄養士のメイン業務である献立作成や栄養指導以外にも、帳簿作成、発注、食材選定など、さまざまな業務に携わります。食材の発注やメール対応を通じて外部と関わる場面も多いため、一般的なビジネスマナーも身に付くでしょう。施設によっては本社へ異動して、営業職や人事で働く管理栄養士・栄養士もいます。

コミュニケーション研修や、社会福祉分野の講座を設ける給食委託会社も多く、幅広い知識・スキルを習得できるのも、給食委託会社で働くメリットです。

配属先によっては固定制で残業が少ない

配属先によっては勤務時間が固定されており、残業がほとんどないケースもあります。たとえば学校の場合、夜間や早朝の勤務がないため、朝から夕方までの勤務がメインとなります。また、老人ホームなどの介護福祉施設も、シフト制で勤務時間が固定されており、残業が少ない傾向です。

残業の有無は、給食委託会社や配属先の方針によっても異なりますが、近年では、給食委託会社にもライフワークバランスを重視する企業が増えています。仕事終わりの予定を充実させたい方や、プライベートの時間を確保したい方は、給食委託会社で働くことを検討してみてはいかがでしょうか。

結婚・出産後も働きやすい

給食委託会社には、出産・育休の取得を推進しているところが多く、出産後も復帰しやすい傾向にあります。急な欠員が出ても、他の事業所から応援を呼ぶなどの対応ができるため、子どもが病気になった際にも休みが取りやすいでしょう。このように、家庭の事情を理解してもらいやすいのも、給食委託会社の大きな魅力です。

また、保育園や学校で働く場合は、15〜16時頃に終業するほか、夏休みや冬休みなどの長期休暇があるため、子どもと予定を合わせやすいという魅力も。給食委託会社は、仕事と家庭を両立させたい方にとっても、安心して活躍できる職場と言えるでしょう。

若くても責任者になれるチャンスがある

給食委託会社では、年齢に関わらず、チーフや責任者になれる機会に恵まれています。管理栄養士・栄養士としての知識や現場での活躍が評価されれば、入社後数年で管理業務を任されることもあるでしょう。

また、なかにはキャリア形成を支援するために、役職研修やリーダシップ研修を設けている給食委託会社もあります。将来的に、後進の指導に関わりたい方や、管理職としてクライアント対応・運営管理に携わりたい方にとって、若くして責任者となる経験は非常に貴重なもの。転職を検討する際にも、高く評価されるでしょう。

給食委託会社勤務が向いている人

ここまで、給食委託会社の特徴や魅力についてご紹介してきました。続いては、給食委託会社勤務に向いている方の特徴を3つ紹介します。

• ・管理栄養士・栄養士としてスキルアップを図りたい方

  給食委託会社で働くことで、献立作成や調理技術、コミュニケーション能力など、管理栄養士・栄養士をして活躍するための基礎能力が養えます。マネジャーを目指したい、献立作成のプロになりたいという夢を持つ方は、給食委託会社で経験を積んでみるのもよいでしょう。

• ・さまざまな職場を経験したい人

  さまざまな施設や会社で働けるのも、給食委託会社ならではの魅力です。病院では療養食、保育園では離乳食、企業の社員食堂ではヘルシーさにこだわったメニューなど、施設に合わせた献立を作成・調理することで、管理栄養士・栄養士として技術を磨くことができるでしょう。

• ・安定して長く勤めたい人
  給食委託会社は、医療機関や介護福祉施設、保育園、学校、企業などと連携しており、常に一定の需要が見込まれるため、安定して働ける職場だと言えます。また、プライベートとの両立がしやすく、職場復帰率も高いことから、同じ勤め先で長く働きたい方にはおすすめです。

これから管理栄養士・栄養士として働く方や、現場経験を積みたい方、知識・技術を磨きたい方は、ぜひ給食委託会社での勤務を検討してみましょう。

まとめ

給食委託会社とは、医療機関や介護福祉施設、保育園、学校、企業などに管理栄養士・栄養士、調理師などを派遣して、給食に関わるサービスを提供する会社です。給食委託会社で働く管理栄養士・栄養士は、献立作成や食材の発注、調理業務、事務作業など、さまざまな業務に携わります。配属先によっては残業も少なく、プライベートとの両立がしやすいため、新卒者や未経験の人にもおすすめできる職場と言えるでしょう。

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※当記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています

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