管理栄養士が献立作成を行うコツ!バランスの整った献立の立て方

更新日 2023年04月05日 公開日 2023年04月05日

#情報収集 #転職検討/準備

栄養管理や栄養指導によって人々の健康をサポートするのが、管理栄養士の主な役割です。そして、管理栄養士の仕事のなかでも特に重要な業務と言えるのが、食と栄養の知識を生かした「献立作成」でしょう。

ただし、管理栄養士の職場によっては、献立作成をほとんど行わないケースもあります。そのため、そうした職場から学校や病院などに転職する際は、「うまく献立を立てられるだろうか」と悩むことがあるかもしれません。また、長期間献立作成から離れていると、苦手意識が生まれてしまったり、作成の手順やポイントが分からなくなったりすることもあるでしょう。

当記事では、献立作成に悩む管理栄養士の方に向けて、バランスのとれた献立の立て方や順序、配慮すべきポイントなどをご紹介します。

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管理栄養士が献立作成を行うコツ!バランスの整った献立の立て方

管理栄養士が献立作成を行うことの多い職場は?

管理栄養士の勤務先は、病院や介護福祉施設、一般企業などさまざまです。業務内容は勤務先によって異なり、献立作成の機会がほとんどない職場もあれば、継続的に献立作成を行う職場もあります。

献立作成の機会が少ない職場を選ぶなら、下記のような職場を就職・転職先の候補にすると良いでしょう。

・病院(臨床部門)、歯科医院
・行政(役所、保健所、保健センター)
・研究・教育機関(大学や企業の研究室、養成学校など)
・企業(食品メーカー・化粧品メーカーなど)

逆に献立作成を行う機会の多い職場は、下記の通りです。献立作成が好きで、積極的に取り組みたいと考えている方は、こうした職場への就職・転職を視野に入れましょう。

・病院(給食部門)
・社会福祉施設(高齢者施設、障害者施設)
・児童福祉施設(保育施設、児童養護施設)
・学校(小中学校、給食センター)

献立作成の多い職場では、「同じような献立が続かないようにしよう」「栄養のバランスだけでなく、楽しんで食べてもらえる献立にしよう」と考えるあまり、献立の内容に悩むことがあるかもしれません。しかし、立て方のコツさえ押さえておけば、効率的に献立作成の業務に取り組むことができます。

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【管理栄養士】バランスのよい献立の立て方

前述したように、管理栄養士として働いていても、職種や立場、担当業務によっては、献立作成にほとんど携わらないケースがあります。そのため、管理栄養士の方のなかには「養成学校では献立の勉強をしたけれど、実務経験があまりない」という方もいることでしょう。

献立作成のブランクが数年間ある場合、作成の手順やポイントが分からなくなってしまっても、不思議はありません。献立作成の手順などに自信がなくなったときは、基本に立ち返り、養成学校での調理実習などを思い出しながら、献立作成に取り組みましょう。

ここからは、献立作成のポイントの1つである、「バランスのよい献立の立て方」をご紹介します。

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主食や主菜から決める

まずは献立の中心となる、主食や主菜を決めます。主食は基本的には白いごはんですが、炊き込みごはんにアレンジしたり、パンや麺類に変えたりもできます。

主菜はメインとなるおかずで、肉や魚、たまご、豆腐などの良質なたんぱく質を含むメニューが一般的です。和風や洋風、中華風のようにスタイルも決めておくと良いでしょう。

カレーライスや親子丼、ちゃんぽんなど、一品完結の料理は、肉や魚、野菜をたっぷり入れると、主食と主菜・副菜を兼ねられます。ただし、人気のメニューである一方、野菜が不足しやすい、塩分過多になりやすいなどのデメリットもあるので、回数が増えすぎないように配慮しましょう。

色やバランスを踏まえて副菜を考える

主食と主菜を決めたら、次は副菜です。主菜が肉や魚中心となるため、副菜は野菜中心のメニューにして、栄養のバランスを取りましょう。

栄養だけでなく、スタイルや味付けのバランスを、主菜に合わせることも大事です。主菜が和風なら副菜も和風、洋風なら洋風のメニューでそろえると、統一感のある献立ができます。

味付けは主菜と副菜で、濃さや味覚(甘味・酸味・塩味など)が重ならないようにするのがおすすめです。主菜が濃い味付けなら副菜は薄く、主菜が薄味なら副菜の味付けを濃くすれば、白いごはんがおいしく食べられるバランスになります。

また、忘れてはならないのが料理の見栄えです。使う食材を工夫しながら、全体の色合いがきれいに見えて、食欲をそそるような副菜を考えましょう。

副菜にはない食材で汁物を考える

副菜が決まったら、最後は汁物です。汁物には、副菜に使っていない食材を使って、献立全体のバランスを整えます。和風の献立の際には味噌汁やすまし汁、洋風ならコンソメスープなどが定番です。

汁物の具材に迷ったときは、「まごわやさしい」をヒントにしましょう。「まごわやさしい」は、「バランスの良い食事を作るための食品名」を使った語呂合わせです。特に豆類、海藻類、きのこはさまざまな場面で便利に使えるので、ぜひ覚えておいてください。

・ま=豆類
・ご=ごま(ナッツ類)
・わ=わかめ(海藻類)
・や=野菜
・さ=魚
・し=しいたけ(きのこ類)
・い=いも類

果物や乳製品を取り入れる

果物は、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富です。また、料理全体の見た目に彩りを添えたり、季節感を演出したりといった使い方もできます。デザートだけでなく、補食にもぴったりなので上手に取り入れましょう。

一方の乳製品は、日本人に不足しがちなカルシウムを摂取するのに最適です。カルシウムは海藻類や魚、野菜にも含まれますが、牛乳や乳製品からのほうが摂取しやすいでしょう。牛乳やチーズは料理に使いやすい上に、単品でもおいしく食べられます。ヨーグルトはデザートとして、果物と一緒に献立に入れても良いでしょう。

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管理栄養士が献立作成を考える際のポイント

管理栄養士は献立作成において、さまざまな点に配慮する必要があります。例えば、ここまで紹介してきた栄養バランスや味付け、見栄えといった項目に加えて、「楽しく食べられる献立にすること」も大切です。また、効率よく調理できるかどうかもポイントとなります。

ここからは、管理栄養士が献立作成をする際に配慮すべき事柄を、3つのポイントに分けてご紹介します。

季節の旬や行事を反映する

食事の栄養や味付けのバランスにばかり気を取られると、献立が単調になってしまいます。そうしたときは、季節感のある食材や行事食を取り入れて、献立にメリハリをつけるのがおすすめです。

気軽に外を出歩くことが難しい入院患者さまや、介護施設・老人ホームの利用者さまにとって、食事は日常生活における楽しみの1つです。旬の食材や行事食は、季節を体感することにもつながるため、きっと喜ばれるでしょう。

また、食の経験が未熟な子どもたちにとって、学校や保育園の給食は食育の貴重な機会となります。旬の食材や行事食を食べることは、日本伝統の食文化を学ぶ良いきっかけになるでしょう。

なお、旬の食材は新鮮でおいしいだけでなく、ほかの季節と比べて栄養価も高くなります。旬の食材を食べることは、健康の維持・向上にもつながると言われているので、積極的に取り入れてみてください。

調理工程の手間や金額も踏まえる

病院や施設、学校では大量調理を行います。そうしたなかで食事の提供時間を厳守するためには、手早く調理をする必要があり、複数の調理を並行して行うのが一般的です。

調理師やスタッフの人数、スキルはもちろん、調理器具やガス台などの設備をいかに効率よく使うかも考えた上で、献立の組み合わせを決めるようにしましょう。効率を重視する際は、手間のかかるメニューを避けて、煮ものや蒸し料理のように、一度にたくさん作れるメニューを取り入れるのがおすすめです。

また、献立は定められた予算内に収める必要があります。赤字にならないように、金額に余裕を持って食材を選択しましょう。値の張る食材を使いたいときは、他の日の食材費を削るなどの工夫が必要です。

代替食が重複しないようにする

代替食とは、食物アレルギーのある方に対応した食事です。食物アレルギーを持つ方への食事提供は、一歩間違えると事故につながる可能性があります。代替食の調理・提供を行う際には、徹底した安全管理を心がけましょう。

食物アレルギーによって使えない食材が増えると、食材や味付けが別の日の献立と被ってしまうこともあるでしょう。そうした場合は、調理方法や味付けを工夫することで、重複を回避する必要があります。最近では、アレルギー対応の食品も増えており、品質や味も向上しているので、別の日の献立と被りそうなときは、アレルギー対応食品を取り入れてみるのも良いでしょう。

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どうしても献立作成が思い浮かばないときは?

長期にわたって献立作成の業務をこなしていると、「どうしてもアイデアが浮かばない!」ということもあるでしょう。献立作成に悩んだときは、レシピサイトによる情報収集がおすすめです。

最近は、インターネットで簡単に検索できるレシピサイトが数多くあります。料理のジャンルや食材、テーマごとにレシピをまとめたサイトや、行事食に特化したサイトなどを必要に応じて使い分けましょう。

また、インターネット上には、栄養士や管理栄養士が集まるコミュニティサイトもあります。サイトによっては、実際に作った料理のレシピを投稿・共有できる機能があるため、レシピを探すときにも利用できます。

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まとめ

献立作成は、管理栄養士の持つ食の知識を、最大限に生かせる重要な業務です。はじめにメインとなる主食や主菜を決め、メインに合わせた副菜、汁物で、全体の栄養価や味付けのバランスを整えるという手順を踏むと、スムーズに調理できるでしょう。

調理工程や予算を念頭に入れながら、ときには旬の食材や行事食を取り入れるのもおすすめです。代替食を作る際は、アレルギー対応食品を上手に取り入れることで、献立の重複を回避しましょう。また、メニューが浮かばないときは、レシピサイトを活用すると良いでしょう。

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※当記事は2022年4月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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