言語聴覚士は通信教育でなれる?社会人が働きながら資格を取得する方法
公開日:2023.04.07

文:tokoshi(言語聴覚士)
少子高齢化が進んでいる日本では、言語聴覚士の需要が高くなっています。安定的に働けることから、言語聴覚士の有資格者が年々増加傾向にあり、現在は約3万8000人が活躍しています。
言語聴覚士になるには、国家資格を取得する必要がありますが、働きながら、通信教育や独学で資格取得できるのか、気になっている方もいらっしゃることでしょう。
本記事では、言語聴覚士は通信教育で資格が取れるのか、また、働きながらでも言語聴覚士の国家資格を取得する方法について解説します。
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通信教育や独学で、言語聴覚士の資格取得はできない

結論からお伝えすると、通信教育や独学で言語聴覚士の資格取得はできません。
言語聴覚士の国家試験を受験するための条件は、言語聴覚士法で定められており、「文部科学大臣が指定する学校」または「都道府県知事が指定した養成所」を卒業する必要あります。
その他にも、実際に病院や施設で実習を行ったり、受験資格の取得に必要なカリキュラムを履修する必要があったりするため、通信教育や独学ではカバーできない部分が多くあります。
そのため、言語聴覚士の資格を取得するためには、まず受験資格が得られる養成校で「必要な知識と技能の習得」をすることが、第一ステップになるでしょう。
社会人から言語聴覚士の資格を取得するルート
通信教育や独学では言語聴覚士の資格取得はできませんが、条件を満たせば社会人からでも言語聴覚士を目指せます。
社会人が言語聴覚士の資格を取得する最短ルートとして、下記2つが挙げられます。
・一般の4年制大学を卒業している場合……2年制の専修・専門学校への進学
自分にとって最短ルートとなる養成校へ進学すれば、社会人でも効率良く言語聴覚士の資格が取得できるでしょう。
とはいえ、3年制や2年制の場合は、講義や実習カリキュラムを短期間で履修することになるので、集中的に学習や実習に取り組むことが必要です。そのため、「ゆとりを持って学びたい」という方は、4年制の養成校で受験資格を取得することをおすすめします。
国家資格試験を受験するまでのステップ
言語聴覚士の国家試験を受験するには、いくつかのステップがあります。
1.養成校で学ぶ
まずは業務に必要となる幅広い知識と技能を身につけます。具体的には、医学や言語学、言語聴覚士のリハビリに関与する障害別の分野を学びます。
2.実習
上記と並行して、リハビリテーションセンターや病院、療育施設などで、実際に患者さんのリハビリを行い、実践的な技能を習得します。
3. 国家試験の受験申込
さらにカリキュラムをこなし、国家資格の受験資格を満たす領域に達したら、11月下旬から12月中旬までに国家試験の受験を申し込みます。言語聴覚士の国家試験は、毎年2月中旬に1回行われ、3月下旬に合格者が発表されます。
国家試験に合格すると、言語聴覚士の免許取得者として、言語聴覚士として働くことが可能です。
働きながら、資格取得を目指せるか?

社会人の場合は、「今の仕事を続けながら言語聴覚士の資格を取得したい」と考えている方もいるかもしれません。夜間課程の養成校も存在するため、「働きながらでも言語聴覚士の資格を取得することは可能」です。
しかし、言語聴覚士の資格を取得するためには、長期的な実習期間があるだけでなく、国家試験に向けて勉強時間の確保が必要です。
上記の点から、仕事を続けながら言語聴覚士の資格を取得するのは、ハードルが高いと言えるでしょう。
また、ただ講義を受けて実習をすれば、誰でも資格を取得できる、というものではありません。言語聴覚士の国家試験はそれなりに難易度が高く、実際に、過去3年間の合格率を見てみると、60%台から70%台となっています。
| 試験日 | 受験者数/合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 2020年2月15日 | 2,486名/1,626名 | 65.4% |
| 2021年2月20日 | 2,546名/1,766名 | 69.4% |
| 2022年2月19日 | 2,593名/1.945名 | 75.0% |
[参照]
第24回言語聴覚士国家試験の合格発表について|厚生労働省
第23回言語聴覚士国家試験の合格発表について|厚生労働省
第22回言語聴覚士国家試験の合格発表について|厚生労働省
働きながら、勉強や実習を行い、難易度の高い試験に挑戦するとなれば、心身ともにかなりの負担がかかります。上記を踏まえたうえで、「今の職場で働きながら、資格取得は可能なのか」を、自分のスケジュールや将来設計のなかで再検討してみましょう。
社会人が言語聴覚士を目指すなら国の制度を活用しよう
前述のとおり、働きながら言語聴覚士の資格を取得することも可能ですが、「実習期間が長期的であること」「勉強時間の確保が必要であること」から、おすすめはできません。
とはいえ、働きながらでないと生活に支障が出てしまう人もいるもいるでしょう。そうした場合に、社会人から言語聴覚士を目指すのであれば、「国の制度」を活用することをおすすめします。
例えば、「専門実践教育訓練給付制度」の活用を検討するのも一案です。専門実践教育訓練給付制度とは、働いている社会人のキャリア形成を支援する制度です。
厚生労働大臣が指定した専門実践教育訓練の対象で、一定の要件を満たす場合は、養成校に支払った教育訓練経費の最大70%が支給されます。
「言語聴覚士の資格を取得したいけれど生活があるから仕事を辞められない」という方は、上記のような国の制度を検討し、自分が対象になるかを一度確認してみましょう。
社会人でも言語聴覚士の資格は取得できる
言語聴覚士を目指す場合、通信教育や独学では国家資格を取得できません。
社会人から言語聴覚士を目指すには、まずは指定された養成校に通い、受験資格を取得しましょう。働きながらであっても、夜間課程のある養成校を選択したり、国の給付金制度を活用して学校へ通ったりするなど、言語聴覚士を目指す方法は十分にあります。
少子高齢化が進んでいる日本では、言語聴覚士の需要が年々高まっているため、資格を取得しておけば、キャリアアップや年収アップの見込みも大いにあるでしょう。
また、社会貢献できる可能性が高いことや、直接人の役に立てることなどが大きなやりがいとなる職種だともいえるでしょう。将来を考えながら、言語聴覚士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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参考
言語聴覚士とは|一般社団法人 日本言語聴覚士協会
言語聴覚士を目指す|一般社団法人 日本言語聴覚士協会
言語聴覚士国家試験の施行|厚生労働省
専門実践教育訓練給付指定講座 分野・資格コード表(令和5年4月版)
専門実践教育訓練給付金に関するよくある質問|厚生労働省

tokoshi
言語聴覚士
回復期で失語症と高次脳機能障害を中心としたリハビリ業務に携わる。その後転職し、看取り施設で「最期の食事」を言語聴覚士として支援。現在は訪問リハビリやデイサービスでリハビリをしながらライターとしても活動しています。
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