リハビリを終了する目安は?リハビリのプロが解説する整形外科でのリハビリ期間
公開日:2023.12.06 更新日:2024.01.11

文:平岡 泰志(作業療法士)
「骨折をしてリハビリをしているけれど、整形外科でのリハビリがいつまで続くのか知りたい」と思うときはありませんか?
また「交通事故のけがを早く治したいけれど、仕事や家事、育児が忙しいので、リハビリを終了する目安を知りたい」という方もいるかもしれません。
今回はリハビリの専門家である作業療法士が、整形外科でのリハビリ終了の目安となるタイミングや注意点について解説します。
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リハビリを終了する目安となる3つのタイミング

リハビリを終了する目安となるタイミングは、主に3つあります。
1. リハビリを受けられる期間が終了するとき
2. 自分の目標が達成できたとき
3. 日常生活に支障をきたさない程度まで回復したとき
それぞれ詳しく解説します。
1.リハビリを受けられる期間が終了するとき
リハビリを受けられる期間は、国が示すリハビリテーションに係る診療報酬で決められています。期間が定められているのは整形外科疾患によるリハビリだけではなく、脳疾患や心臓疾患などに対するリハビリにも設定されています。
| 項目名 | リハビリを受けられる期間 | 対象疾患 |
|---|---|---|
| 運動器に対するリハビリ | 診断された日から150日 | 上半身、下半身の複合損傷 脊髄損傷による四肢麻痺等 |
| 脳疾患に対するリハビリ | 診断された日から180日 | 脳梗塞、脳腫瘍、脊髄損傷、 パーキンソン病等 |
| 心臓疾患に対するリハビリ | 診断された日から150日 | 急性心筋梗塞、狭心症 大血管疾患等 |
※運動器とは骨や関節、筋肉、靭帯のこと。
(参考:厚生労働省保健局医療課|令和4年度診療報酬改定の概要個別改定事項Ⅲ|p29)
運動器(整形外科疾患)に対するリハビリは、診断された日から150日が目安です。診断を受けてから約5カ月がリハビリ終了の目安といえます。
ただし、途中で悪化した場合や、別の損傷などで診断を受けた場合には、リハビリ期間が延長されることもあります。あくまで目安と考え、主治医に確認するとよいでしょう。
2.リハビリをする目標が達成できたとき
リハビリの期間が設定されていたとしても、リハビリの目標達成を区切りとして、リハビリを終了することもあります。
リハビリの目標は、リハビリ実施計画書を作成する際、患者さん本人と家族、主治医、リハビリ担当者などと相談して決めることになります。その目標が達成されれば、リハビリ終了と判断されるでしょう。
リハビリを受けるうえで、何を目標にすればよいのかわからないこともあるかもしれません。目標設定に向けて、以下のような視点で考えてみましょう。
・仕事に復帰できたとき
・家事育児が問題なくこなせるようになったとき
・趣味の活動が再開できるようになったとき
リハビリを受けるうえで、ゴールとなる目標を設定するのはとても重要です。目標を設定しておくと、個人の生活に沿ったリハビリを受けられるからです。
リハビリ目標が具体的であればあるほど、効率的なリハビリを受けられるため、よく相談して設定するようにしましょう。
3.日常生活に支障をきたさない程度まで回復したとき
日常生活に支障をきたさない程度まで回復したときも、リハビリの終了の目安となります。
参考になる具体的な項目は以下の通りです。
・痛みがない
・可動域制限がない
・受傷した場所が複数箇所ではない
痛みや可動域制限があると日常生活に支障をきたし、状態の悪化が懸念されます。
しかし、日常生活で患部を使っても問題ない程度に回復し、自然に体を動かしていれば、それ自体が効果的なリハビリになります。
ただし、受傷した箇所が複数ある場合は、患部を無意識的にかばってしまい、そのほかの場所に痛みが生じる可能性があるため注意が必要です。
リハビリを終了する前に確認したい3つのポイント

リハビリを終了する目安はありますが、個々の状況によって異なります。リハビリを終了する前に確認しておきたいポイントは以下の通りです。
1. リハビリを再開した場合のリハビリ期間
2. 自宅で継続できるトレーニング方法があるか
3. リハビリ終了後、日常生活で注意すべきこと
それぞれ1つずつ解説します。
1.リハビリを再開した場合のリハビリ期間
リハビリを終了しても、リハビリを受けられる期間内であれば、再度リハビリを受けられます。
・痛みが増してきた
・思うように筋力がつかない
・生活のなかで、想像していなかったところに支障が出ている
このような場合、診断日から150日以内であれば再びリハビリを受けられるため、いつまでリハビリを受けられるか担当者に聞いておくようにしましょう。
2.自宅で継続できるトレーニング方法があるか
自宅でひとりでもできるリハビリ方法を確認しておくことが大切です。痛みが消え、可動域や筋力に問題がないと思っていても、しばらくすると症状が再燃する可能性があるからです。
リハビリが終了する前に、担当のセラピストに自宅でできるトレーニング方法について聞いておくとよいでしょう。
3.リハビリの終了後、日常生活で注意すべきこと
リハビリを終了する前に、日常生活における注意点を確認しておきましょう。
たとえば大腿骨を骨折して人工の関節を入れている方は、不自然な姿勢をとると脱臼しやすい傾向にあります。
また脊髄損傷により手足に麻痺が残る方は、褥瘡(いわゆる床ずれ)ができる可能性があるため定期的な身体チェックが必要です。リハビリが終了する前に、日常生活における注意点を再確認しておくようにしましょう。
リハビリの終了目安を決めて、計画的に治療しよう
今回紹介したリハビリの終了のタイミングは、あくまで目安です。実際に終了を検討する際は、今回の内容を参考にして主治医や担当のセラピストと相談し、リハビリを終了する目安を決めましょう。
リハビリの終了する目安がわかれば、リハビリにも集中しやすくなるのではないでしょうか。自身が設定した目標を達成できるよう定期的に通院し、計画を立てて治療を進めましょう。
■参考
令和4年度診療報酬改定の概要個別改定事項Ⅲ(小児・周産期・がん・疾病・難病対策、リハビリテーション)|厚生労働省保健局医療課
人工関節置換術を受ける患者さんへ|東京医科大学病院/整形外科人工関節センターリハビリテーションセンター
大阪府|【脊損についての医療的知識】脊損者が常に注意しなければならない副次的症状・疾患等

平岡 泰志
作業療法士/医療介護分野専門ライター
地方の二次救急指定病院にて5年間勤務。その後、多職種と共にデイサービスの立ち上げに携わり、現在は主任として現場を統括。「高齢者の尊厳を守る」を念頭に、利用者と家族の生活をサポート。プライベートでは4人の子どものパパ。仕事と子育ての両立をするべく、日々奮闘中。
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