中堅理学療法士だから気になる……職場で円滑な人間関係を築くには?
公開日:2015.08.20 更新日:2015.09.03
理学療法士のニーズが広がるなか、同じ施設内に有資格者が複数在籍している職場も増えてきました。同じ理学療法士として職場で円滑な関係を築き、効率よく仕事を進めていくためには、どうすればよいのでしょうか。
友達? 同僚? 同業種だからこその関係とは
中堅の理学療法士が新しい勤務先で同僚になることは、とても刺激的な経験です。年齢が近ければなおのこと親近感を抱きやすく、仲間意識も強く感じるでしょう。しかし、似たようなキャリア同士だからこそ、仕事を続けていくうちにお互い譲れないことが出てきたり、相手の患者さんとの関わり方について不満に思ったりと、すれ違いも起こりやすくなるようです。
ひとりの患者さんに対する評価が異なれば、指示する動作やサポートが違うのは当然のこと。評価の違いで支援の内容を変更することは理解できても、「なぜその評価をしたのか」については、簡単にわかり合うことは難しいでしょう。
こうしたトラブルは、ひとりの患者さんに複数の理学療法士が関わることの多い介護現場において起こりやすいようです。技術を発揮し、よりよい理学療法を提供するためには、お互いに尊重し合う関係づくりから始める必要があります。
歩み寄る努力を
まず、お互いに歩み寄るために、それぞれの治療技術について質問し、確認しましょう。トラブルの原因がリハビリやサポートの内容にあるのであれば、互いの意見を確認する必要があります。共通して担当する患者さんがいれば、評価の判断材料になった点について、きちんと話し合い、なぜそのように評価したのかを確認します。その後、どちらの意見を主とするかが納得できれば、問題解決につながります。どうしても方向性が定まらない場合は、施設の代表者に相談し、施設の見解として統一したプランを作成するとよいでしょう。
理学療法が目指すのは、患者さんがいきいきと生活できるように支援を行うこと。リハビリの内容だけでなく、患者さんが安心できる環境を整えることも大切です。
人間関係を良好に保つ方法とは?
同僚としてよりよい関係を保つために、一定の距離を保つことが大切です。ライバル意識は、近しい存在だからこそ感じやすいもの。同じような立場と環境にあれば、愚痴を言い合ったり、相談をしたりしやすい関係ではありますが、友達のような感覚で過ごしてしまうと、感情的な一面が出やすくなるものです。自分と他人を比較して優越感を抱いたり、卑屈になったりする必要はありません。お互いのよいところを認識しながら、会話のなかではできるだけ相手の意見を受けとめるように意識しましょう。
どうしても相手が気になるときは、視点を変えてみること。相手に意識を置くのではなく、自分自身を見つめてみましょう。スキルアップに取り組んだり、リフレッシュできる趣味を持ったりと、視点を変えることで一歩引いて現実を見ることができます。働きやすい環境づくりのためにも、自立した関係を目指しましょう。
まずは、お互いを知ることから
評価やリハビリの内容での意見の相違は、相手の考え方が理解できないことで起こりやすくなります。経験してきた環境が異なれば、評価に対する考え方の違いもあり得ること。それまでの経験を生かすためにも、まずはお互いを知ることから始めませんか? それぞれが持つ技術を知り、尊重し合うことで、患者さんや施設のためにも大きな力となることでしょう。
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