デイサービスでの理学療法士の働き方・役割について解説!
公開日:2019.11.25 更新日:2024.05.22

病院や施設で働く医療従事者にはさまざまな職種があり、そのひとつが理学療法士です。
理学療法士の職場には一般病院や整形外科病院、そして福祉施設があります。近年、厚生労働省より市町村ごとの地域包括ケアシステムの構築が進められており、そこには診療所やデイサービスなど小さな医療福祉事業所も含まれます。理学療法士の人数も年々増加するなかで、これからますます地域での活躍が望まれているのが現状です。
今後、理学療法士が地域で活動する場所として、デイサービスやグループホームでの働き方やその将来性を考えます。
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目次
そもそもデイサービスとは
デイサービスとは、高齢者や身体に障害がある人が、自宅以外の施設で日中に過ごし、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを受けることができる制度です。
高齢化が進む現代において、できる限り健康寿命を延ばしながら、仕事や趣味などを楽しみ続けたいという人が増えています。その一方で孤立し、社会とのかかわりが薄くなっている人もいるのが現状です。そのほか、家族がいたとしても老介護となってしまい、介護者として時間的な余裕が取れず、心身の負担を招いている方も少なくありません。
そうした高齢者の孤立を防ぐとともに、介護者家族の負担を軽減したり、利用される方自身の生きがい作りや健康維持を行ったりするために利用されるのがデイサービス(通所介護)です。
デイサービスで働く理学療法士の現状

日本理学療法士協会によると2019年3月末までの時点で理学療法士協会の会員は119525名。大学病院や一般病床病院を含む医療施設で働いている会員は79632名で、介護老人保健施設や特別養護老人ホームを含む老人福祉施設で働く会員は10226名となっています。
診療所で勤務する理学療法士は9225名。デイサービスで働く理学療法士は1222名(デイケア含む)です。全体の会員数から見ると地域に根ざしたリハビリテーション機関であるはずの診療所やデイサービスで働く理学療法士の数が少ないことがわかります。
デイサービスで理学療法士が果たす役割とは?
デイサービスで活躍する理学療法士は、病院での経験とは異なり、利用者の自宅での生活を支えるようなリハビリを行います。ここでは、整形外科や脳疾患による身体機能の改善だけでなく、幅広い医学知識も求められます。なぜなら、医師や看護師が不在、または少ない状況でのリハビリが必要となるからです。また、職員数が限られている中で、場合によってはトイレの介助なども行います。
さらに、理学療法士はお茶の提供など、日常的なサポートも手掛けます。こうした一見些細な活動を通じて、利用者が地域で安心して過ごすために何が必要かを理解し、その情報を施術に活かす能力も必要とされます。これらが、デイサービスで働く理学療法士の大切な役割となります。
デイサービスにおける理学療法士の一日のスケジュール
デイサービスでの理学療法士の勤務は、一般的に朝8:30から夕方17:30までで、夜勤は基本的にありません。利用者は送迎車で施設に訪れますが、時には理学療法士も同行します。その理由は、利用者の移動動作の確認、住環境の把握、家族とのコミュニケーションなどです。
日中は、個々のニーズに応じて約20分のリハビリを提供します。しかし、時間の制限から、抽出した問題点の中から一つを選び、集中的に対応することもあります。理学療法士の介入により、「機能訓練加算Ⅰ」または「機能訓練加算Ⅱ」の算定が可能となります。これにより、個別または小集団でのリハビリが実施できます。
帰宅時間は施設により異なりますが、一般的に16時以降となります。送迎が終了した後、業務終了までに経過記録や個別計画書の作成を行い、一日の業務が終了します。これが、デイサービスで働く理学療法士の一日です。
高齢者向けのデイサービスと同様に、ここ数年で理学療法士の採用が増えてきた職域に、「放課後等デイサービス」があります。分類としては児童福祉ですが、具体的に何をするのか情報量が少ないのが現実です。改めてその内容と役割を確認しましょう。
放課後等デイサービスでも理学療法士は活躍中

デイサービスと聞くと高齢者を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、放課後等デイサービスでは、障害のある児童が主な対象となります。学校が休みの時や授業後に、子どもたちの苦手な部分を中心に、社会交流やレジャー活動、学習、言語訓練などのサービスを提供します。
対象は6歳から18歳までの未成年者で、サービスはその子どもの将来を見据えた形で提供されます。高齢者向けデイサービスと同じく、心身の機能維持や向上、家族への負担軽減が目的となります。理学療法士の専門性が、放課後等デイサービスの質を高めるために活用されています。
放課後等デイサービスでの理学療法士の重要な役割
放課後等デイサービスで働く理学療法士の主な仕事は、児童の身体能力を評価し、必要なサポートを提供することです。児童の筋力や動作バランスなど、身体的な側面に焦点を当て、同年齢の児童との比較を通じて評価を行います。
とくに将来的に児童が困難に直面する可能性がある問題点に対しては、現在問題が見られなくても予防的な訓練を行います。
放課後等デイサービスにおける理学療法士の役割は、学習や言語訓練よりも、主に身体機能の向上に重点を置いたサポートが求められます。これにより、児童の健やかな成長を支える重要な役割を果たしています。
今後デイサービスで働く理学療法士の需要は増えると予想
理学療法士協会の会員数に比べて、地域のデイサービスで働く理学療法士はまだ少ない現状です。しかし、医療機関での求人が減少し、一方で地域のデイサービスが増える傾向にあるため、今後は地域での需要が増えると予想されます。
特に、児童に対する理学療法の必要性が高まっている放課後等デイサービスなど、地域密着型のサービスが注目されています。これらの動向から、理学療法士の職場として地域での活動が今後さらに広がることが予想されます。
今回、デイサービスや放課後等デイサービスでの理学療法士の活動を紹介しました。地域での働き方は理学療法士の活動の幅を広げ、需要が増えています。地域での活動を考えるきっかけとして、理学療法士としてのキャリアを見直す際に参考にしてみてください。
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