肩幅を広くするには?鍛えるべき筋肉と効果的なトレーニングをご紹介
公開日:2024.05.20 更新日:2024.07.10
文:内藤 かいせい(理学療法士)
肩幅を広くして、今よりもがっしりとした身体を手に入れたい方も多いのではないでしょうか。肩幅を広くするためには、「三角筋」や「広背筋」などと呼ばれる筋肉を鍛えることが大切です。
この記事では、肩幅を広くするメリットやトレーニング内容についてご紹介します。鍛えるべき筋肉を知ることで、効率的に筋トレができるようになるでしょう。
肩幅を広くするために必要な筋肉は?
肩幅を広くするために鍛えるべき代表的な筋肉は、以下のとおりです。
● 広背筋
● 大胸筋
● 僧帽筋
ここでは、それぞれどのような筋肉なのかを詳しく解説します。
三角筋
三角筋とは、肩まわりを広く覆っている筋肉のことです。三角筋を鍛えることで、肩まわりが太くなり、肩幅を広げられます。
三角筋は部位によって3つの線維に分けられ、それぞれ役割は以下のとおりです。
● 中部:横方向の部分で、肩を横に広げる働きがある
● 後部:後ろ方向の部分で、肩を後方に動かす働きがある
このように、三角筋は肩の動きで働く部位が変わります。そのため三角筋を鍛える場合は、どのような動きでどこを鍛えるのかを意識することが大切です。
広背筋
広背筋とは、背中にある大きな筋肉です。広背筋は腰部分から肩にかけてついており、背中の広がりを強調できます。三角筋とともに鍛えれば、肩から背中のボリュームが増えて肩幅を広げることが可能です。
広背筋には、おもに腕を内側や後方に動かす働きがあります。
大胸筋
大胸筋は、胸についている大きな筋肉です。胸板を厚くするためには、この大胸筋のトレーニングが欠かせません。三角筋と並行して鍛えることで、肩から胸にかけての筋肉に厚みが出て、肩幅を広く見せられます。
大胸筋には腕を内側に動かす働きだけでなく、胸郭を広げて呼吸を補助する役割もあります。
僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋とは、背中の胸部分から首にかけてついている大きな筋肉のことです。僧帽筋のトレーニングをすることで、背中の厚みを出して肩幅を広く見せられます。僧帽筋は上から「上部・中部・下部」の3つの線維に分けられ、部位によって役割が異なります。
それぞれの役割は以下のとおりです。
● 中部:肩甲骨を内側に寄せる働きがある
● 下部:肩甲骨を引き下げる働きがある
肩幅を広くするメリット
先ほど紹介した筋肉を鍛えて、肩幅を広くするとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、肩幅を広くしたときのメリットについて詳しく解説します。
逆三角形の上半身を作れる
肩幅を広くすることで、逆三角形の上半身を作れます。逆三角形の上半身になれば、たくましい印象を強く与えられるでしょう。服を着ていたとしても、肩幅が広ければシルエットとして残りやすいのもポイントです。
肩幅の広さは体格を大きく見せることにもつながるため、身長以上に大きいイメージを相手に与えられます。
小顔効果でスタイルが良く見える
肩幅を広くすることで、相対的に顔が小さく見える「小顔効果」も期待できます。逆に、運動不足で肩幅を作る筋肉が衰えてくると、顔が大きく見えてしまう恐れがあるでしょう。顔が大きくて悩んでいる方は、肩幅を広くするトレーニングがとくにおすすめです。
このほかにも、肩幅が広がることでウエストのくびれが作りやすくなる、服をかっこよく着こなせるなどのメリットもあります。
肩幅を広くするための筋トレ方法
肩幅を広くするための筋トレ方法についてみていきましょう。ここでは道具を使わない自重トレーニングと、道具を使用した筋トレに分けてご紹介します。
道具を使わない自重トレーニング
ここでは、道具を使用しない自重トレーニングの内容をご紹介します。
パイクプレス
パイクプレスとは、身体を「くの字」にした状態での腕立て伏せです。パイクプレスでは三角筋や大胸筋、上腕三頭筋などを鍛えられます。
1. 四つ這いになり、両手は肩幅よりやや広めにしておく
2. 股関節を曲げてお尻を上に突き上げる
3. 頭が床につく寸前になるまで肘を曲げる
4. ゆっくりともとに戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
パイクプレスは通常の腕立て伏せよりも難易度が高い傾向にあります。慣れないうちは腕立て伏せからチャレンジしてみましょう。
ハイリバースプランク
ハイリバースプランクは、広背筋や腹筋などを鍛えられるトレーニングです。
1. 床に座った状態で両足は閉じておく
2. 両手と両足の3点で上半身を浮かせて、下半身と一直線の状態にする
3. 上半身を浮かせた状態を20秒ほどキープする
4. 休憩する
5. 2〜4の手順を繰り返す
秒数は目安なので、まずは短い時間から行ってみましょう。
バックエクステンション
バックエクステンションは背中まわりの筋肉を鍛えられるトレーニングです。
1. うつ伏せの状態になり、両手は横か前方向に広げておく
2. 上半身を後ろに反って、胸を床から離す
3. ゆっくりともとに戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
上半身を反らすときは無理のない範囲でゆっくり行いましょう。腰を反らしすぎると腰痛を引き起こす原因にもなるので、注意してください。
道具を使用した筋トレ
ここでは、ダンベルを使用した筋トレをご紹介します。ダンベルがない場合は、水の入ったペットボトルでも代用可能です。
サイドレイズ
サイドレイズは三角筋の中部線維を効率的に鍛えられるトレーニングです。
1. 立った状態で両手でダンベルを持つ
2. 肘を軽く曲げながら、腕を肩の高さまで真横に広げる
3. ゆっくりもとに戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
腕を広げる際は、手のひらは下方向に向いた状態で行いましょう。腕を前に持ち上げる方法に変えることで、三角筋の前部線維のトレーニングになります。
ダンベルフライ
ダンベルフライとは、大胸筋を鍛えられるトレーニングです。
1. 床やベンチであお向けの状態になり、両手にダンベルを持つ
2. 肘を伸ばしてダンベルを前に持ち上げる
3. ゆっくりと肘を曲げて、腕を真横に広げる
4. ゆっくりと2の状態に戻る
5. 2〜4の手順を繰り返す
ダンベルの重さに負けないように、適切なフォームで行うことを意識しましょう。
リアレイズ
リアレイズは三角筋や広背筋、僧帽筋などを鍛えられるトレーニングです。
1. 立った状態で両手でダンベルを持つ
2. 前屈みになり、両手は胸の前方で力を抜いておく
3. 肩の高さまで腕を真横に広げる
4. ゆっくりともとに戻る
5. 2〜4の手順を繰り返す
腕を真横に広げる際は、肩甲骨同士を引き寄せるようなイメージで行ってみましょう。
肩幅を広くするトレーニングのおすすめの頻度は?
肩幅を広くするトレーニングのおすすめ頻度は、週に2〜3回程度だとされています。トレーニングの負荷で傷ついた筋肉を修復するためには、ある程度の期間が必要です。そして、修復した筋肉は今までの負荷に負けないように、以前よりも太い状態になります。この筋肉が修復されて太くなることを「超回復」と呼びます。
なかには「毎日トレーニングをしたい」と思う方もいるでしょう。しかし、毎日トレーニングをして筋肉に負荷をかけ続けると、超回復が遅れてしまう恐れがあります。筋肉を太くして肩幅を広くするためには、トレーニングだけでなく休息期間も必要である点を理解しておくことが大切です。
毎日トレーニングをしたい方は、日によって筋トレする部位を分けて行うと良いでしょう。部位を分けながら筋トレすることで、超回復を妨げることなく筋肉を鍛えやすくなります。
肩幅を広くしてたくましい身体を目指そう
肩幅を広くすることで、逆三角形のたくましい上半身を作れるだけでなく、小顔効果も期待できます。肩幅を広くするには、三角筋や広背筋などの筋肉をバランスよく鍛えるようにしましょう。また肩幅を広くしたいからといって、毎日同じ内容のトレーニングをすることはあまりおすすめできません。筋肉の超回復のメカニズムを理解したうえで、週に2〜3回のトレーニングを習慣づけられるようにしましょう。
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内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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