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大殿筋を鍛える最強のトレーニング4選!鍛えるメリットや筋トレ効率を上げる方法も解説!

公開日:2025.03.21

大殿筋を鍛える最強のトレーニング4選!鍛えるメリットや筋トレ効率を上げる方法も解説!

文:和田 拓巳(スポーツトレーナー)

お尻の筋肉「大殿筋(だいでんきん)」は骨盤周りにあり、体を支えるうえで重要な筋肉です。日常生活では使われる機会が少ないため、運動不足や加齢などで筋力は次第に衰えてしまいます。

筋力が衰えても痛みなどはないため、気が付いたら目視できるほどお尻の筋肉が減っていた…なんてことも。

大殿筋を鍛えて筋力を高めることで、姿勢の改善やヒップアップ、運動能力や基礎代謝の向上など多くのメリットが期待できます。今回はプロのトレーナーが、大殿筋を鍛えるメリットや、簡単にできる筋トレを紹介します。

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大殿筋とは?

大殿筋とは?
大殿筋は、お尻の表面にある筋肉で、体の中でもとくに大きくて強力な筋肉の1つです。太ももの骨と骨盤を結びつけており、体のさまざまな動きに関与して重要な役割を果たしています。大殿筋の主な働きは、以下の通りです。

●股関節の伸展:太ももを後方に引く動き(例: 歩行時の蹴り出し、階段を登る動作)。
●股関節の外旋:股関節を回し、ひざを外側に向けるように太ももをひねる動き。
●股関節の外転:股関節から足を外側に上げる動き。
●骨盤の安定:立ち姿勢や歩行時に骨盤を安定させ、姿勢を維持する役割。

大殿筋を鍛えることで得られる5つのメリット

ここでは、大殿筋を鍛えて筋力を強化することで期待できるメリットを紹介します。

①姿勢の改善

大殿筋が強くなると、骨盤を正しい位置にキープする力が向上し、猫背や反り腰などの姿勢を改善する効果が期待できます。

骨盤は、周囲の筋肉の筋力によって支えられています。大殿筋の筋力が弱くなると、周囲の筋肉との筋力バランスが崩れて骨盤が前傾しやすくなり、反り腰になってしまうことがあります。

反り腰は腰だけでなく、背骨全体のバランスを崩し、首や肩、背中などの痛みを引き起こす原因となります。姿勢が悪い人は大殿筋を鍛えることで、体全体のバランスを整え、姿勢の改善を図ることができます。

②ヒップラインの引き締め

大殿筋はボディラインを作るうえでも重要な筋肉です。大殿筋を鍛えることで、お尻の形が引き締まり、丸みのある美しいヒップラインをつくることができます。

大殿筋が衰えると、脂肪の重さに負け、垂れ尻や縦長のお尻になってしまうことも。とくに女性にとっては、体型のバランスが良くなり、メリハリのあるシルエットを実現することにつながります。

③基礎代謝の向上

大殿筋は体の中でもとくに大きな筋肉のため、鍛えることで筋肉量が増えやすく、筋肉量が増えることで基礎代謝も高まります。

その結果、自然と消費カロリーの増加につながり、太りにくく痩せやすい体質に導きます。大殿筋を鍛える筋トレは、無理なく健康的にダイエットしたい方にもおすすめです。

④運動能力の向上

大殿筋を鍛えることは、スポーツのパフォーマンスアップにも有効です。とくにジャンプ力に関しては、大殿筋の力を効率的に発揮させることが大切です。

ジャンプ動作の多いバレーボールやバスケットボールなどでは、大殿筋の強化が欠かせません。

またダッシュや切り返し動作など、下半身の瞬発的な力を必要とする動きや、相手選手との競り合いなどで必要なバランス力の強化にもつながります。

そのため野球やサッカー、ラグビーなど、多くの競技で大殿筋の筋力がパフォーマンスを左右します。

大殿筋の強化はスポーツだけでなく、日常生活においても大切です。

階段の上り下りが楽になったり、重い物を持ち上げたり、座った姿勢からの立ち上がりが楽になるなどさまざまなメリットが期待できます。

また筋力が高まることで疲れにくくなったり、大殿筋が効率的に働くことで他の筋肉への負担が減って良い姿勢を保持しやすくなるなど、健康寿命を伸ばすことにもつながるでしょう。

⑤けがの予防

大殿筋が衰えて弱くなると、その周辺の筋肉や関節への負担も増加します。

とくに腰やひざなどの関節は、大殿筋の筋力に大きな影響を受けます。大殿筋が弱くなることで関節の安定性が低下したり、太ももの筋肉に負担がかかり、疲労がたまってけがにつながりやすくなります。

またスポーツでのけがを防ぐためにも、大殿筋を強化しておくことが重要です。

大殿筋を鍛えるトレーニング4選

ここからは、お尻を刺激して大殿筋を鍛える簡単なトレーニングを紹介していきます。自宅でも手軽にできるので、ぜひ空いた時間に取り組んでみましょう。

ヒップリフト

大殿筋を鍛える最強のトレーニング4選!鍛えるメリットや筋トレ効率を上げる方法も解説!

1.あおむけに寝て、ひざを立てて90度に曲げます。両腕は体の横で床につき、体を支えます。
2.肩・腰・ひざが一直線になるように、腰を持ち上げていきます。
3.肩からひざまでが一直線になったら、しっかりお尻に力を入れて20秒間キープします。
【ポイント】腰で体を上げるのではなく、お尻で上げる意識が大切です。体が一直線になるところで姿勢をキープし、お尻を締めるように意識しましょう。

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ヒップスラスト

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1.イスやソファなどの座る部分に背中を軽く乗せ、寄りかかるような姿勢になります。ひざを曲げて腰幅程度に脚を開き、床につけます。
2.肩・腰・ひざが一直線になるように、お尻を持ち上げていきます。
3.一直線になるところまで持ち上げたら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。
4.この動作を繰り返します。10回×3セットを目安に行いましょう。
【ポイント】お尻を持ち上げたときに、お尻を寄せるようにギュッと締めると効果的です。ペットボトルや本などを太ももの上に乗せると、負荷が高まります。

サイドウォーク

大殿筋を鍛える最強のトレーニング4選!鍛えるメリットや筋トレ効率を上げる方法も解説!

1.脚を腰幅程度に開き、ひざを軽く曲げて立ちます。軽く腰を反り、胸を張った姿勢になります。
2.姿勢を崩さずに、左足を横へ一歩踏み出します。
3.右足をひきつけ、元の姿勢に戻ります。
4.左に10歩歩いたら、今度は同様の動作で右へ10歩移動するように行います。
【ポイント】動作中は姿勢を変えずに、ただ横に動くということを意識して行いましょう。上体の姿勢が崩れたり、ひざや股関節が伸びてしまうと、お尻への負荷が少なくなるので注意が必要です。

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ファイヤーハイドラント

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1.四つんばいの姿勢になります。つま先は地面につけておきます。
2.片方のひざを真横に持ち上げていきます。このとき、ひざの角度が変わらないように注意しましょう。
3.上げれるところまで上げたら、元の姿勢に戻ります。
4.反対側も同様に行います。10回×3セットを目安に行いましょう。

【ポイント】脚を真横に上げた際に、体をねじらないように注意しましょう。脚を高く上げる意識よりも、姿勢を崩さないことが重要です。腰をひねらず、股関節だけを真横に動かすような意識で動作を行いましょう。

大殿筋を鍛えるトレーニングの効率を上げるポイント

最後に、大殿筋を効率よく鍛えるためのポイントを紹介します。けがを防いで安全に取り組むためにも、しっかりと理解しておきましょう。

正しいフォーム・動作で行う

大殿筋を鍛える筋トレを行うときは、負荷や回数に意識が向きがちですが、一番大切なのはフォームや動作を正確に行うことです。フォームや動作が適切でないと、大殿筋への刺激が入りにくくなるだけでなく、けがのリスクも高まります。

慣れていない場合は、鏡やスマホなどを使い、正確なフォーム・動作でできているかをチェックしながら行うことをおすすめします。またお尻に効いている手応えを感じながら進めることもポイントです。

負荷を徐々に高める

筋トレに慣れてきたら、負荷を徐々に高めていくことが効果的です。ダンベルやチューブを使うことで、簡単に負荷を高めることができます。ジムに通っているなら、ウエイトを使用することも検討しましょう。

具体的にはそれぞれの筋トレが、20回以上楽に動作できるようになったら、重りを使って負荷を上げてみると良いですよ。

ただし急激に負荷を上げすぎると、関節や筋肉などに過度な負担がかかり、けがにつながる可能性があります。負荷は、無理なく徐々に高めるようにしましょう。

まとめ

今回は大殿筋を鍛えるメリットや、おすすめの筋トレを紹介しました。

大殿筋は体の中心にある大きな筋肉です。鍛えることでヒップアップや、基礎代謝の向上によるダイエット効果などさまざまなメリットが期待できます。

また日常生活での動作をスムーズに導いたり、スポーツパフォーマンスの向上にもつながるはずです。大殿筋は加齢や運動不足により衰えていくため、普段から意識的に鍛えておくことが重要です。

今回紹介した筋トレは、自宅で手軽にできるものばかりです。早速実践して、健康的な体を手に入れてくださいね。

和田 拓巳

和田 拓巳

スポーツ選手やオリンピック候補選手、アーティストのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。
医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会もしており、講師業にも力を入れている。テレビや雑誌など各種メディアに出演およびトレーニング監修を行う。
著書に「見るだけ筋トレ」(青春出版社)がある。

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