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腰方形筋とは?おもな作用やストレッチ・筋トレの方法をご紹介

公開日:2025.03.28

腰方形筋とは?おもな作用やストレッチ・筋トレの方法をご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

腰方形筋とはどんな筋肉なのか、どのような作用があるのか知りたい方はいませんか?腰方形筋は腰背部につく筋肉で、腰椎や骨盤の動きに関わっています。

この記事では、腰方形筋の作用やストレッチ、筋トレの内容をご紹介します。筋肉の構造を知ることで、身体の動きにどのように関与しているのかがわかるでしょう。

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腰方形筋とはどんな筋肉?

腰方形筋とは?おもな作用やストレッチ・筋トレの方法をご紹介
腰方形筋とは、骨盤から腰にかけてついている筋肉です。腰方形筋の起始・停止や神経支配は、以下のとおりです。

起始 腸骨稜と腸腰靭帯
腰椎肋骨突起
停止 第12肋骨
腰椎肋骨突起
作用 ● 片側:腰椎を同側に曲げる(骨盤の挙上)
● 両側:腰を反らす
支配神経 腰神経叢(T12〜L3)

腰方形筋の触診方法としては、まずうつ伏せになってもらい、腰椎肋骨突起と第12肋骨を触知します。その後、腸骨稜と第12肋骨の中間から、胸腰筋膜外側から内側へ指を深く潜り込ませると、腰方形筋を触知可能です。その際、骨盤の挙上をしてもらうと筋収縮を感じられます。

腰方形筋の役割

腰方形筋は、どのような役割を担う筋肉なのでしょうか。ここでは、具体的な役割をご紹介します。

腰椎の運動に作用する

腰方形筋は、腰椎の動きや安定性を高めるための役割を果たしています。腰方形筋の作用は、片側が収縮すると腰椎の側屈や、両側の収縮による腰椎の伸展のサポートなどです。さらに、腰方形筋は横隔膜と大腰筋と筋連結しており、腰椎の垂直位の保持・安定に関わるとされています。

また、遠心性収縮によって対側の側屈をコントロールする作用もあるとされており、これによって体幹の動揺を防止しているのです。このように、腰方形筋は腰椎や骨盤の動きだけでなく、姿勢の安定化にも貢献している筋肉といえます。

呼吸の際にも活動する

腰方形筋は腰椎や骨盤に作用するだけでなく、呼吸にも関わっている筋肉です。腰方形筋は呼吸補助筋の1つで、強制呼気に作用するとされています。

具体的に、腰方形筋が働くことで第11・12肋骨が固定され、胸郭の下制に働きます。これにより、呼気時の横隔膜の収縮をサポートしているのです。このように、腰方形筋には腰椎の運動や呼吸の補助など、さまざまな作用があることをおさえておきましょう。

腰方形筋は硬くなりやすい?

さまざまな作用がある腰方形筋ですが、普段の生活で硬くなりやすい筋肉でもあります。腰方形筋は、運動時だけでなく安静時にも働きやすい筋肉です。とくに病気やケガなどによって下肢の筋力が低下している場合、腰方形筋の過剰収縮が起こる可能性があります。

具体的に、歩行時の下肢の振り出し時にクリアランスを確保するために腰方形筋が働き、骨盤の挙上に働きます。このような代償動作が起こると腰方形筋が過剰収縮しやすくなり、過度の緊張によって痛みを引き起こすことも少なくありません。

腰方形筋のトリガーポイント

腰方形筋とは?おもな作用やストレッチ・筋トレの方法をご紹介

腰方形筋の緊張が高まり続けると、トリガーポイントが生じることがあります。トリガーポイントとは、筋肉の過敏化した部位のことで、押すと痛みが現れやすくなります。このトリガーポイントが現れると、腰痛だけでなく骨盤やお尻に痛みが出ることもあるでしょう。

トリガーポイントを生じやすい部分は人によりますが、筋の付着部や中央などがあげられます。そのような部分を押して痛みが現れた場合、筋肉の緊張が高い可能性があります。その際は、筋肉のマッサージやストレッチで緊張をほぐすことが大切です。

腰方形筋のストレッチ

腰方形筋の柔軟性を高めるためには、ストレッチによって筋肉を持続的に伸張させましょう。ここでは、腰方形筋のストレッチ方法をご紹介します。

【腰方形筋のストレッチのやり方:その1】
1. 両手を伸ばす
2. ゆっくりと上半身をやや斜め前方向に側屈させる
3. 側屈した状態を20秒ほどキープする
4. 反対側で行う
【腰方形筋のストレッチのやり方:その2】
1. イスに座る
2. 片方の足に向かって上半身をひねりつつ倒す
3. 倒した状態を20秒ほどキープする
4. 反対側で行う

腰方形筋の筋トレ

腰椎の安定性を高めるためには、腰方形筋の筋トレを行うことも重要です。ここでは、腰方形筋の筋トレの仕方について解説します。

骨盤水平トレーニング

骨盤水平トレーニングは、台に片足を乗せて骨盤を上下に動かすトレーニングです。

【骨盤水平トレーニングのやり方】
1. 段差や台に片足を乗せる
2. 骨盤を水平にする
3. 姿勢を伸ばしたまま骨盤の上げ下げをする
4. 左右で20回×2〜3セット行う

運動中は肩が上下しやすいので、骨盤だけを動かすことを意識してみましょう。身体が曲がりやすい方は、鏡を見て姿勢をチェックしながら行うのもおすすめです。

サイドベンド

サイドベンドとは、身体をゆっくり側屈するトレーニングです。腰方形筋への負荷は少ないですが、その分どこでも気軽に行えます。

【サイドベンドのやり方】
1. まっすぐ立って足は肩幅程度に開く
2. 片手でダンベルを持つ
3. ダンベルを持つ手と反対側にゆっくり側屈する
4. ゆっくり戻る
5. 3〜4の手順を左右で20回×2〜3セット行う

ダンベルがない場合は、水の入ったペットボトルでも代用可能です。

サイドプランク

サイドプランクは、横向きの状態で身体を持ち上げ、その姿勢をキープするトレーニングです。腰方形筋や中殿筋、腹斜筋などの筋肉を鍛えられます。

【サイドプランクのやり方】
1. 側臥位になる
2. 身体を浮かせて、下側の腕と足で支える
3. 股関節が曲がらないようにキープする
4. 20〜30秒キープしたら、もとに戻る
5. 左右それぞれ2〜3セット行う

サイドプランクが難しい方やふらついてしまう方は、膝と腕で支えることからはじめてみましょう。その場合、膝は90度ほど曲げて行います。

腰方形筋の筋肉にアプローチしてみよう!

腰方形筋は腰椎の動きに関わる筋肉で、体幹の側屈や骨盤の挙上などの作用があります。また、呼吸のサポートをする役割もあるとされています。腰方形筋は普段の生活で働きやすい筋肉なので、緊張が高まりやすく、腰痛を引き起こすケースも少なくありません。

その際は、ストレッチで緊張した筋肉をほぐすことも大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、腰方形筋についての知識を深めていきましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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