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オンラインMTGアプリの可能性
~体操教室、オンライン相談など室内リハ用品を使った紹介~

公開日:2020.10.23 更新日:2021.04.30

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新しい生活様式で急速に普及したオンラインMTGでは、これまでにない出会いやコミュニケーションを愉しむことができます。リハビリ活動で用いる際は、音声や画像だけでは察し得ない不安にお互い配慮しながら、離れていても場所や時間、心を共にできる機会を提供することが求められます。
 

オンラインMTGアプリでできること

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人々や地域を守る新しい生活様式に欠かせない存在となったオンラインMTGアプリ。インターネットの環境さえ整えば、場所や時間を選ばず、世界中どこにいてもface to faceのコミュニケーションや情報の共有を図ることができます。画像や音声、文字チャット、タスクやカレンダーの共有、スクリーンショット、録画、録音などの機能を活用すれば、オンラインツールの利便性をより身近に感じられるのではないでしょうか。
 

オンラインMTGアプリは、一対一のコミュニケーションだけではなく、セミナー形式(一対複数)やグループセッションなど、さまざまな形式でコミュニケーションをとることができます。例えば、外来リハビリテーションに通うことが難しい患者さんが、担当のセラピストと自主トレーニングの進捗を共有したり、ご自宅での日常生活動作の悩みを実際の環境を確認しながら検討したりできます。同じ障害をもった方々同士の交流や、セラピストがご自宅に居る患者さん向けに開催する体操教室や健康セミナーなども、オンラインMTGアプリを活用したリハビリ活動の代表例と言えます。
新型コロナウイルス感染拡大により、新しい生活様式を模索するなか生まれたアイデアは、近い将来、感染拡大の危機を乗り越えた後も、誰もが住み慣れた地域で健康であり続けるための一選択肢となっていくのでしょう。
 

オンラインMTGアプリならではの配慮

オンラインMTGアプリには、オンラインであるが故のデメリットもあります。一つは通信環境によるもの。通信が不安定になれば、画像や音声が途切れてしまうこともあります。コミュニケーションが滞れば、「やっぱり、直接会いに行って話を聞いてもらわなければ」と、相手を不安にさせてしまうかもしれません。特に、スマートフォンやパソコン操作に慣れていない方にとっては、些細なトラブルも、音と映像からだけでは察し得ない不安、不満を抱かせてしまうでしょう。
オンラインMTGアプリを用いたコミュニケーションでは、オンラインならではの配慮が必要です。私自身、オンラインMTGアプリを用い、大勢の学生さん向けに講義を行う時期があったのですが、なかなか思うようにいかず試行錯誤の連続でした。通信障害により音声が途切れてしまうことが多く、講義資料(アウトライン)の他に、あらかじめ準備した講義の「読み原稿(台本)」を配信することもありました。伝える内容をいつも以上に凝縮し、タイムスケジュールを示したうえで講義をするなど、専用メールボックスに届く学生さんの声を頼りに工夫を重ねました。

もう一つは、参加者同士がアイデアを共有しにくいこと。講義の場合、教室にいれば周りの同級生の様子を見ながらメモをとるなど、場の雰囲気を感じながら学び合うことができますが、オンライン講義ではなかなか難しいようです。グループセッション機能を活用し、できるだけ学生同士が学び合う場を設けることは可能でしたが、フリートークが苦手な学生さんは取り残されてしまいがち。その場合は、話す内容や順番、司会者の設定など、具体的な前準備をして工夫しました。
 

場と時間を共にし「心」を通わせる工夫を

オンラインのリハビリ指導、相談、グループセッション、オンライン講義など、外出が難しい状況でも、オンラインMTGアプリを活用することにより、相手のニーズに応じた場やきっかけを設けることが可能です。しかし、オンラインならではの配慮はもちろん、相手のリアクションを見ながら、伝え方を常にアップデートすることも忘れてはなりません。

特に、オンラインMTGアプリを活用する際は、相手と場と時間を共有できているか、相手の思考や感情(心)を通わせることができているか振り返ってみることが重要と考えます。
例えば、自宅内の日常生活動作の自立状況を共有する場面では、動作の工程表を画面で示し、どの工程がどの程度できているか、どの程度の達成度なのか数字で表し確認し合うのも一つのアイデアです。こちらが一方的にリアクションを引き出すのではなく、相手が主体的に思いを発信できるような場を持てると良いでしょう。
 

グループでレクリエーションを行うのも、場と時間を共にし、お互い心を通わせるきっかけになるかもしれません。私が、自宅待機中の学生さんを対象に行った「オンライン家宝展」は、大変盛り上がりました。これは、自宅にある「家宝(大切にしているもの・ずっと捨てられないもの)」を紹介し合う、簡単なレクリエーションです。尊敬するスポーツ選手のサインが入ったボール、幼い頃に父親からもらった誕生日プレゼント、愛犬、兄弟の写真などなど……それを手にした時のエピソードを添え紹介します。オンラインの交流だけでは気づき得なかった意外な側面に驚いたり、笑いあったり、もっと話してほしいと思ったり。直接触れ合えない仲間との絆をつくろうとするきっかけが生まれていたと思います。
 

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中山 奈保子(なかやま なおこ)
作業療法士(教育学修士)。
1998年作業療法士免許取得後、宮城・福島県内の医療施設(主に身体障害・老年期障害)に勤務。
現職は作業療法士養成校専任教員。2011年東日本大震災で被災したことを期に、災害を乗り越える親子の暮らしを記録・発信する団体「三陸こざかなネット」を発足し、被災後の日常や幼くして被災した子どもによる「災害の伝承」をテーマに執筆・講演活動を行っている。
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