料理ができなくても管理栄養士になれる?調理技術が求められない職場も

更新日 2023年11月10日 公開日 2023年11月10日

#情報収集 #転職検討/準備

管理栄養士を目指している方のなかには、「料理ができないと、管理栄養士にはなれないのだろうか」「管理栄養士に興味はあるけれど、調理が苦手だからどうしよう」と悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。

管理栄養士の資格を取得するには、高い調理技術が必要……。一般的にはそう思われがちですが、実は料理が苦手でも管理栄養士になることは可能です。また、管理栄養士が働く職場には、調理技術を必要とされないところもあります。

この記事では、管理栄養士に興味のある方、あるいは料理が苦手だけれど管理栄養士を目指したい方に向けて、料理技術を身に付ける方法や料理の苦手な方が活躍できる職場をご紹介します。ぜひ今後に向けての参考にしてください。

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料理できなくても管理栄養士になれる?調理技術が求められない職場も

料理ができなくても管理栄養士になれる?

前述したように、料理ができない方、あるいは料理に苦手意識がある方でも、管理栄養士になることは可能です。もちろん、料理が好きで管理栄養士になった方や、料理を得意とする方は大勢いらっしゃいますが、すべての管理栄養士が料理に関する高い技術を身に付けているわけではありません。

ただし、管理栄養士の受験資格を得るには、管理栄養士養成施設における調理実習や実技試験をクリアする必要があります。また、就職先によっては、料理に関する知識や技術が求められることも少なくありません。

では、料理が苦手な方はどのようにして管理栄養士になったのでしょうか? また、料理ができないと、どのような場面で不利になるのでしょうか? ここでは、「管理栄養士を目指しているものの料理に自信がない」という方が抱きがちな疑問・質問に回答していきます。

管理栄養士と栄養士・調理師の違いは?

管理栄養士は厚生労働大臣から免許を受けた国家資格であり、栄養に関する専門知識と技術を用いて栄養指導、食事の管理(栄養計算、献立作成など)を行う専門職です。なお、管理栄養士は、健康な方だけでなく、病気を抱えている方や高齢で食事を取りにくい方などに対しても栄養指導を実施します。

栄養士も、栄養指導や給食管理といった基本的な業務は管理栄養士と同じですが、都道府県知事から免許を受ける点と、主に健康な人に向けた栄養指導を行う点に違いがあります。管理栄養士・栄養士が活躍する主な職場として挙げられるのは、医療施設、福祉施設、教育機関、行政機関、民間企業などです。

一方、調理師は調理師法にもとづいた国家資格であり、食と料理に関する専門的な知識・技術を持った職種です。調理のプロとして実際の調理を担当するほか、食材発注、レシピ開発などを行うこともあります。飲食店、宿泊施設、医療施設、教育機関など、調理が必要となるさまざまな職場に勤務でき、現場経験を積んだ後に、料理人として自身の飲食店を開業するケースも多く見られます。

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料理が苦手でも調理実習をクリアできる?

管理栄養士になるには国家資格の取得が必須です。管理栄養士の国家資格を取得するためには、以下のどちらかの条件を満たす必要があります。

・栄養士免許を取得し、所定の実務経験を積んだ後、国家試験を受験して合格する
・管理栄養士養成施設の4年次に、国家試験を受験して合格する

(出典:公益社団法人日本栄養士会「管理栄養士・栄養士とは」/https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

専門学校などの管理栄養士養成施設で学んだ上で国家試験を目指す場合、カリキュラムのなかには調理実習や実技試験が含まれます。実習は、小規模な調理から給食を想定した大規模な調理まで、さまざまな形で行われますが、きちんと授業に出席し、レポートなどの課題を提出すれば基本的には問題ありません。グループ単位で行われる調理実習も多いため、料理が苦手な方でも周囲と協力し合うことで実習をクリアできるでしょう。

なお、管理栄養士の国家試験は筆記のみとなっており、調理技術を問う実技試験はありません。

料理が苦手だと不利になる場面は?

管理栄養士が活躍する職場には、調理技術が求められないところもあります。その場合、料理が苦手なことが不利に働く場面はほぼないでしょう。

とはいえ、「料理ができるに越したことはない」というのも事実です。例えば、料理が作れると調理指導ができたり、対象者にあわせて献立を工夫したりできるため、仕事の幅が広がりやすいでしょう。もちろん、料理が苦手だったとしても、料理に関する知識と「多くの方の栄養と食事をサポートしたい」という思いがあれば、管理栄養士として十分に活躍できます。

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料理が苦手な管理栄養士が調理技術を身に付けるには?

調理技術を身に付けるための効果的な方法は、調理経験を積むことです。小規模な調理を行う職場に勤める場合は、料理教室や家庭で料理に慣れておくことをおすすめします。集団給食など大規模な調理を行う場合は、学校や給食施設などの現場で、大量調理特有の工程に慣れることから始めましょう。

管理栄養士は、食と密接に関わる仕事です。栄養指導が主な業務ですが、調理ができると多様な仕事に携われます。調理技術は練習すれば向上しますので、苦手意識を持ちすぎず、前向きに身に付けていきましょう

料理が苦手な管理栄養士が活躍できる職場

管理栄養士は料理ができなくても免許を取得できますが、前述したようにある程度の調理技術を身に付けたほうが、活躍の幅は広がります。とはいえ、「どうしても料理に苦手意識がある」「料理に自信が持てない」という方もいらっしゃるでしょう。ここからは、料理が苦手な管理栄養士でも活躍できる職場を6つ紹介します。

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栄養教諭

栄養教諭とは、小中学校に通う児童や生徒の食育を推進する学校教員です。栄養教諭は小中学校に勤務し、食事や栄養面に関する指導のほか、学校給食の基本計画、献立の作成、食材の選定・購入など、幅広い業務を担当します。

栄養教諭になるためには、「栄養教諭普通免許状」が必要です。管理栄養士資格を持っている方が栄養教諭免許を取得する場合、以下の2つの方法があります。

学校栄養職員の勤務経験がない場合 大学などに通って必要な単位を修得する
学校栄養職員の勤務経験がある
または他の教職員免許を持っている場合
都道府県教育委員会が実施する講習などで所定の単位を修得する

(出典:文部科学省「栄養教諭制度の概要」/https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/eiyou/04111101/003.htm

栄養教諭は教壇に立って、子どもたちと直接触れあえる点が魅力です。管理栄養士の知識を生かして教育現場に携わりたい方には、おすすめの職業と言えるでしょう。

食品・健康食品メーカー

食品・健康食品メーカーでは、主に商品の企画・開発を担います。また、原材料の機能分析や商品管理、規格書の作成なども業務の一部です。

メーカーによって開発する商品の種類は異なりますが、自分のアイデアが形になるのは、とても魅力的な活動です。食品・健康食品メーカーで商品の企画・開発に携わりたい方は、興味・関心のある商品を取り扱う企業を見付けることから始めましょう。

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研究職

研究職として働く場合は、大学の研究室や公的研究機関、民間企業の研究部門に勤めるケースが多い傾向です。また、研究職を専門とする管理栄養士は、食の研究だけでなく、保健・医療・福祉・介護などに関する研究を行うこともあります。

研究の成果を情報として発信したり、商品として普及させたりすることで、さまざまな方の健康増進や病気予防に貢献できるため、「自分が取り組んだ研究を多くの人の役に立てたい」と考える方におすすめの職種です。

薬局・ドラッグストア

2016年10月にスタートした健康サポート薬局制度によって、近年は管理栄養士を配置し、地域住民の健康管理を行う薬局・ドラッグストアが増えてきました。

なお、健康サポート薬局とは「かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を備えた上で、国民による主体的な健康の保持増進を積極的に支援する、健康サポート機能を備えた薬局」のことです。薬局・ドラッグストアで働く場合、管理栄養士は薬局管理栄養士として勤務します。

薬局管理栄養士の主な業務は、栄養指導と店舗業務です。栄養指導では、健康に関する悩みを持ったお客さまに適切なアドバイスを行ったり、店内の商品を使って栄養相談に応じたりします。一方の店舗業務では、他の従業員と同様に品出しやレジ業務、調剤薬局事務のサポートなどを行います。そのほか、地域住民に向けた栄養関連のイベントを企画・実行するのも、薬局管理栄養士の仕事の1つです。

さまざまな業務を通して、地域住民の健康をサポートしたい方にはおすすめの勤務先と言えるでしょう。

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エステサロン・スポーツジム

エステサロンで働く管理栄養士は、お客さまに食生活や食習慣を改善するためのアドバイスを行い、栄養学の面から美と健康をサポートします。

スポーツジムでは、食と栄養に関する専門的な知識を活用して、利用者さまに栄養管理や食事のアドバイスを行います。アスリートの栄養管理・栄養教育を行う「公認スポーツ栄養士」の資格を取得すれば、よりスポーツ分野に特化した業務に携われるでしょう。

エステサロン・スポーツジムは、「食と栄養の専門家として、多くの方の健康や美容を支えたい」という方にぴったりの職場です。

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給食委託会社栄養衛生課員

給食委託会社栄養衛生課員は、病院や社員食堂など、さまざまな給食の現場に勤務します。主な業務は、栄養士や調理師に対する食品衛生関連の指導、給食管理に関する書類作成などです。

管理栄養士として培ったノウハウを駆使して、安心・安全な給食づくりに貢献したい方は、給食委託会社栄養衛生課員を仕事選びの選択肢に入れるのもよいでしょう。

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まとめ

「料理ができない」「調理が苦手」という方でも、管理栄養士になることはできます。ただし、管理栄養士として働く場合は、ある程度料理ができるほうが実務面で役立つことも事実です。「調理が苦手」という点がどうしても気になる場合は、調理業務に関わらない職場に就職・転職するのも1つの方法でしょう。

管理栄養士として、自分に合った職場をお探しの方は、ぜひマイナビコメディカルをご活用ください。マイナビコメディカルでは、業界に精通したキャリアアドバイザーが、マッチ度の高い求人のご紹介や履歴書の添削、応募先への条件交渉など、幅広い転職支援を行っております。転職が初めての方や転職に不安を感じている管理栄養士の方も、お気軽にご相談ください!

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監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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