【2025年最新】栄養士・管理栄養士の平均年収や給料は?収入アップの方法もご紹介

文:清水花菜(管理栄養士/フードコーディネーター)
「栄養士・管理栄養士の年収は低いのでは?」と気になっていませんか。厚生労働省の調査によると、栄養士・管理栄養士の平均年収は約310万円で、全職種平均より低めです。ただし、勤務先や働き方によって幅があり、平均はあくまで参考にすぎません。
本記事では、栄養士の年収の実態、年齢・職場ごとの相場感、年収を上げるための具体的な方法をわかりやすく解説します。
目次
栄養士・管理栄養士の年収
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、栄養士(管理栄養士を含む)の平均年収は約310万円であり、全職種の平均である約396万円と比べると低い水準にあります。
※栄養士(管理栄養士を含む)の平均年収:栄養士の所定内給与額×12カ月で算出
※全職種の平均年収:一般労働者の賃金(男女計)×12カ月で算出
ただし、これは各種手当やボーナスを除いた金額であり、また、勤務先ごとに仕事内容や給与体系が異なるため、実際の収入とは開きがあります。
また、上記のデータは管理栄養士を含む全体の年収ですが、実際には、管理栄養士は業務範囲が広く、栄養士よりも高い給与が設定される傾向にあります。
次の章では、職場ごとの年収の違いを詳しく見ていきましょう。
【職場別】栄養士・管理栄養士の年収の違い

栄養士・管理栄養士の年収は、働く職場によって大きく異なります。その理由は、職場ごとに業務内容が異なるためです。
たとえば病院では、管理栄養士が医師の指示のもとで保険算定の対象となる栄養指導や栄養管理を担当し、栄養士は献立作成や給食管理、栄養管理の補助などを担うケースが多く見られます。介護施設では日常的な食事サポート、企業では健康経営や商品開発など、求められる役割が変わります。
また、栄養士(管理栄養士)の給与は、雇用先である業界全体の給与水準にも影響を受けます。医療業界、福祉業界、食品業界など、業界によって給与体系や昇給ルールが異なる場合があるためです。
ここでは、マイナビコメディカルに掲載されている求人情報をもとに、主な職場ごとの年収水準と仕事内容を紹介します。
病院・クリニックで働く場合
病院やクリニックでは、主に管理栄養士が入院患者や外来患者への栄養指導、献立作成、栄養管理などを行います。これらの栄養指導のうち、医療保険・介護保険の算定対象となる外来・入院の栄養指導は、管理栄養士の業務として位置づけられており、栄養士資格のみでは算定ができません。
一方で、栄養士は献立作成や給食管理、栄養管理の補助などを担当することが多く、医師や看護師、管理栄養士など多職種と連携しながら、患者さんの病態に応じた食事提供を支えます。こうしたチーム医療の一員として専門性を発揮できる職場です。
介護福祉施設で働く場合
介護施設では、高齢者の健康維持や疾病予防のための献立作成、栄養ケア計画の立案、嚥下状態に応じた食事形態の調整などを担当します。利用者さん一人ひとりの嗜好や身体状態に寄り添った継続的なサポートが求められます。
企業に勤める場合
企業では、社員食堂の献立作成や栄養管理、特定保健指導、健康支援サービスの企画開発などに携わります。近年では、栄養アプリの開発やオンライン栄養相談など、新しい働き方も広がっています。
公務員として働く場合
自治体が運営する病院や保健所、学校などで働く場合、公務員としての雇用となります。公務員は雇用が安定しており、経験年数に応じて昇給やボーナスが見込めるため、長期的には年収が高くなる傾向にあります。ただし、公務員として働くには、公務員試験に合格する必要があります。
栄養士・管理栄養士の年収は年齢・経験でどう変わる?

栄養士・管理栄養士は、経験を積むことでスキルが評価されやすく、年収も少しずつ上がっていく職業です。先ほど紹介した平均年収をさらに詳しく、年齢別に見ていきましょう。
| 年齢 | 年収 (※各種手当やボーナスを除いた額) |
|---|---|
| 20~24歳 | 約265万円 |
| 25~29歳 | 約285万円 |
| 30~34歳 | 約307万円 |
| 35~39歳 | 約312万円 |
| 40~44歳 | 約319万円 |
| 45~49歳 | 約348万円 |
| 50~54歳 | 約350万円 |
| 55~59歳 | 約353万円 |
| 60~64歳 | 約349万円 |
| 65~69歳 | 約246万円 |
| 70歳~ | 約222万円 |
データから読み取れるように、20代前半では約265万円ですが、経験を積む30代・40代にかけて少しずつ上がり、50代後半で年収のピークを迎えています。長年の勤務経験や役職・責任の増加が収入に反映されていると考えられます。ただし、その後は大きな上昇は見られず、キャリアが安定期に入り、新たな昇給機会が減少する時期と考えられます。60代以降は、定年後の再雇用や短時間勤務への移行により年収は下がっていきます。
栄養士・管理栄養士の年収を上げるための4つのポイント
栄養士として専門性を活かしながら年収をアップさせるには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、具体的なポイントを4つ紹介します。
①管理栄養士の資格や専門資格を取得する
栄養士の場合、管理栄養士の資格取得が年収アップの近道です。栄養士と管理栄養士では業務範囲が異なり、管理栄養士は傷病者への栄養指導や高度な栄養管理など、より専門性の高い業務を担当できます。そのため、多くの職場で管理栄養士の方が給与水準は高く設定されています。
さらに、実務経験を積んだ後は、日本栄養士会認定の専門資格取得によりさらなる年収アップを目指せる可能性があります。栄養士に関わる代表的な専門資格としては、以下のような資格が挙げられます。
基盤となる認定資格
認定管理栄養士・認定栄養士:一定の実務経験と研修等を経て、臨床・教育・公衆栄養など横断的な実践力を証明する基盤資格
分野ごとの認定資格
・静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士
・在宅訪問管理栄養士
・公認スポーツ栄養士(日本栄養士会×日本スポーツ協会の共同認定)
・食物アレルギー分野 管理栄養士・栄養士
・小児栄養分野 管理栄養士・栄養士
・がん病態栄養専門管理栄養士
・腎臓病病態栄養専門管理栄養士
・糖尿病病態栄養専門管理栄養士
・摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士
・在宅栄養専門管理栄養士
これらの専門資格を取得することで、特定の分野でのキャリアを築きやすくなります。また、専門資格を活かして独立し、講演活動やオンライン相談、執筆業など複数の収入源を持つ働き方を選ぶ栄養士も増えています。将来的なキャリアの選択肢として、独立という道もあることを知っておきましょう。
②公務員として働く
公務員として雇用されると、雇用が安定し、経験年数に応じた昇給やボーナスが見込めます。公務員として働ける職場は、自治体が運営する病院や保健所、学校、介護施設などです。
ただし、栄養士(管理栄養士)の資格とは別に、公務員試験に合格する必要があります。長期的なキャリアを考え、安定した収入を得たい方には選択肢の一つとなるでしょう。
③転職を検討する
栄養士(管理栄養士)に限らず、同業種・同職種での転職は年収アップへの近道とされています。現在の職場での経験やスキルを活かしながら、より待遇の良い職場へ移ることで、大幅な年収アップが期待できます。
転職を検討する際は、年収だけでなく、自分が目指すキャリアや働き方に合った職場を選ぶことが大切です。病院での専門性を高めたいのか、企業で新しい分野に挑戦したいのか、自分の軸を明確にしましょう。
④管理職・マネジメント職を目指す
栄養課長や部門責任者といった管理職に就くことでも年収アップが期待できます。管理職になると、栄養管理業務だけでなく、スタッフのマネジメントや予算管理、他部門との調整など、幅広い業務を担当します。
管理職を目指すには、現場での実務経験を積むことはもちろん、リーダーシップやコミュニケーション能力、マネジメントスキルを磨くことが重要です。日頃から部署全体を見渡す視点を持ち、後輩の指導や業務改善の提案などを積極的に行うことで、管理職候補としての評価につながります。
自分らしいキャリアプランを実現しながら年収アップを目指そう
栄養士(管理栄養士)の年収は、全職種平均と比べると低い傾向にありますが、職場や働き方によって大きく異なります。管理栄養士の資格取得、専門資格の取得、公務員への転職、管理職を目指すなど、年収を上げる方法は複数あります。
栄養士(管理栄養士)という仕事は、人の健康を食と栄養の面から支える専門職です。年齢を重ねても、経験を積めば積むほど、対象者への理解が深まり、より的確なサポートができるようになります。病院、介護施設、保育園、企業など、活躍できる場は多岐にわたり、ライフステージに合わせて働き方を選べるのも魅力です。
長く働ける職業だからこそ、焦らず一歩ずつキャリアを積み重ねていきましょう。自分らしい働き方を見つけながら、栄養士としてのキャリアプランを実現してください。
参考
キャリアアップ 公益社団法人日本栄養士会
令和6年賃金構造基本統計調査 厚生労働省
栄養士・管理栄養士として働くうえで、年収やキャリアパスは気になるポイントです。働く場所や職種の違いで収入に差が出るのはもちろん、資格取得や経験の積み重ねが大きく影響します。焦らず自分に合った環境で経験を積みながら、少しずつステップアップしていくことが、長く続けるための近道だと感じています。
著者プロフィール

清水花菜
管理栄養士/フードコーディネーター
2001年に管理栄養士免許を取得。委託給食会社を経て、総合病院、クリニック、特別養護老人ホームなど、医療や介護の現場で従事。25年間の管理栄養士歴のなかで、転職を10回以上行い、さまざまな職場で経験と人脈を広げてきた。現在はライターとしての活動とオンラインでの健康や栄養相談の準備をしている。
監修者プロフィール

武井 香七
管理栄養士
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。













