管理栄養士の職務経歴書の書き方!好印象を与える作成ポイント
管理栄養士が転職活動を行うにあたって、職務経歴書の提出は欠かせません。職務経歴書は応募先に自身の強みや熱意をアピールするための大事な書類です。他の応募者との差別化をはかることで、転職活動を有利に進めましょう。
ただし、初めて転職を経験する人にとって、職務経歴書の作成は容易ではありません。書式や用紙サイズに迷うこともあれば、職務経歴や自己PRの書き方に悩む場面もあるでしょう。
そこで今回は、管理栄養士が職務経歴書を作成する際の「基本的な書き方」について解説します。採用担当者に好印象を与えるポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
【基本】管理栄養士の職務経歴書
職務経歴書とは、過去の勤務先や業務内容、実績を応募先に提示するための書類です。管理栄養士の場合は、「どのような職場(病院・幼稚園・介護施設など)で、どのような業務に携わってきたか」「そのなかでどのような実績を積んだか」を具体的にまとめてください。
職務経歴書は、応募先に自分自身をアピールするための自己推薦書でもあります。履歴書だけでは伝え切れない強みや熱意についても、しっかりと伝えましょう。
職務経歴書の作成は、手書きでもパソコンでも問題ありません。ただし、手書きの職務経歴書は採用担当者が読みにくい場合もあるので、どちらか迷ったときはパソコンで作成しましょう。用紙はA4サイズを使用した上で、1~2枚程度におさめるのが基本です。
職務経歴書の記載内容は、読みやすくまとめることが大事です。長文になる場合は、箇条書きを活用するなどして、採用担当者の負担にならないように工夫しましょう。
なお、職務経歴書は、履歴書とあわせて提出するのが一般的です。近年は職務経歴書を「履歴書の職歴欄を具体的に示す書類」と、位置付ける企業が増えているため、応募先から提出の指示がない場合でも、基本的に用意しておくべきでしょう。
新卒でも職務経歴書の提出は必要?
新卒の場合、職務経歴書は必要ありません。先に紹介したように、職務経歴書は過去の勤務先や業務内容を伝える書類のため、職歴のない新卒者は提出を求められないのが一般的です。
もし、新卒で職務経歴書の提出を求められた場合は、以下のような可能性が考えられます。
企業側が間違えている |
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中途採用者と混同して、職務経歴書の提出を求められるケースがまれにあります。特に、新卒採用と中途採用を同時に行っている場合は、企業が提出書類の伝達を間違えることもあるでしょう。 |
アルバイト歴を確認したい |
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なかには「学生時代にどのようなアルバイトを経験したか、職務経歴書で確認したい」と考える企業もあります。提出を求められた際は、選考時のアピールポイントになるように、アルバイトで頑張ったことや習得したスキルを職務経歴書に記載しましょう。 |
どのような意図で職務経歴書を求められたのか明確でない場合は、応募先企業の採用担当者に確認してみましょう。分からないことを放置しておくと、採用選考に影響が出るケースもあるので注意してください。
管理栄養士の職務経歴書の書き方
採用担当者は職務経歴書を通じて、応募者の人柄や強み、仕事に対する意識、自社(自院)にマッチする人材かなどを見極めようとしています。「対面して詳しく話を聞いてみたい」と思ってもらうためにも、ポイントを押さえた職務経歴書を作成するように心がけましょう。
ここでは、職務経歴書の基本的な書き方と、好印象を与えるポイントについて紹介します。
基本事項:日付は和暦・西暦で統一する
基本事項は、職務経歴書のいちばん上に記載します。
〇表題
冒頭に「職務経歴書」と記載します。表題はひと目で分かるように、本文より大きめの太字で記載するのが基本です。
〇日付
郵送の場合は投函日を記載し、面接に持参する場合は面接日を記載します。西暦・和暦のどちらでも構いませんが、職務経歴書全体で統一するようにしてください。履歴書の日付とも統一しましょう。
〇氏名
名前は、ほかの項目よりも少し大きめの文字で記載すると印象に残りやすくなります。送りがなは不要ですが、氏名に難しい漢字がある場合は、記載しても問題ありません。印鑑が必要な場合は、氏名の最後に認印を押しましょう。その際、インクが薄れたりしないように、朱肉を使って押印するのがおすすめです。
住所や電話番号、メールアドレスなどは履歴書に書くため、職務経歴書への記載は任意となります。記載する場合は、現住所を都道府県から省略せずに書くこと、日中につながりやすい電話番号・使用頻度の高いメールアドレスを書くことなどに留意しましょう。
職務要約:過去の経歴を端的にまとめる
職務要約は、経歴の全体像(勤務先、職種、業務実績など)を3~5行程度で記載します。長文は避けて、端的にまとめてください。
職務要約では、自己アピールにつながる経験を優先して記載するのがポイントです。職歴が複数ある場合は、箇条書きを活用するなどして、読みやすく仕上げましょう。
職務経歴:スキルや実績を盛り込む
職務経歴欄には、以下の項目を記載します。
- ・事業所概要(事業所名や本社所在地、従業員数、事業内容など)
- ・在籍期間
- ・配属先
- ・担当業務
事業所名は、正式名称を記載するのが原則です。あわせて、本社所在地・資本金・設立年・従業員数・事業内容についても記載してください。正社員・契約社員・アルバイトなど、自身の雇用形態を記載する必要はありません。
配属先の項目には施設名・部署名のほか、在籍する管理栄養士の人数も記載しましょう。担当業務の項目は、1つの職歴につき4行以上を目安に、箇条書きで記載します。その際、具体的な数字を提示すると、実績の信頼性が増すでしょう。
【担当業務の記載例】
- ・外来患者への食事指導セミナー(月1回)
- ・入院患者の栄養相談(月3回)
- ・栄養ケア計画書の作成(月に約30枚)
- ・新人教育のサポート(2人)
- ・病棟の回診
- ・NSTへの参加
担当業務を記載した後は、業務を通じて「学んだこと」や「経験したこと」もあわせて記載しましょう。採用担当者が具体的な仕事像をイメージしやすいように、自分が果たした役割やアピールできる実績を盛り込むのもおすすめです。
保有資格:正式名称を調べる
保有資格は省略せずに、正式名称を記載しましょう。
【保有資格の記載例】
- ・普通免許→普通自動車第一種運転免許
- ・栄養士免許→管理栄養士免許
管理栄養士や調理師、食品保健指導師などの資格はもちろん、MOSなど事務仕事に役立つパソコン関連の資格も、もれなく記載しましょう。ただし、全体の枚数が増えるような場合は、無理に保有資格を記載する必要はありません。
管理栄養士が職務経歴書に自己PRを書くときのポイント
自己PRは強みや志望度の高さ、熱意をアピールする大切な項目です。テーマを1〜2つに絞り、5行以上を目安に記載しましょう。
仕事に対する心がけや信条などから書き始め、具体的なエピソードを交えながら成果や実績をまとめていくとスムーズに作成できます。あわせて、「自身の経験や強みを応募先でどのように生かせるか」を示すことも大切です。
以下では、自己PRの具体例を挙げながら、気を付けるべきポイントを2つ紹介します。
具体的・論理的でない文章はNG
自己PRの文章は、具体的であることが大切です。具体性がない文章は、印象に残りにくくなってしまいます。他人に褒められた経験や、担当業務で自分がした工夫などがあれば、具体的に記載しましょう。
また、採用担当者が理解しやすいように、論理的にまとめることもポイントの1つです。文章の前後のつながりを意識することや、結論をはっきりさせることを心がけると、論理的で伝わりやすい自己PR文になります。
未経験・第二新卒の場合は人柄や仕事への熱意をアピール
未経験や第二新卒の場合、「自己PRに書く内容がない」と困ることもあるでしょう。管理栄養士業務の「経験」や「実績」が少ない人は、「自身の人柄」や「仕事に対する熱意」をアピールするのがおすすめです。
転職活動においては、前職での功績や実務経験だけでなく、仕事に対する前向きな姿勢や応募者の人格も評価の対象となります。業務経験が浅くても、物事にどう向き合い、課題を解決してきたかを具体的に記載することで、好印象につながるでしょう。
【自己PR例文】
-
私は料理が得意です。先日、還暦を迎えた父のためにお祝いの食事を作りました。持病があり、食べられるものが限られている父にも食事を楽しんでもらえるように、メニューの考案には特に時間をかけました。具体的に行ったことは、老人ホームに勤める友人におすすめのメニューを聞く、試作品を作って他の家族から意見をもらうなどです。
-
普段作る料理とは異なるため、何度も作っては改善を繰り返しました。その結果、父はめずらしく食事を完食して、「おいしかった、ありがとう」と言ってくれました。
- 相手の気持ちになって工夫を凝らし、喜んでもらえたことは、私にとって大きな自信になった経験です。貴院でも管理栄養士として1人ひとりの気持ちに寄り添い、患者さまに喜んでいただけるような食事を提供したいと考え、志望しました。
自己PRの内容に一貫性があるかどうかも重要です。書き終えたところで第三者に意見を求めると、客観的に文章が確認でき、自己PR文のブラッシュアップができるでしょう。
職務経歴書の記載内容例
職務経歴書の記載例を2パターン紹介します。同じ管理栄養士でも、勤務先によって実績や自己PRの内容が異なるため、記載例を参考に印象に残る職務経歴書を作成しましょう。
介護施設で働く管理栄養士の職務経歴書例
以下は、特別養護老人ホームで働いていた管理栄養士の職務経歴書例です。
■職務経歴
経験職種 | 管理栄養士 |
経験期間 | 2020年4月~2023年10月 |
雇用形態 | 正職員 |
勤務先名 | 社会福祉法人マイナビ会 特別養護老人ホーム コメディカルホーム |
職務内容 |
■2020年4月~2023年10月:コメディカルホーム配属 ・献立作成(一般食:約15種類、特別治療食:約10種類、アレルギー除去食:約10種類) ・栄養管理(栄養ケア計画書作成:月30件) ・衛生管理 ・行事食の企画・実施(毎月1回) ・カンファレンス参加・発表(毎月1回) ・栄養マネジメント加算等の管理 【学んだこと】 また、毎月参加していたカンファレンスでは、他業種と連携することの大切さも学びました。さまざまなスタッフと意見を交わすことは、利用者様の気持ちに寄り添った献立作りや栄養管理につながると実感しています。 |
■取得資格等
2020年3月 | 管理栄養士免許取得 |
■自己PR
私は安心・安全な給食を提供するとともに、「食べることの喜び」を感じてもらえるように心がけてまいりました。 これまでは、介護老人福祉施設に勤務していましたが、そこでは給食を提供するだけでなく、利用者様に直接感想を聞き、1人ひとりの声を調理業務や献立作成に生かしておりました。また、食が細い利用者様にも楽しく召し上がっていただくために、イベントにあわせた行事食や季節の食材を取り入れるなどの工夫もしました。 その結果、利用者様から「食事の時間が楽しみになった」との言葉もいただいております。 今後も、施設の職員や調理師、看護師と連携しながら、管理栄養士として利用者様に食の喜びを伝えられるように努めてまいります。 |
職務内容については、具体的な数字を含めながら細かく記載すると、採用担当者に伝わりやすくなります。仕事内容を通して学んだことについても記載して、「どのように仕事に取り組んできたか」を分かりやすく説明しましょう。
自己PR欄では、仕事に対する考え方・取り組み方が分かるエピソードや、「応募先で自身がどう貢献できるか」など記載することが大切です。
病院・クリニックで働く管理栄養士の職務経歴書例
次に、病院やクリニックで働いていた場合の職務経歴書の例を紹介します。
■職務経歴
経験職種 | 管理栄養士 |
経験期間 | 2017年4月~2023年3月 |
雇用形態 | 正職員 |
勤務先名 | 医療法人マイナビコメディカル病院 |
職務内容 |
■2020年4月~2023年3月:臨床部門/給食部門勤務 【業務内容】 <臨床部門> ・栄養指導業務 ・栄養管理(栄養管理計画書の作成:約100件) ・栄養サポートチーム(NST)への参加 ・栄養に関するリーフレット作成 <給食部門> ・メニュー開発 ・給食調理 ・献立に関するアンケートの実施 ・食材の調達 ・発注業務 【学んだこと】 また、NSTの業務では、ほかの医療職種と連携して栄養指導を行うことの大切さを学びました。 給食部門では、食材の選定から調理まで、ひと通りの現場業務を経験しています。患者様に「おいしい」と思ってもらうためにはどうすれば良いのか、常に工夫しながら給食業務に取り組んできました。 |
■取得資格等
2017年3月 | 管理栄養士免許取得 |
2020年10月 | 病態栄養専門管理栄養士資格 取得 |
2021年4月 | NSTコーディネーター資格 取得 |
■自己PR
日々の業務を通じて管理栄養士としての専門性を高めながら、病院における栄養管理のスキルを磨いてきました。栄養指導の際は、一方的な視点で情報を伝えるのではなく、患者さまと一緒に「どこをどうするのが良いか」「これならできそうか」などを考え、信頼関係を築くように努めております。 また給食部門では、患者さまが安心して入院生活を送れるような業務を心がけてきました。献立を作成する際は、病気の症状を考慮し、安心・安全に食べられることを第一に考えながら、食材の選定や管理を行っております。患者様に実施したアンケートでは、9割以上の方から「大変満足」と評価された実績があります。 専門性と患者様の気持ちに寄り添う姿勢を生かして、貴院でも患者様のQOLを向上させるような取り組みを行ってまいります。 |
勤務先が「臨床部門」「給食部門」に分かれている場合は、職務経験を部門ごとに分けて説明しても良いでしょう。
病院やクリニックでは、他職種と連携する場面も多いため、チームの一員として協調できる能力は好評価につながります。チームワークにまつわるエピソードがあれば、良いアピールポイントになるでしょう。
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まとめ
この記事では、管理栄養士の職務経歴書の書き方について紹介しました。職務経歴書の作成は、手書きでもパソコンでも問題ありません。A4サイズで2〜3枚におさまるように、内容を端的にまとめましょう。
職歴経歴書は職務や経歴を伝えるだけでなく、人柄や強み、熱意などを伝えるための重要な書類です。作成のポイントを押さえて、採用担当者の好印象につなげましょう。
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※当記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しています
監修者プロフィール
マイナビコメディカル編集部
リハ職・医療技術職・栄養士のみなさまの転職に役立つ情報を発信中!
履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
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