【例文あり】栄養士の志望動機の書き方を解説!

更新日 2024年02月28日 公開日 2021年11月01日

#書類準備 #応募 #面接・選考

栄養士が転職活動を行う際、履歴書と職務経歴書は必ず用意しなければなりません。それらの書類には、学歴や職歴、保有する資格、特技、自己PRなどさまざまな項目がありますが、そのなかで特に重視されるのが「志望動機」です。

志望動機は、応募者の個性や熱意を読み取りやすい項目であり、採用担当者は志望動機から「自社(自院)にマッチする人物かどうか」を見極めようとします。そのため、書類審査から面接に進んだ際も、必ずと言って良いほど志望動機について聞かれるでしょう。

では、どのような志望動機を考えれば、応募先に「一緒に働きたい」と思ってもらえるのでしょうか。当記事では、栄養士が志望動機を作成する際のポイントや志望動機の例文について紹介します。

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【例文あり】栄養士の志望動機の書き方を解説!

栄養士の仕事内容とは?

栄養士は、都道府県の知事が認定する国家資格です。食と栄養の専門知識を生かしながら、乳幼児から高齢者まで幅広い方の健康をサポートするのが、栄養士の主な役割となります。

栄養士の仕事の対象となるのは主に健康な方で、栄養学にもとづいたバランスの良いメニューを作成したり、栄養指導を行ったりすることで、より良い食生活を提案していきます。また、栄養面に配慮するだけでなく、おいしく楽しく食べられることを意識し、食の魅力を伝えていくことも栄養士の大事な仕事です。

栄養士に似た資格として管理栄養士がありますが、管理栄養士は健康な方だけでなく、傷病者や高齢で食事がとりにくくなっている方への栄養指導も行うことができます。

栄養士の働く場所は医療機関、学校、給食会社など多岐にわたりますが、志望動機を作成するにあたっては、それぞれの仕事内容や特徴を把握する必要があります。以下では、職場別に仕事内容を紹介しましょう。

病院・クリニック

病院やクリニックで働く栄養士の主な仕事内容は、入院している患者さまに向けた食事の提供です。具体的には、献立の作成や食材の発注・管理、調理、食数の調整などを担います。ただし、傷病者や食事制限のある方への栄養指導は行えません。

求められるスキルや向いている方の特徴
患者さまの健康状態や栄養状態にあわせて、さまざまな食事を用意する必要があるため、栄養士には多様な知識と対応力が求められます。
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介護施設

傷病者や食事制限がある方への栄養指導を行えるのは管理栄養士のみとなるため、栄養士は施設内での調理や食事提供などを担います。具体的には、利用者さまの健康状態や好みにあわせた食事メニューの作成、食事の品質管理、食材の発注・管理などが挙げられます。

求められるスキルや向いている方の特徴
介護士や看護師、管理栄養士などとコミュニケーションをとりながら仕事を進めるため、チームワークや協調性が求められます。また、介護施設には認知症の方や体力が落ちている方もいらっしゃるので、誤嚥や窒息が起こらないように調理方法を工夫したり、認知症についての知識を深めたりすることも重要です。
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仕事で役立つ介護食士の資格とは?

学校

学校で働く栄養士は、給食の献立作成、調理に携わる学校栄養職員と、生徒に食育指導や栄養教育まで行う栄養教諭の2つに分けられます。ただし、栄養教諭として働く場合は、栄養士の資格だけでなく栄養教諭の資格も必要です。

栄養教諭の主な役割は、給食の献立作成、食材の発注・管理、調理、調理室の衛生管理などです。一方の栄養教諭は給食管理のほかに、食に関する授業や肥満・食物アレルギーなどの個別指導も行います。

どちらの職種も、子どもたちの健全な成長を支える役割を担っているため、大きなやりがいを感じられるでしょう。

求められるスキルや向いている方の特徴
「子どもたちに、食と栄養の重要性を伝えたい」「子どもたちの成長をサポートしたい」という熱意がある方は、学校での勤務に向いているでしょう。栄養教諭の場合は、最新の栄養学に対する理解と継続的な学習、相手に寄り添った教え方ができるスキルも必要となります。
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栄養士が栄養教諭になるには?

幼稚園・保育園

幼稚園や保育園で働く栄養士は、献立作成や調理、食材の発注・管理のほか、子どもたちへの食育活動を通じて、食に関する知識や健康的な食習慣を教える役割も担います。また、食物アレルギーに対応した食事づくりや、食べ残しを減らすための工夫なども、栄養士の重要な仕事です。

求められるスキルや向いている方の特徴
子どもが食事を楽しめるような献立、あるいは栄養バランスの良い献立を考えるスキルが必要です。給食のほかにおやつの提供も行うため、効率良く仕事を進める力も必要とされるでしょう。子どもが好きな方や食育活動に関心のある方、食を通じて保護者の悩みに寄り添いたい方は、幼稚園・保育園での勤務が向いています。

給食会社

給食会社で働く栄養士は、委託された企業や施設の給食運営、献立の作成、食材の発注・管理、衛生管理などを担います。役職によっては、シフト作成やメンバーの教育指導などを担当することもあるでしょう。

求められるスキルや向いている方の特徴
調理業務に携わるケースが多いので、調理が好きな方に向いています。また、給食管理と経営の両方を学べるため、将来的にキャリアアップをはかりたい方にもおすすめです。多くの調理員や職員と連携して作業を進めることから、マネジメント能力やコミュニケーション能力も必要になるでしょう。

食品メーカー

食品メーカーでは研究・開発職として、新しい食品の開発や既存製品の改良などに携わるケースが多く見られます。具体的には、栄養学にもとづいた製品のレシピ開発、健康や機能性に関する研究、食品の安全性や品質管理、栄養価の分析などが主な業務です。

求められるスキルや向いている方の特徴
多くの消費者の健康に寄り添いたい方や新しい食品トレンドに敏感な方、マーケティングに興味がある方に向いているでしょう。社内のさまざまな部署や工場などとの協働が必要になるため、一定のコミュニケーション能力も求められます。
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必要なスキルとホワイト企業の見つけ方

栄養士の面接で志望動機を聞かれる理由と伝えるべき内容

前述したように、応募先の採用担当者は志望動機から、「業務内容にマッチする人物かどうか」「一緒に働くのにふさわしい人物かどうか」などを見極めようとします。

以下に、栄養士が志望動機を作成する際のポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

食への興味・探究心を持っていること

多くの人に、「おいしい」と喜んで食べてもらえるメニューを作成するためには、栄養の知識だけでなく、食材や調理方法、盛り付けなどの知識も不可欠です。

そのため、栄養士には「どのような調理方法や味付けにすれば食材の魅力を生かせるか」「どうすれば楽しく食べてもらえるか」などを常に考え、探求していく姿勢が求められます。志望動機を作成する際も、「新しい食材や調理法は必ず試して記録を付けている」など、食への興味と探究心を持っていることを伝えるようにしましょう。

コミュニケーション力があること

学校、病院、介護施設など、栄養士が働く職場は多岐にわたり、管理栄養士や調理師、介護士、看護師など他職種の方と連携して業務を行うことも少なくありません。また、医療機関や介護施設、学校などでは大量の食事を作る場面が多いでしょう。

そのため、栄養士には円滑に業務を進めるためのコミュニケーション能力が不可欠です。

日頃のコミュニケーションで気を付けていることや、他職種と連携して成し遂げた業務のエピソードなどを伝えて、しっかりとコミュニケーション能力をアピールしましょう。

責任感を持っていること

栄養士は、衛生面や安全面に配慮が求められる仕事です。特に、食品アレルギーなどは生命に関わることだけに、十分に気を付けなければなりません。

そのため、栄養士には1つひとつの業務に対する、強い責任感が求められるでしょう。

もちろん、決められた時間に食事を届けるための時間管理や、自身の体調管理も重要で、そうした意味での責任感も必要です。

志望動機には、責任感を持って行ったことのエピソードや、それによって得られた成果を盛り込むと良いでしょう。

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志望動機を考えるにあたって栄養士がすべきこと

病院や介護施設、学校、企業など、どの職場を目指すのかによって、栄養士の志望動機は変わってきます。ここでは、志望動機を考えるにあたっての準備についてまとめました。

応募先の業界や職場について研究する

応募する業界や職場によって、栄養士に求められるスキルは違います。事業内容や求人票をしっかりチェックすることはもちろん、応募先の企業理念、経営方針、どのような人材を求めているかなどを詳しく調べることで、具体的に働くイメージがわいてくるでしょう。

採用担当者に「ここで働きたい」「この職場でなければならない」という熱意を伝えるためにも、業界や応募先を研究しておくことが大切です。

徹底的に自己分析する

志望動機を考える前に自己分析を行い、自分のスキルや経験を整理しましょう。「自分の強みは何か」「栄養士としてどのように働いていきたいか(キャリアプラン)」といったことを明確にするために、これまでの経験を振り返ってみてください。

その際は、栄養士を目指そうと思ったきっかけや、栄養士として活動するなかでどんな経験を積み上げてきたのか、その経験を踏まえて自分にはどんな長所や短所があるのかなどを書き出してみましょう。たとえ小さな経験であっても、自分の言葉で論理立てて整理することで、自身の仕事に対する姿勢が見えてくるはずです。

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栄養士の面接における志望動機の例

志望動機を作成する準備ができたら、実際に文章にまとめましょう。以下に、栄養士の志望動機を考える上で参考になる具体例を紹介しておきます。

<食品メーカーの志望動機例>

貴社が食品メーカーとして、栄養バランスだけでなく、味にもこだわりを持って商品開発を行っていることに興味を持ちました。

これまでは、学校給食の現場で栄養面と味のバランスがとれたメニューを考えることに注力し、調理にも携わってきました。子どもたちに食べることを楽しんでもらえるように工夫を重ね、喜んでもらえたという手応えもあります。

今後はその経験を生かして、多くの人に食の楽しさを届けられるような商品の開発に携わり、貴社の発展に貢献していけたらと考えています。

【POINT】
これまでの経験を元に、なぜ食品メーカーを志望しているのかが端的に分かる例文となっています。

<幼稚園・保育園の志望動機例>

私は子どもが大好きで、子どもの健康を支える仕事に携わりたいと考えていました。そうしたなか、貴園の「食事は体の成長だけでなく、情緒を育む大切な要素である」という考え方に触れ、ぜひ一緒に働きたいと思い応募しました。

現在は、地域の保健センターで行っている乳幼児健診と特定保健指導で、食と栄養に関するカウンセリングを担当しています。

これまでの経験と知識を生かして、子どもたちの成長と健康維持のためのメニューづくりや、食事づくりに貢献していきたいです。

【POINT】
応募する保育園の経営理念をしっかりと理解し、アピールできている例文です。

<病院・クリニックの志望動機例>

私が栄養士として働きたいと考えるようになったのは、祖母の病気がきっかけです。祖母は糖尿病を患っており、一緒に食事内容を見直したり、栄養バランスを考慮したメニューを考えたりするうちに、食事が健康に与える影響の大きさを実感しました。その経験から、栄養士という職業に興味を持ち、特に医療現場での食事提供に携わりたいと思うようになりました。

将来的には管理栄養士の資格を取得し、今以上に患者さまに寄り添ったサポートをしていきたいと考えております。

【POINT】
過去の実体験を元にした内容であり、その職種への情熱や応募にいたった背景がうかがえる志望動機です。

<介護施設の志望動機例>

これまで保育園で栄養士として勤務してきましたが、栄養士としてのキャリアの幅を広げたいと考え、貴社を志望しました。また、結婚を機に引っ越しをしたことも転職を決めた理由の1つです。

1人ひとりの食の好みや健康状態、食物アレルギーに配慮した献立づくりの経験や、食育に関する知識は、介護施設での業務にも役立つと考えています。利用者さま1人ひとりに、栄養バランスのとれた食事を提供し、豊かな生活をサポートしていければと考えております。

【POINT】
自身のライフイベントが転職を決めた理由であることを素直に伝えており、採用担当者も納得しやすい志望動機になっています。

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栄養士の志望動機で避けたほうが良い内容

ここまで職種別の志望動機例を紹介してきましたが、志望動機には避けたほうが良い内容もあります。たとえば、前職の悪口や待遇面の話などもその1つです。

次のNG項目をおさえた上で、好印象につながる志望動機を作成しましょう。

前職に対する不満

前職の人間関係や待遇に不満があって転職を決めたとしても、面接でそれを伝えるのはNGです。採用担当者に、「同じ理由でまた辞めるかも」「うちの悪口も言うかもしれない」と考えられてしまうかもしれません。

退職理由は、面接で必ずと言って良いほど聞かれるので、できるだけポジティブな伝え方をしましょう。「◯◯の経験を積み、キャリアアップしたいと考えて転職を決めた」など、志望動機につなげて答えられるとベストです。

自分本位な内容

給料や各種手当、福利厚生などは立派な志望動機です。しかし、それを全面に押し出すのはおすすめできません。「もっと待遇がいい会社を見つけたらすぐに退職しそう」と思われかねないので、注意しましょう。「残業が少ない」「休日が多い」などの内容も、「仕事をする気があるのだろうか」と評価を下げてしまう可能性があります。

受け身になっている内容

「教育・研修制度が充実しているため、栄養士としていろいろなことが学べると考え、志望いたしました」のように、受け身の内容も避けたほうが良いでしょう。「学びたい」「勉強したい」という言葉は一見前向きに見えますが、応募先からは「自分から戦力になろうとしない受け身な人間」だと思われる可能性があります。

「会社は勉強をするための場所ではない」ということを肝に銘じておきましょう。

使い回した志望動機

同じ志望動機を複数の企業で使い回すのもNGです。実際はそうでなくても、「その企業でなければならない」理由が含まれない志望動機だと、採用担当者に「ほかの企業にも同じことを言っているのでは?」「働けるならどこの企業でもいいと思っているのでは?」と受け取られてしまうかもしれません。

企業研究をきちんと行った上で、「貴社(あるいは貴院、貴園)で働きたい」という熱意を伝えましょう。

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栄養士が面接に臨むときのポイント

書類選考に通ったら、いよいよ面接です。面接は十分に準備をして、自信と余裕を持って臨みましょう。栄養士の面接ではスキルや知識だけでなく、「求める人物像と合致しているか」「人柄は良いか」などについても見られます。志望動機に盛り込んだ内容を踏まえつつ、「応募先でぜひとも働きたい」という熱意・意欲を伝えましょう。

加えて、身だしなみや敬語の使い方、立ち居振る舞いなど、社会人として最低限のビジネスマナーも再確認しておいてください。

栄養士は、基本的に食品を扱う仕事なので、清潔感のある髪型・服装は大きなポイントとなります。就業中はアクセサリーやマニキュアが禁止されている職場も多いため、面接においても控えたほうが良いでしょう。

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まとめ

高齢化が進むなかで人々の健康への意識が高まり、栄養士の役割は今後ますます重要になると考えられます。希望に合った職場で働くためにも、書類選考や面接ではしっかりと自分をアピールしましょう。

なお、「志望動機がうまく書けない」「応募先に好印象を与える志望動機が分からない」という場合は、転職エージェントを利用するのも1つの方法です。

マイナビコメディカルでは、経験豊富なキャリアアドバイザーが職務経歴書・履歴書を添削するサービスを無料で行っています。志望動機に関するアドバイスはもちろん、面接のサポートも行っておりますので、転職を検討している栄養士の方は、ぜひ一度マイナビコメディカルにご相談ください。

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※当記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

リハ職・医療技術職・栄養士のみなさまの転職に役立つ情報を発信中!
履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
転職前の情報収集から入職後のアフターフォローまで、転職活動の流れに添ってきめ細やかなフォローができる転職支援サービスを目指しています。

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