大学病院で働く管理栄養士の仕事内容は?|待遇・メリットも
幅広い分野で活躍できるのは、管理栄養士の大きな特徴の1つです。代表的な就職先は一般の医療機関や介護福祉施設、学校、食品メーカーなどですが、ときには大学病院が管理栄養士を募集するケースも見られます。
とはいえ、大学病院で働く管理栄養士の特徴について、あまり知られていないのも事実。大学病院で働く管理栄養士はどのような役割を担っているのでしょうか? また、大学病院で働くメリットは何なのでしょうか?
今回は、大学病院で働く管理栄養士の仕事内容や待遇、働くメリットについて詳しく解説します。最後に、大学病院での勤務が向いている管理栄養士の特徴も紹介しますので、就職・転職を検討している管理栄養士の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
大学病院の役割とは?
大学病院とは、医学部や歯学部などを置く大学に付属する病院のことです。一般の患者さまを診察・診断・治療する機能に加えて、「医師をはじめとする医療職の育成・教育機関」「新たな医療技術の研究・開発機関」「高度医療の提供機関」などの役割を担っている点が、大学病院の大きな特徴と言えるでしょう。
大学病院では、主に以下のようなことが行われています。
教育 | 医学部生の臨床教育や卒後研修(初期・専門)、コメディカルスタッフも含めた医療従事者の養成 |
---|---|
研究 | 難病の研究や新たな診断法・治療法の開発 |
診療 | 地域医療機関への医師の供給、患者さまに対する高度医療の提供 |
(出典:文部科学省「国立大学附属病院の制度と取り巻く情勢」/https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2013/03/21/1331840_2_1.pdf)
大学病院には多くの診療科や部門が必要になることから、医師や歯科医師、医学部生のほか、看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士など幅広い医療系職種が活躍する職場となっています。
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大学病院で働く管理栄養士の仕事内容
大学病院で働く管理栄養士の仕事内容として、以下が挙げられます。
〇栄養指導
栄養指導とは、食事や栄養に不安を抱えている方や、病気で食事に制限がある方に対して、管理栄養士が専門家の観点から指導・アドバイスを行うことです。患者さま1人ひとりの病状や問題に合わせて、食事内容や食事量、食材の選定、調理法などを指導するほか、食事を楽しむためのサポートも行います。
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〇NST業務
NST(栄養サポートチーム)業務とは、管理栄養士のほか医師や看護師、薬剤師など、さまざまな医療系職種がチームを組み、協力して患者さまの栄養サポートに当たる取り組みのことです。病気や手術が原因で十分な食事がとれない患者さまに適切な栄養補給の方法を提案したり、病状の回復や合併症予防に有効な栄養管理の方法を提案したりするのが、NST業務における管理栄養士の役割となります。
〇給食管理
給食管理とは、患者さまに提供する食事の栄養素を計算しながら献立を作成したり、食材を発注したりする業務です。一般的な給食管理だけでなく、特別な配慮を必要とする患者さまの給食管理(嚥下食、流動食、特別治療食など)も担当します。
〇調理業務
調理業務とは、作成した献立をもとに、患者さまに提供する食事を調理することです。ただし、管理栄養士が調理業務まで行うかどうかは、勤める病院の体制によって異なります。
〇研究活動
大学病院で働く管理栄養士は、食に関する研究活動に携わることもあります。場合によっては、製薬企業など病院外からの研究依頼がくることもあるでしょう。
管理栄養士の仕事内容について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
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大学病院で働く管理栄養士の1日
ここまで、大学病院で働く管理栄養士の仕事内容を紹介してきましたが、管理栄養士が1日でそれらの仕事をすべてこなすわけではありません。大学病院の規模や方針によっては、研究活動に深く携わったり、給食管理・調理業務のみを担当したりすることもあり、働き方はさまざまです。
以下は、大学病院に勤務する管理栄養士(普通番)のスケジュール例です。
時間 | 詳細 |
---|---|
8:30 | 朝ミーティング |
9:00~10:00 | 患者さまの食事内容確認など |
10:00~11:00 | 病棟を訪問し、患者さまと面談 |
11:00~12:30 | 食品の発注や在庫管理 |
12:30~13:30 | 休憩 |
13:30~15:00 | 栄養指導 |
15:00~17:15 | 栄養指導の報告書や栄養管理計画書の作成 |
17:15 | 退勤 |
(出典:横浜市立大学附属 市民総合医療センター「管理栄養士 1日のスケジュール」/https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/recruit/ycucenterparamedical/eiyoushi/schedule.html)
一般的に、大学病院における管理栄養士の勤務はシフト制となっており、「早番」「普通番」「遅番」の3つがあります。早番は主に朝食業務、遅番は夕食業務を担当するなど、それぞれ役割が異なることも特徴の1つです。
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大学病院が募集する管理栄養士の待遇
大学病院における管理栄養士の待遇は、比較的よいとされています。ここでは、マイナビコメディカルをはじめとする複数の求人サイトの情報をもとに、大学病院における管理栄養士の平均的な待遇例を紹介します。
勤務時間 | 【早番】6:00~14:30(休憩60分) 【日勤】9:00~17:00(休憩60分) 【遅番】10:00~19:00(休憩60分) など |
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勤務日/休日 | 週休2日(土日は月1~2回出勤)・月8日休み・4週8休制・年間休日110日 など |
賞与・手当 | 年2回(過去実績計4.5か月分)・年1回(過去実績計5か月分)・資格手当あり・通勤手当あり・住宅手当あり など |
福利厚生 | 退職金制度・育児(介護)休暇制度・育児短時間勤務制度・託児所完備・車通勤可(駐車場完備) など |
給与や手当、休日といった条件は大学病院によって異なるので、気になる項目については求人情報などできちんとチェックしてください。
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管理栄養士を募集する大学病院で働くメリット
管理栄養士は、患者さま一人ひとりの状態に合わせて食事を管理することから、「おいしい」と喜んでもらえたり、病状が回復していく様子を目にしたりする機会が少なくありません。
また、大学病院で働く管理栄養士には、一般の医療機関とは少し違ったやりがいもあります。ここからは、管理栄養士を募集する大学病院で働くメリットとやりがいについて紹介しましょう。
研究を通して成長を感じられる
先に紹介したように、大学病院では食に関する研究活動に携わる機会があります。研究を通じて管理栄養士としての知識・スキルが磨けるほか、研究の成果が実際の治療に役立つこともあるため、「管理栄養士の経験を生かして社会に貢献したい」と考える方にとっては、大きなやりがいとなるでしょう。
特定分野の専門知識を習得できる
大学病院で働く管理栄養士は、研究活動や院内の研修会・講義を通して専門知識を身につける機会が豊富にあります。また、職場には各医療系分野のスペシャリストがそろっているので、日々の業務で何らかのトラブルがあっても病院内で解決を図ることができます。
「分からないことがあれば専門家に相談できる」という環境は、スキルアップを目指すにあたって非常に有効でしょう。
充実したプライベートを過ごしやすい
大学病院で働く管理栄養士は、比較的残業が少なく、「日祝休み」となるケースも多く見られます。また、リフレッシュ休暇を設けている職場もあるので、ワークライフバランスを保ちやすい環境と言えるでしょう。
「仕事とプライベートをうまく両立させたい」という管理栄養士にとって、大学病院はおすすめの就職・転職先の1つです。
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大学病院勤務が向いている管理栄養士の特徴
ここまで、大学病院で働く管理栄養士の仕事内容や待遇、働くメリットについて紹介してきました。それらの内容を踏まえて、大学病院での勤務が向いている管理栄養士についてまとめたのが下記のリストです。
大学病院勤務が向いている管理栄養士の特徴 |
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●仲間(他医療系職種)と連携しながら業務を進められる方 ●日々の勉強や研究が苦にならない方 ●仕事もプライベートも両立させたい方 |
大学病院は各分野のスペシャリストが集まっている職場ですから、就職・転職にプレッシャーを感じる方もいるかもしれません。しかし、その分大きな成長が見込める職場でもあるため、「着実にスキルアップを目指したい」という管理栄養士の方は、大学病院への就職・転職を検討してみるとよいでしょう。
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まとめ
管理栄養士は大学病院でも大いに活躍できます。大学病院で働く管理栄養士は、栄養指導や栄養管理、NST業務、給食管理業務、調理業務を行うほか、研究活動に携わることもあります。どの業務の比重が高いかは大学病院によって違いますが、一般的な医療機関と働き方が大きく異なるわけではありません。
管理栄養士が大学病院で働くことには、「研究を通して成長を感じられる」「特定分野の専門知識を習得できる」など、さまざまなメリットがあります。管理栄養士としてスキルアップを目指したい方は、大学病院への就職・転職を検討してみるとよいでしょう。
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