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理学療法士の一日のリハビリスケジュールとは?(施設別)

公開日:2015.01.29 更新日:2015.02.09

患者さんと向き合いながら、二人三脚で運動機能の回復を目指す理学療法士。看護師に比べるとまだ知名度の低い現状がありますが、さまざまな施設で活躍しています。施設によっても働き方やスケジュールはずいぶん異なるもの。施設別に理学療法士の1日の平均的なスケジュールをサンプルとしてご紹介します。

医療施設編

日本の理学療法士は医師の指示の下で業務を行うことが法律で定められているため、就職先のほとんどは病院・医院などの医療施設です。まずは病院勤務の理学療法士の一日をみてみましょう。

8時 出勤・ミーティング
朝礼やミーティングを行い、連絡事項をみんなで確認し、一日の仕事内容をチェックします。その後、患者さんやご家族に説明するためのリハビリ実施計画書や会議資料作りなど、患者さんのリハビリ前に事務仕事をこなします。

9時 リハビリ開始
患者さんの看護記録をチェックしてから、リハビリを開始します。1人当たりの治療は20~40分程度で、患者さん一人一人に適した「運動療法」、「物理療法」、「日常生活活動の練習」を中心に、午前中は対応します。担当する患者さんの人数は、急性期・回復期によって大きく違います。

12時 診療記録記入・作業療法士たちの記入内容確認
午前の患者さんのリハビリが終わったら、診療記録に記入。作業療法士や言語聴覚士の記入内容もチェックし、お互いの情報交換を欠かさないようにします。

12時半 昼食

13時半 午後のリハビリ開始
合間に患者さんの麻痺した足に付ける「装具」の作製を検討するブレースクリニック(装具検討会)に参加したり、患者さんの家族に月に1度作成する「リハビリ実施計画書」とともに治療方針や目標、現在の状態、退院後の生活について説明したりします。

16時 ミーティング・診療記録記入
午後の患者さんのリハビリが一通り終わったら、検討会議を行います。医師、看護師、作業療法士、言語聴覚士、医療相談員などの専門家が集まり、今後の方針や対応を話し合います。

17時 勤務終了
勤務終了後でも診療記録や仕事の資料を読んだり、勉強会に参加したりすることがあります。

医療施設での勤務の場合、同じ現場に医師や看護師、医療相談員など医療のプロフェッショナルが多いため、患者さんに関するアドバイスを求めることができます。

福祉施設編

身体障害者療護施設や、高齢者のための特別養護老人ホームなど、福祉施設でも理学療法士のニーズは急速に高まっています。現在、保険診療がパンク寸前であることからリハビリテーションも医療保険から介護保険分野へ、移行されつつあります。また、入院後にもリハビリを継続したいとのニーズも高まっていることから介護保険分野で活躍する理学療法士も年々増加しています。ここでは特別養護老人ホームで活躍する理学療法士の1日をご紹介します。

朝8時 出勤
その日に担当する利用者さんの介護記録を確認します。

8時半 ミーティング・リハビリ開始
作業療法士と情報を共有し、利用者さんのリハビリを開始します。長期滞在している利用者さんが多く、介護現場が中心となりますが、寝返りや起き上がりのサポートなど、理学療法士が果たす役割は多くあります。

12時 昼食
利用者さんたちと一緒に昼食を囲み、談話を楽しみます。

13時 午後のリハビリ開始
「運動療法」や「物理療法」を取り入れながら午後の利用者さんのリハビリを行い、車いすや杖などの使用に関するアドバイスも行います。

17時 勤務終了
介護記録に記入して勤務終了。

福祉施設での勤務は、似た境遇の利用者さん同士が触れ合い、お互い励まし合い切磋琢磨する環境です。また、医療現場と違い、利用者さんの日常生活で困難なことや予防すべきことなど、目標がより具体的になるため、理学療法士にとっても張り合いのある職場となるでしょう。

訪問リハビリ編

患者さんの自宅を訪問し、作業療法士と基本動作や日常生活での身体機能回復訓練を行ったり、ご家族への介助方法の提案や住宅改修、福祉用具についてのアドバイスを行います。ここでは、訪問看護ステーションに勤務する理学療法士の一日をご紹介します。

朝8時 出勤・ミーティング・資料作り
まず事務所に出勤し、ミーティングでその日に訪問する患者さんたちの情報を共有します。患者さんやご家族に説明するための資料作りをすることもあります。

9時 訪問開始
患者さんの自宅を訪れます。1日の平均は5~6件、患者さんそれぞれの生活や環境に密着したリハビリを行います。午前中は2~3件訪問し、基本動作や日常生活動作の練習、福祉用具や住宅修復のアドバイスを行います。

12時頃 昼食
事務所に戻ることもありますが、たいていは、ほかのスタッフと外で昼食をとります。

13時 午後の訪問開始
午後は3~4件訪問します。ご家族へのサポートやアドバイスを行いながら、合間にリハビリ記録や看護記録をチェックし、診療記録への記載も行います。

16時半 リハビリ記録記入
この日最後の患者さん宅での治療を終えたら、事務所に戻ってその日のリハビリ記録をまとめます。

17時 勤務終了
作業療法士や言語聴覚士と情報を共有したり、今後の方針や対応などを話し合います。

訪問リハビリ施設に勤務の場合、患者さんの生活環境を見ることでより生活に密着した具体的なアドバイスができ、患者さんからの信頼度も高まるためお互いの親近感がより増すでしょう。ただ、移動の時間がある分、限られた時間で要領よく仕事をこなす能力が求められます。

 

理学療法士の働き方やスケジュールは、施設によって異なります。しかし、どの施設でも共通する診療記録のこまめな記入や確認、作業療法士や言語聴覚士との情報共有、そして今後の対応策の検討など、治療以外の時間の事務作業も重要であることがわかります。理学療法士の就職先のほとんどは医療施設ですが、どんな場所でも規律やルールは存在するもの。患者さんへの治療に専念できる環境づくりに努めましょう。

【参考URL】
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