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推定患者数は200万人! 全身に強い痛みが起こる線維筋痛症とは?2017.01.27

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「線維筋痛症」という疾患をご存知でしょうか。全身に強い痛みが起こるにもかかわらず、はっきりとした病因が不明で、まだ治療法も確立されていません。しかし、これまでの治療から薬物療法に加えて、運動療法も効果的とされています。まだあまり知られていない疾患ですが、セラピストとして「線維筋痛症」について知っておきましょう。

線維筋痛症とは

線維筋痛症とは、原因不明の疼痛(とうつう)が慢性的に続く疾患です。一般的な検査では身体の圧痛以外には異常がなく、医師の認知度も低いことから、以前は鑑別疾患として診断されにくい病気でした。2016年現在で、推定患者数は日本人口の1.7%、約200万人とされています。男性に比べて女性に発症しやすく、年代では特に中高年に多いことがわかっています。
決定的な病因ははっきりしていませんが、現時点では脳内にある「ミクログリア」という細胞の活性化がみられることから、中枢神経になんらかの異常や炎症があるのではないかと考えられています。また、精神的ストレスが発症の引き金になるともいわれています。

診断方法としてはアメリカのリウマチ学会が2010年に発表した予備的診断基準が用いられ、他の疾患ではないことを調べるために、血液検査や画像検査が行われることもあります。

症状について

症状の中心となるのは疼痛です。痛みの種類はさまざまで、ズキズキ・ヒリヒリしたり、鈍い痛みであったりと、患者さんによって訴えは異なります。疼痛部位は全身の筋肉や腱(けん)、関節の周囲などで、関節リウマチと似ています。しかし、血液検査でも免疫の異常はなく、関節の腫れや変形もありません。
その他の症状として多いのは、疲労感や睡眠障害で、特に疼痛よりも激しい慢性疲労を感じる場合には、「慢性疲労症候群」と分類されます。この慢性疲労症候群やうつ病を併発する患者さんが多いのも、線維筋痛症の特徴です。他には消化管の障害として下痢や便秘、嘔吐(おうと)があり、神経症状としては痙攣(けいれん)や意識喪失を起こす場合もあります。難治性(なんじせい)であり、回復に長期経過を要する場合では機能的予後が悪く、回復は困難とされています。

治療法について

現在の治療では病因がはっきりしていないため、根治療法はなく対症療法が中心です。線維筋痛症は生命に関わるような疾患ではありませんが、ADLやQOLの低下は避けられないため、まずは疼痛の緩和を行うことが第一となります。
薬物治療としては神経障害性疼痛治療薬や抗うつ薬、抗痙攣薬が用いられ、これら薬物治療で約6割の疼痛が改善されるといわれています。非薬物療法として、臨床心理士による認知行動療法や、セラピストによる運動療法も効果が認められるようです。

運動療法では特に有酸素運動やストレッチの有効性が挙げられます。具体例として、全身運動であるラジオ体操を、本来の速さより2~3倍の時間をかけて、ゆっくりとおこなう方法があります。ストレッチは疼痛が起こらない範囲内で、患者さんの訴えに耳を傾けながら、愛護的に実施します。どちらも痛みを我慢し過ぎることなく、無理なく続けることが重要です。

患者さんの生活の質を取り戻すために

線維筋痛症は関わりが難しい症例ですが、痛みが強いからと何もしないままでは患者さんがストレスを溜めてしまい、かえって症状を悪化させることもあります。患者さんに寄り添いながら、QOLの向上に取り組みたいですね。

 

【参考URL】

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