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令和4年度診療報酬改定によるリハビリへの影響をわかりやすく解説

公開日:2023.01.16

令和4年度診療報酬改定によるリハビリへの影響をわかりやすく解説

文:酒井 康輔(作業療法士)

薬価を除く診療報酬は2年に1度改定されます。直近では、令和4年度に診療報酬の改定が発表されました。急性期・回復期リハビリテーション病院に勤務されているセラピストにとって、どのような点が改定されたのか気になるところではないでしょうか。本記事では、診療報酬改定によるリハビリテーション部門の変更点と影響についてわかりやすく解説します。

令和4年度診療報酬改定 リハビリテーションの個別改定項目は?

令和4年度診療報酬改定によるリハビリテーション個別改定項目の中から、療法士の業務に影響する可能性のある4つの変更点に着目しました。

1. 早期離床、リハビリテーション加算の見直し
2. 回復期リハビリテーションを要する状態、施設基準における重症患者の見直し
3. 疾患別リハビリテーション料の見直し
4. リハビリテーション実施計画書の署名欄の取扱いの見直し

上記4点について、詳しく見てみましょう。

1.早期離床、リハビリテーション加算の見直し

入室後早期から離床等に必要な治療を行った場合に、入室した日から起算して14日を限度として500点を所定点数に加算する「早期離床、リハビリテーション加算」の見直しがありました。
変更となったのは「対象となる治療室」、「職種要件」の2点です。ただし、早期離床・リハビリテーション加算の見直しは「早期リハビリテーション加算」とは異なるので注意が必要です。詳細は以下のとおりです。

対象となる治療室

現行の「特定集中治療室管理料」のほか、「救命救急入院料」、「ハイケアユニット入院医療管理料」、「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」、「小児特定集中治療室管理料」を算定できる治療室が追加されました。

職種要件

早期離床・リハビリテーション加算の条件のひとつに「早期離床・リハビリテーションに関わるチームが設置されていること」が定められています。
これまでは「急性期医療を提供する保険医療機関において5年以上従事した経験を有する専任の常勤理学療法士、専任の常勤作業療法士」とされていましたが、令和4年度診療報酬改定より「急性期医療を提供する保険医療機関において5年以上従事した経験を有する専任の「常勤言語聴覚士」も追加されました。

2.回復期リハビリテーションを要する状態、施設基準における重症患者の見直し

回復期リハビリテーション領域の主な改定点として、「回復期リハビリテーションを要する状態の見直し」・「施設基準における重症患者の見直し」があります。それぞれのポイントは以下のとおりです。

回復期リハビリテーションを要する状態の見直し

回復期リハビリテーションの提供体制の充実を図る観点から、「急性心筋梗塞、狭心症の発作若しくはその他の急性発症した心大血管疾患の発症後または手術後の状態」が追加となりました。算定上限日数は、算定開始日から起算して90日以内となっています。
これまで循環器疾患の患者は、回復期リハビリテーション病院に転院できず、地域包括ケア病棟へ行くなど、選択肢が少ない状況でした。令和4年度の改訂で、循環器疾患の患者も、必要に応じて回復期リハビリテーション病院に転院できるようになりました。

施設基準における重症患者の見直し

回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する病院の施設基準における重症患者の割合について見直されました。回復期リハビリテーション病棟入院料1および2については、新規入院患者のうち従来は3割とされていたのが4割に変更となっています。また、3および4については2割から3割に引き上げられました。
対象となる重症患者の割合が見直されたことで、重症患者や循環器疾患の患者をクライアントとしてリハビリテーションを実施することが多くなっていくことが考えられます。

3.疾患別リハビリテーション料の見直し

疾患別リハビリテーション料の算定において、標準的算定日数の除外規定に該当する患者(治療継続により状態の改善が期待できると医学的に判断される場合)が、標準算定日数超えてリハビリテーションを行う場合に、月に1回以上機能的自立度評価法(FIM)を測定していることなどが要件化されました。

その要件は、以下のとおりです。

リハビリテーションを継続することになった日および、その後1カ月に1回以上機能的自立度評価法(FIM)を測定しリハビリテーションの必要性を判断すること
リハビリテーション実施計画書を作成し、患者またはその家族等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付する
「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の「別添2」の様式に基づき、1年間に当該疾患別リハビリテーション料を算定した患者の人数、FIM等について報告を行うこと

4.リハビリテーション実施計画書の署名欄の取扱いの見直し

「リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション実施総合計画書」の署名の取扱いが変更になった点にも注目したいところです。
実施計画書の署名欄に関しては、本人または家族の署名が必要でしたが、やむを得ない理由がある場合に限り、計画書の内容等を説明し、診療録に記載することによって、同意を得ていること等が事後的に確認できる場合には、患者等の署名を求めなくても差し支えないことになりました。
初回は本人または家族の署名が必要になりますが、2回目以降やむを得ない理由がある場合は「署名」という形でなくても問題ありません。ただし、その場合であっても、患者またはその家族等への計画書の交付が必要であることなどに留意する必要があります。

参照:令和4年度診療報酬改定の概要 別改定事項Ⅲ(小児・周産期、がん・疾病・難病対策、リハビリテーション)|厚生労働省

診療報酬改定の変更点を理解しよう

今回の改定で、回復期リハビリテーション病院の重症患者の割合が増え、循環器疾患の患者も対象となりました。結果として、今までよりも幅広い患者への対応が求められることになります。また、疾患別リハビリテーションの算定の見直しによって、算定日数を超えた患者であっても、回復が期待できる状態であれば従来の保険点数でリハビリテーションを継続できます。大きな4つの変更点について理解を深めておくとよいでしょう。

診療報酬改定は2年に1度改定されるため、リハビリテーション部門への影響を網羅することは個人では難しく感じるかもしれません。しかし、適切な治療を提供するためにも、定期的に確認し、最新情報をつかんでおくことが大切です。

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参考

令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項Ⅲ
(小児・周産期、がん・疾病・難病対策、リハビリテーション)|厚生労働省

作業療法士_酒井さま

酒井 康輔

作業療法士
作業療法士として2016年より勤務開始。訪問看護ステーション・急性期病院を経験。現在も病院で勤務しており、高齢者から小児まで幅広い年齢層のクライエントに対して作業療法を実践している。臨床業務の傍ら、自身の得た知識を一般の方に届けたいという想いから2021年よりWebライターとして活動を開始。ブログも運営している。作業療法士KousukeのWriter Office

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