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作業療法士が公務員になるには?給料・年収、試験内容を解説

公開日:2021.07.21 更新日:2021.08.03

作業療法士が公務員になるには?

文:田口 昇平
(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)

民間の病院や介護施設で働く作業療法士のなかには、公務員を目指したいと考える人がいることでしょう。

公務員は安定した収入が期待でき、仕事とプライベートを両立しやすいという特徴があります。結婚や出産・育児・介護など、将来的なライフスタイルの変化を考えると、作業療法士の資格を生かしながら公務員になるのもひとつの方法です。

今回は作業療法士として公務員を目指す人に向けて、試験や仕事内容・年収についてお伝えします。

公務員とは?国と地方自治体、大きく2つに分けられる

公務員とは、国や地方自治体が運営する施設に勤務する職員を指します。公務員は大きく分けて、以下の2つ分けられます。

①国に勤務する国家公務員
②地方自治体(都道府県や市区町村など)に勤務する地方公務員

①国家公務員 国家公務員は総合職、一般職、専門職に分けられ、行政府、司法府、立法府のいずれかに勤務する公務員
②地方公務員 地方公務員は行政職、心理職、福祉職、技術職に分けられ、都道府県庁職員、政令市職員、特別区職員、市町村職員、警察官、消防官、学校事務など

公務員にはさまざまな職種があり、そのなかで作業療法士が働く場合には地方公務員の医療技術職にあたります。

都道府県や市区町村が運営する病院・保健所といった施設に勤務することになるでしょう。

作業療法士が公務員になるには?公務員試験にも合格する必要がある

作業療法士が公務員になるには作業療法士の資格を取るだけでなく、各地方自治体の地方公務員試験に合格する必要があります。

また、国立病院などが理学療法士を募集している場合もありますが、こちらは厳密には国家公務員ではなく、公務員に準ずる待遇の「みなし公務員」にあたります。

例えば、東京都区部で働きたい場合には都立や区立病院の求人に応募し、作業療法士の採用試験に合格すれば、公務員として働けます。

ただし、地方自治体が運営する事業所では、不定期に作業療法士を募集するケースがほとんどです。公務員を目指すなら、作業療法士の求人がないか、都道府県や市区町村のホームページをこまめにチェックしましょう。

公務員は、競争率が高い

公務員としての作業療法士の採用試験は、競争率が高い傾向にあります。というのも、年度によって、作業療法士の求人が全くない場合もあるからです。

また、求人を出しても、募集されるのはたった数名程度。時には、1つの募集枠に、15~30名の受験者がいるといったケースも少なくありません。少ない求人に多数の作業療法士が応募する、狭き門といえるでしょう。

公務員になるには、特定の自治体や事業所にこだわらず、広い視点で採用試験を受け、少しでも合格の確率をあげるのもひとつの方法です。

試験内容や方法は、事業所ごとに大きく変わる

地方公務員試験は、事業所ごとに実施方法が異なります。民間の病院や介護施設と同じように、書類選考と面接の結果をもとに合否を決める事業所もあれば、採用試験として、小論文や学科テストを実施するところもあります。

地方公務員試験の概要は、基本的に各事業所のホームページに掲載されています。試験内容を詳しく知らなければ、事前準備ができず結果として合格する可能性も下がってしまうので注意が必要です。

民間とはどう違う?公務員作業療法士の仕事内容・年収・注意点

作業療法士が公務員になるには?
公務員になっても、作業療法士の仕事内容は民間と大きく変わりません。例えば、市立、県立病院では、医師や看護師・理学療法士などと協力して、患者さんのリハビリを実施します。

また、市区町村が運営する障がい者福祉センターに勤務する場合、通所される人に対し、集団体操やレクリエーション、イベントの企画・運営などを行います。

民間から公務員に立場が変わっても、リハビリをはじめとするさまざまな活動を通じて、患者さんや利用者さんの生活をサポートするのが作業療法士の役割です。

公務員の年収・給料は地方公務員医療技術職に準じる

公務員として働く作業療法士の平均年収は、地方公務員の医療技術職に準じます。

総務省が報告する「地方公務員給与実態調査結果(2019年4月1日)」によると、地方公務員の薬剤師・医療技術職の平均年収は6,059,171円となっています。

605万9171円=給与月額(379,876円)×12カ月+諸手当(1,500,659円)

一方で、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2019年度)」では、理学療法士・作業療法士全体の平均年収は4,096,400円※でした。
※企業規模計(10人以上)
※理学療法士、作業療法士の区分を参照
※平均年齢33.3歳

409万6400円=決まって支給する現金給与額(287,500円)×12カ月+年間賞与その他特別給与額(646,400円)

つまり公務員として働く作業療法士の平均年収は、作業療法士全体の平均年収を大きく上回る結果です。

▼編集部コメント
地方公務員給与実態調査結果では平均年齢がわからないため、その分年収が高くなっている可能性があります。地域差もあるため、就職希望の自治体のデータを調べてみることをおすすめします。

公務員の作業療法士は、民間よりも昇給しやすかったり、賞与がつきやすかったりすることから、年収が高くなる傾向にあります。給与面だけで考えれば、民間よりも公務員のほうが好条件で働きやすいと言えるでしょう。

ただしその分、採用試験の競争率が高く、民間に比べると、就職は難しいかもしれません。

転勤の可能性があることに注意

多くの自治体は、都道府県・市区町村内に病院や保健所などを複数運営しています。そのため自治体の方針によっては、作業療法士も就職後に別の事業所へ転勤する可能性があります。

面積の狭い自治体であれば問題になりにくいですが、例えば、北海道や岩手県といった面積が広い地域で転勤となれば、引っ越しが必要になる可能性もあります。

公務員作業療法士を目指すなら、日頃から募集のチェックが重要

作業療法士が公務員になるには?
公務員ともなれば、安定した収入を得ながらキャリアを重ねたり、将来的なライフスタイルの変化に対応したりしやすいでしょう。

公務員を目指すかどうか悩んでいるのであれば、まずは、自分の住んでいる地域で作業療法士の募集がないか、自治体のホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。

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理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

参考

地方公務員の給与制度の総合的見直しに関する検討会 報告書(総務省)
【募集】身体障害者福祉センター 理学療法士または作業療法士(会計年度任用職員)|船橋市公式ホームページ
理学療法士募集 – 草加市立病院
地方公務員の職種について(総務省)

田口 昇平

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級
2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境づくりなど、幅広いテーマで執筆。心理学・脳科学分野の書籍を愛読し、学んだ内容をブログやSNSで情報発信している。

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