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【私が作業療法士を辞めた理由】やめて良かったこと・転職後の働き方

公開日:2022.02.04 更新日:2022.02.07

【私が作業療法士を辞めた理由】やめて良かったこと・転職後の働き方

文:田口 昇平
(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)

人間関係の問題や業務内容が合わないといった理由から、作業療法士を辞めたいと思うこともあるでしょう。作業療法士は、さまざまな患者さんと向き合う責任の大きい職種です。仕事の負担が大きくなるほど、「辞めたい」と思うときがあるのは自然なことかもしれません。なかには、退職を考えながら他の職業への転身を検討している方もいるのではないでしょうか。

現在、筆者は作業療法士を辞めてフリーライターとして働いています。「作業療法士を辞めたい」と思っても、実際に辞めた人の経験談を聞く機会は少ないものです。

そこで今回は「私が作業療法士を辞めた理由」をお話しするとともに、辞めて良かったと感じたことや転職後の仕事についてお伝えします。

私が作業療法士を辞めて、多職種へ転職した理由

以前の私は作業療法士として、老人ホームやリハビリ病院に勤務していました。ときには仕事で悩みながら、患者さんの生活をサポートしたい一心で、約10年間はやりがいを持って働いていました。

転機になったのは、リハビリ病院に転職して間もなくのこと。担当の患者さんに強い口調でクレームを受けました。

当時、リハビリ室で高齢の男性患者さんに関節可動域訓練をおこなっていたのですが、患者さんは私の訓練のやり方に納得がいかなかったのか、「もっと真面目にやれ!」「やる気がないなら私に関わるな!」と、リハビリ室に響き渡るほどの声量で不満を言ってこられたのです。私は、患者さんの怒鳴り声に恐怖を感じながらもリハビリを続け、なんとかその場をしのぎました。

しかし、その患者さんとのリハビリが終了したあとも、怒鳴られたことによる恐怖心がずっと頭から離れなくなってしまったのです。それどころか、「また、患者さんに怒鳴られたらどうしよう……」「他の患者さんやスタッフにも不真面目でやる気のない人間と思われているに違いない……」といった疑心暗鬼に陥ってしまい、私は他人と関わることがすっかり怖くなってしまいました。

そのうちに、段々と職場にいるだけでも憂うつ感や不安感が湧き、ついには出勤することもできなくなりました。精神科を受診したところ、うつ病の診断を受け、3カ月休職することになったのです。

休職して仕事から離れてみたもの、相変わらず他人と関わることが恐怖に感じられました。こうした経緯があり、キャリアを惜しみつつも自分の体調を優先し、作業療法士以外の仕事に転職することにしたのです。

作業療法士を辞めてフリーライターに転身

作業療法士を辞めた後、私はフリーライターとしての活動を始めました。フリーライターを仕事に選んだ理由は、主に2つです。

ひとつは、他人と深い人間関係を築かなくても働けること。もうひとつは、自分でブログを書いていたこともあり、「文章を書く仕事」であれば自分にもできると思ったからです。

私の場合、フリーライターに転職した当初は、他の方が運営するブログを代筆したり、企業のホームページに自分の体験談を寄稿したりする仕事をしていました。転職前は「作業療法士以外の仕事ができるか」不安でしたが、比較的無理のない案件をひとつずつこなしていくことで、3年ほど経過した頃から報酬の多い仕事も受注できるようになりました。

現在はフリーライターとしてさまざまな案件に対応し、作業療法士として働いた経験を生かした記事も執筆しています。

作業療法士を辞めて良かったこと・気づいたこと

精神的に塞ぎ込んでいる患者さんの思いを受け止めたり、考えをうまく汲み取ったりと、作業療法士の仕事には「患者さんとの深い人間関係」が欠かせません。私が作業療法士を辞めて良かったと感じるのは、そうした人間関係のストレスが少なくなったことです。

フリーライターであれば、メールのやり取りのみでコミュニケーションが完結することも多く、業務に対する要望や指示が明瞭なケースがほとんどです。相手の感情や思考といった、自分の目では捉えにくいものに気を遣う必要が少ない分、作業療法士を務めていた頃よりもずいぶんと仕事における人間関係のストレスが減ったように感じています。

作業療法士を辞めたからわかる「安定した仕事」とはなにか

一方で作業療法士を辞めたからこそ、作業療法士が非常に安定した仕事であることにも気づきました。作業療法士は、医療機関や介護施設に所属していれば、自分自身でリハビリの成果を上げなくても給与が下がることはありません。

また、リハビリの対象となる患者さんや利用者さんを医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーが紹介してくれるため、自ら営業をして仕事を得るような活動も不要です。これが一般企業であれば、仕事の成果を上げないと減給されるかもしれませんし、フリーランスであれば、仕事を受注するための営業努力が不可欠です。

このように、一定の給与や仕事量が保障されていることを考えれば、作業療法士は安定した仕事といえるでしょう。

作業療法士の資格を活かして別の場所で働くこともできる

作業療法士には「リハビリの現場で働く以外にも資格を活かせる働き方」があります。

例えば、医療機器メーカーや福祉用具貸与事業者の営業職。どちらの分野も求人件数は決して多くありませんが、リハビリ機器や福祉用具などを医療機関・介護事業所に紹介できる専門職として、作業療法士の有資格者が働いています。

参考:
株式会社ヤマシタ 船橋営業所(千葉県鎌ケ谷市)の理学療法士(PT)求人・転職・募集情報<正社員>|マイナビコメディカル

あるいは、医療の知識を生かしてライターとして活動するのも良いでしょう。作業療法士の資格を所持していると、医学やリハビリの知識がある人材として、医療介護分野の記事を優先的に受注しやすくなります。

転職後の働き方に悩まれているのなら、作業療法士の資格やキャリアを活かせる職種への転身を検討してみてはいかがでしょうか。

作業療法士を辞めるべきか、十分に検討して働き方を選ぶ

作業療法士は更新の必要性がない資格であり、一旦仕事を辞めたとしても医療機関や介護施設に再就職することができます。ただし、ブランクができればリハビリのスキルは徐々に失われていきます。となれば、再就職をするにしても、キャリアのある作業療法士として高く評価してもらえないかもしれません。

作業療法士を辞める時には、今まで培ってきたスキルを失っても良いのかを考え、将来的なキャリアをしっかりと見据えた上で、今後の働き方を選びましょう。

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田口 昇平

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級
2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境づくりなど、幅広いテーマで執筆。心理学・脳科学分野の書籍を愛読し、学んだ内容をブログやSNSで情報発信している。

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