内転筋を鍛えるメリットは?おもな役割やおすすめ筋トレメニューを解説
公開日:2024.09.20
文:内藤 かいせい(理学療法士)
内転筋を鍛えるとどのようなメリットがあるのか、気になる方はいませんか?内転筋は太ももの内側にある筋肉で、股関節や膝の安定性を高めたり、足を引き締めたりする働きがあります。
この記事では、内転筋のおすすめの筋トレメニューやトレーニングの際に意識すべきポイントをご紹介します。正しい鍛え方を知ることで、効率的にトレーニングを進められるでしょう。
内転筋の役割とは?
内転筋とは、太ももの内側についている筋肉群のことです。内転筋は股関節を内側に動かす働きがあり、それ以外にも運動時の安定性を保つための役割も担っています。この筋肉が衰えると股関節が開きやすくなり、O脚や変形性膝関節症などの問題を引き起こすこともあります。
内転筋は太もも前面の「大腿四頭筋」や後面の「ハムストリングス」と比べると、意識して鍛える機会が少ない筋肉かもしれません。しかし、下半身全体のバランスを整えるためには、内転筋のトレーニングは重要といえます。
内転筋を鍛えることで得られる効果
内転筋を鍛えることで、さまざまな効果が期待できます。まず内転筋を鍛えることで、内ももを引き締めて、すっきりとした下半身を作れます。さらに、膝が外側に開きにくくなることで、O脚や変形性膝関節症の予防もできるでしょう。股関節や膝の安定性にも関係するので、スポーツのパフォーマンスの向上やケガのリスク軽減にもつながります。
このように、内転筋のトレーニングは美しい体型作りから健康維持、スポーツ能力の向上まで、幅広いメリットがあります。
内転筋(内もも)のおすすめの筋トレメニュー
内転筋を鍛えるには、どのようなトレーニングをすればよいのでしょうか。ここでは、内転筋のおすすめの筋トレメニューをご紹介します。
ワイドスクワット
ワイドスクワットは、足を広げた状態で行うスクワットです。通常のスクワットよりも内転筋を鍛えやすいメリットがあります。
1. 足を肩幅よりも広く開き、つま先をやや外側に向ける
2. 姿勢をまっすぐにしたまま、ゆっくり膝と股関節を曲げる
3. 膝を90度ほど曲げたら、ゆっくりと元に戻る
4. 2〜3の手順を15〜20回×1〜3セット行う
膝を曲げる際は、つま先よりも前に出ないように意識して行いましょう。
サイドランジ
サイドランジとは、足を横に踏み出すトレーニングです。内転筋を含めた下半身の筋肉に負荷をかけられます。
1. 両足を閉じる
2. つま先を前にしたまま、右足を真横に踏み出して体重を乗せる
3. 踏み出した膝を90度ほど曲げたら、ゆっくりと足を戻す
4. 2〜3の手順を左右それぞれ15〜20回×2〜3セット行う
踏み出す距離を変えることで、下半身にかかる負荷量を調整できます。
レッグアダクション
レッグアダクションとは、横向きになった状態で足を上げるトレーニングです。横になってテレビやスマホを見ながら行えるので、スキマ時間を活かして実施してみましょう。
1. 横向きで寝て、下側の足を伸ばす
2. 上側の足を下側の足の前につける
3. 下側の足を真上に上げる
4. 上げきったらゆっくり元に戻る
5. 3〜4の手順を左右それぞれ10〜15回×2〜3セット行う
足を上げる際に、股関節を曲げないように注意してください。
レッグオープン
レッグオープンとは、あお向けの状態で上げた足を広げるトレーニングです。足を持ち上げる必要があるので、内転筋の他に腹筋を鍛えられます。
1. あお向けになって膝を伸ばす
2. 両足をまっすぐ天井に向かって上げる
3. 膝を伸ばしたまま足を左右に広げる
4. 広げきったらゆっくり元に戻る
5. 3〜4の手順を15〜20回×2〜3セット行う
足が傾いてしまう場合は、壁につけて行ってもかまいません。
ボール潰し
両膝にボールを挟み、それを潰すトレーニングです。
1. イスに座る
2. ボールを両膝に挟む
3. ボールを潰すように力を入れる
4. 5秒間キープしたら力を抜く
5. 3〜4の手順を10回×2〜3セット行う
力を入れる際は呼吸を止めず、息を吐きながら行ってください。
内転筋を鍛える際に意識したいポイント
内転筋を鍛える際は、いくつかのポイントを意識することが大切です。ここでは、そのポイントについて詳しく解説します。
運動前後にストレッチをする
内転筋のトレーニングを効果的に行うには、運動前後のストレッチを欠かさず行いましょう。運動前のストレッチは、内転筋の柔軟性を高めてケガの予防につながります。また、運動後のストレッチは、筋肉の回復を促進させ、筋肉痛をやわらげる効果が期待できます。
1. 床に座って膝を曲げ、両方の足裏をつける
2. 足を股関節に近づけつつ、膝を床に近づける
3. 姿勢をまっすぐにした状態で、ゆっくりと骨盤を前に傾ける
4. 傾けた上体を20秒ほどキープする
内転筋以外の筋肉も鍛える
内転筋以外の太ももの筋肉を鍛えることで、より引き締まった下半身を作れます。下半身のトレーニングとしておすすめなのが、通常のスクワットやランジです。これらのトレーニングは、大腿四頭筋や大殿筋などの幅広い筋肉を鍛えられるメリットがあります。内転筋の筋トレと一緒に組み合わせて、下半身を総合的に鍛えていきましょう。
内転筋を鍛えて下半身の安定性を高めよう
内転筋は太ももの内側についている筋肉で、股関節を内側に動かす役割があります。それ以外にも、関節の安定性や運動のパフォーマンスにも深く関わっています。内転筋を鍛える際は、運動前後にストレッチをしつつ、他の筋肉もバランスよくアプローチするのがおすすめです。ぜひ今回の記事を参考にして、内転筋の効率的なトレーニングを実践してみましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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