コンセントレーションカールの正しいやり方は?効果や注意点もあわせて解説!
公開日:2024.12.15
文:和田 拓巳(スポーツトレーナー)
太くたくましい腕をつくるためにトレーニングを頑張っているけど、なかなか効果が現れない…と感じている人はいませんか?そんなときは、力こぶを鍛えるコンセントレーションカールをトレーニングに取り入れてみましょう。
今回は、理想の腕をつくり上げるための、コンセントレーションカールのやり方やポイント・注意点を紹介します。
コンセントレーションカールとは?鍛えられる部位
コンセントレーションカールは、主に腕の表側にある「上腕二頭筋」を刺激するエクササイズです。上腕二頭筋を鍛えるエクササイズには、立った姿勢で行うバーベルカールやダンベルカールがありますが、コンセントレーションカールは、ベンチなどに座り肘を太腿で固定しながら片腕ずつ動作を行うため、反動をつけにくいだけでなく、片腕ずつ動かすので、上腕二頭筋の収縮を意識しやすく、強い刺激を与えることができます。
コンセントレーションカールで鍛えられる上腕二頭筋は、外側と内側の2つの部位があります。外側に付着しているのが「長頭」、内側に位置するのが「短頭」と呼ばれています。長頭は肘関節を曲げる「屈曲」に、短頭は肘関節の外側にひねる「回外」に力を多く発揮します。
上腕二頭筋のエクササイズでは、長頭と短頭のどちらも一緒に鍛えることができますが、トレーニング上級者になると、鍛えたいほうのエクササイズを選んで行うことが多くなります。コンセントレーションカールは、回外動作をともなうため、短頭を刺激したい場合に行うと効果的です。
コンセントレーションカールの効果2選
コンセントレーションカールによって得られる効果を確認してみましょう。
腕を太くする・引き締める
上腕二頭筋は、力こぶをつくる筋肉です。コンセントレーションカールを行うことで、力こぶを大きくし、腕を太くさせる効果があります。女性の場合、鍛えることで力こぶが大きくなるのを心配する人もいるかもしれませんが、問題ありません。女性は筋肥大しにくいので、コンセントレーションカールを行うことで、引き締まった腕をつくることができます。
物をもち上げる力を強化する
上腕二頭筋も日常生活でもさまざまなシーンで使われる筋肉です。たとえば、重い物をもち上げたり運んだりするときが上腕二頭筋の出番。上腕二頭筋が強くなることで、腕が疲れにくくなり、これらの動作が楽になるなど、日常生活でのさまざまなパフォーマンスが向上します。
コンセントレーションカールの正しいやり方・フォーム
コンセントレーションカールの正しい動作やフォームを解説していきます。
コンセントレーションカールのやり方
1.片手にダンベルをもち、フラットベンチに座ります。脚は肩幅程度に広げておきます。
2.ダンベルをもった側の腕の肘を、同側のひざの内側につけて肘が動かないように固定します。肘を固定したまま、ダンベルを下ろしましょう。
3.肘をひざに固定し位置を変えないようにしたまま、肘を曲げてダンベルをもち上げていきます。動作中は、てのひらが天井方向を向くようにしてダンベルを保持します。
4.しっかりと肘を曲げきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
5.この動作を繰り返します。反対側も同様に行いましょう。
コンセントレーションカールの重量・回数目安
エクササイズでは、目的にあわせて重量や回数を設定します。コンセントレーションカールを行う際も、自分の目的に適した重量を確認して取り組みましょう。目的別の重量の目安は次の通りです。
●筋肥大が目的の場合:8~12回程度で限界になる重量
●筋力向上が目的の場合:5~7回程度で限界になる重量
●筋持久力が目的の場合:12~20回程度で限界になる重量
コンセントレーションカールの注意点
コンセントレーションカールを行う際のポイントと注意点を紹介していきます。
上腕二頭筋を意識する
コンセントレーションカールの動作中は、上腕二頭筋を意識しながら行いましょう。コンセントレーションカールは片手ずつ行うので、鍛えている反対側の手で上腕二頭筋を触れながら動作を行うと、上腕二頭筋の収縮をより意識することができるでしょう。
回外動作を取り入れる
上腕二頭筋の短頭を最大限に収縮させるためには、回外動作が重要です。肘を曲げ切る前に小指側を高くもち上げるようにし、前腕を外側にひねるように意識すると、効果的に短頭を刺激することができます。
可動域をフルに動かす
エクササイズをより効果的に行うには、関節可動域を最大限動かすことがポイントです。ダンベルを途中までしかもち上げなかったり、しっかり下ろさずに次の動作に移ると、エクササイズの効果が減少してしまいます。コンセントレーションカールの場合は、しっかり肘を曲げ切るところまで上げて、下すときは肘を伸ばし切るギリギリのところまで下して次の動作に移るようにしましょう。
動作スピードをコントロールする
動作中のスピードは、しっかりコントロールするようにしましょう。重要なのは、ダンベルを下ろすときです。力を抜いて重力にまかせてスッと下ろすのではなく、負荷を上腕二頭筋に感じながらゆっくり下ろすと、刺激量が増え効果が高まります。
肘を固定する
腕を鍛えるエクササイズでは、肘を固定することが効果を上げるポイント。コンセントレーションカールの場合、腕を太腿の上にのせるのではなく、肘をひざの内側にしっかり固定することで肘が動くのを防ぎ、効果的に上腕二頭筋を鍛えることができます。動作前にフォームをしっかり確認してから動作をはじめましょう。
反動を使わない
動作中、反動を使ってしまうと上腕二頭筋への刺激が少なくなってしまいます。コンセントレーションカールは肘が固定されているため、比較的反動が使いにくいエクササイズです。
しかし、きつくなってくると、上体を後ろに傾けてダンベルをもち上げようとしてしまいます。とくに肘が90度に曲がってもっとも負荷がかかる「スティッキングポイント」と呼ばれる角度になると、無意識に反動を使いやすくなるので注意が必要です。肘の固定と上体の保持を意識しながら動作を行いましょう。
ダンベルのもち方
上腕二頭筋のエクササイズで、上腕二頭筋よりも先に前腕がつらくなってしまう人は、ダンベルのもち方に問題があります。
前腕が疲れてしまう人は、手首を曲げすぎて、バーベルを巻き込みながらもち上げていることが多いです。そのような動作は、前腕の筋肉に負荷が多くかかり、先に前腕が疲れてしまいます。コンセントレーションカールを行う際は、手首を過度に曲げず、まっすぐになった状態を保持しながら行いましょう。
まとめ
今回は、コンセントレーションカールの正しい方法とポイントを紹介しました。コンセントレーションカールは初心者でも正確に行いやすいエクササイズです。
今回紹介したポイントを意識することで、より上腕二頭筋を効果的に鍛えることができます。
コンセントレーションカールを上手くトレーニングメニューに取り入れて、理想の腕をつくりましょう!

和田 拓巳
スポーツ選手やオリンピック候補選手、アーティストのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。
医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会もしており、講師業にも力を入れている。テレビや雑誌など各種メディアに出演およびトレーニング監修を行う。
著書に「見るだけ筋トレ」(青春出版社)がある。
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