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職場コミュニケーションを改善するには?活性化の具体例とポイント【第55回】

公開日:2021.04.30 更新日:2023.05.23

文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント

前回「新人教育のコツは教え方にあり!効果的な声掛けで理解を深めよう」、前々回「質問できない新人さん必見!先輩・上司に質問するコツとタイミング」と、上司と部下の間でのコミュニケーションについて考えてきました。

職員間の円滑なコミュニケーションは、職場での情報伝達や共有に欠かせません。

職場コミュニケーションが活発に行われると、業務が効率よく進むことに加えて、ミスやトラブルを予防することにつながります。

今回は「トラブルを未然に防ぐ職場コミュニケーション」について考えてみます。

職場におけるコミュニケーションがミスやトラブルを減らす理由

職場での「ホウレンソウ=報告連絡相談」が細やかに漏れることなくおこなわれると、職場内の風通しが良くなります。さらに目標やビジョンまで共有が可能になると職員間にも安心感が生まれ、スタッフのモチベーションアップにも直結します。

報連相ができる人は職場の風通しを良くします

一方で上司と部下、あるいは同僚間で、ホウレンソウや情報共有が少なくなると、まず小さなミスやエラーが表面化しはじめます。さらにその状態が続くとトラブルの多発につながったり、職員間の気持ちが不安定になったりして、職場内がぎくしゃくしはじめるかもしれません。

スタッフ間でのトラブルは、患者さんとの信頼関係にも影響を及ぼします。

職場コミュニケーション不足の原因はさまざまですが「忙しいから言わなかった」「言ったつもり」「確かに言ったはず」という事例は、コミュニケーションの量の低下を意味します。

伝えるべきことがあるのに伝えない状況は、不安や不信、不満につながっていきます。ひとつずつのコミュニケーションを確実に、忙しいときほど一瞬の手間を惜しまず丁寧に、しっかりコミュニケーションの量を重ねていくことが大切です。

伝えた情報を相手が「正しく理解できなかった」「間違って解釈してしまった」というケースは、コミュニケーションの質に問題があります。正しく伝わらないと、せっかく伝えてもコミュニケーションが成立しません。

正しく伝えるためには大切なのは2点。

相手が理解しやすい言葉や言い方を心がけること。そして、必ず理解できたかどうかの確認をすることです。

トラブル時こそ、こまめな職場コミュニケーションを心がけましょう

それではトラブルを未然に防ぐために、どのような職場コミュニケーションを心がければいいのでしょうか?

初めに、職場コミュニケーションで大切なのは「職員間での思いやり」です。セラピストの業務は決して一人で成り立つものではありません。

多種多様な業務を複数のスタッフで協力しながらおこなうため、お互いを労わり感謝の気持ちを持ち続けることが大切です。

コミュニケーションは質より量

2つ目に欠かせないのがホウレンソウ。「これくらい言わなくても大丈夫だろう」「言わなくても分かってるはず」などと油断したり過信したりする状況が一つ二つと重なって、大きなミスにつながることもあります。

自分は分かっていても、相手は忘れているかもしれません。どんなに急いでいても、「〇〇はしましたか?」「〇〇はどうなっていますか?」など、ひと言伝えることが注意喚起につながります。

連絡事項は個々がこまめにメモを取り、全体ミーティング等の時間を有効に使って「漏れのないホウレンソウ」を目指しましょう。新人など環境や人間関係に不慣れなスタッフは、「コミュニケーションは質より量」と心がけてほしいと思います(第53・54回参照)。

【関連記事】
第53回「質問できない新人さん必見!先輩・上司に質問するコツとタイミング」
第54回「新人教育のコツは教え方にあり!効果的な声掛けで理解を深めよう」

3つ目のポイントは、コミュニケーションのあとの「確認」です。「言ったはずなのに」正しく伝わっていなかった、というミスを減らすために、正しく伝わっているかどうかを確認する習慣づけが欠かせません。

伝わっているだろうと思っても確認しよう

間違えやすい数字や重要事項は必ずメモを取ってもらったり、復唱してもらったりすることで、たとえ聞き違い等があってもその場で修正することができます。

上司から部下へのコミュニケーションでは、部下が理解できる言葉を選び、相手の反応を確認しながら伝える心遣いが大切です。(第54回「新人教育のコツは教え方にあり!効果的な声掛けで理解を深めよう」参照)

最後に、トラブルが起きた際のコミュニケーションについて。クレーム発生といったトラブル時のコミュニケーション不足は、トラブルの拡大や2次クレームを招きかねません。

「上司に報告する」「職場全体で情報を共有する」「周囲のスタッフがフォローしあう」など、いずれも素早い対応が求められます。トラブルを未然に防ぐ職場コミュニケーションを実践して、職員が気持ちよく働ける職場環境を整えましょう。

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>>報連相ができない原因は?苦手に感じる理由と改善のポイント

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村尾 孝子(むらお たかこ)

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/

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