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【ご住所・お身体】美化語とは?実際の具体例と正しい使い方【第8回】

公開日:2017.07.14 更新日:2023.09.04

文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント

美化語はものごとを丁寧に言うときに使う

今回は「美化語」についてお話したいと思います。接頭詞の「お」や「ご」をつける用法は、次の3種類に分けられます。

具体例
1.相手のもの・ことを表す美化語 ・あなたの「お」荷物
・「お」身体の具合
2.尊敬語や謙譲語 ・先生の「お」考えはいかがですか
・後ほど「ご」説明します
・「お」忙しいところ申し訳ありませんが
3.慣用句 ・「お」はようございます
・「お」やすみなさい

なかでも1.の美化語は丁寧さや上品さをあらわすために使う言葉で、「相手のもの・こと」をあらわすときに使います。例えば、患者さんの仕事を指す時は「“お”仕事は何をなさっていますか?」というように「お」をつけるのが正解。

しかし、自分の仕事を指して「私の“お”仕事は理学療法士です」と言うのは誤った使い方であるだけでなく、幼稚な印象を与えてしまいます。

実際の接遇で使用する正しい例としては次のとおりです。
「“お”食事は召し上がりましたか?」
「“ご”自宅はどちらですか?」
「(あなたの)“お”帽子はこちらですか?」

「お」や「ご」は、基本的にカタカナの言葉、外来語にはつけません。「おトイレ」という言い方をする人もいますが、これも正しい使い方ではありません。「おトイレはこちらです」ではなく、「お手洗いはこちらです」と言えるようにしておきましょう。

「おビール」「おジュース」「おズボン」などの言葉を習慣的に使用している人もいると思いますが、これらの表現も実は間違いです。

また美化語には、「お」「ご」をつける「付けたし型」の他に「言いかえ型」もあります。
「便所(トイレ)」→「お手洗い」のほか、「うまい」→「おいしい」、「腹(はら)」→「お腹(おなか)」といった具合です。

丁寧にしたい言葉への「お」と「ご」のつけ方・使い分け

「お」や「ご」をつければ丁寧な言い方になるとわかっていても、「お」と「ご」のどちらを使えばいいのか迷うこともあるでしょう。

原則としては、「和語には『お』を、漢語には『ご』をつける」と覚えておくといいでしょう。たとえば、和語であれば「水」→「お水」、「話」→「お話」、漢語の場合は「用」→「ご用」、「本」→「ご本」といった具合です。
ただし漢語でも「お時間」「お電話」のように日常的によく使う言葉や、「お料理」「お化粧」など、女性によく使われる言葉では、「お」を使う場合があります。また、「お返事」「ご返事」のように、「お」と「ご」を両方とも使う場合もあります。

「お」や「ご」がついている言葉でも、それが必ずしも美化語とは限らず、尊敬語や謙譲語である場合もあります。いずれにしても、丁寧にあらわしたいといってあらゆる言葉に「お」や「ご」をつけてしまうと聞き苦しくなりますから、注意が必要です。

意味をなさない言葉は、省くことで相手に伝わりやすく、意思が明確に伝わりやすくなるものです。より的確に情報を伝えるという意味でも、できるだけシンプルな言葉遣いを心がけましょう。

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村尾 孝子(むらお たかこ)

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/

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