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「謙譲語」を身につければ患者さん応対にも自信がもてる【第12回】

公開日:2017.09.22 更新日:2023.03.30

文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント

言葉遣い一つで「相手が上、自分が下」という立ち位置を伝える

謙譲語は、へりくだることで相手を立てる敬語表現。使い方には下記の2つのパターンがあります。
①相手を立てることで自分を下げる場合
②自分を下げることで相手を立てる場合

この2つは「相手が上、自分が下」という点では同じでも、ニュアンスが微妙に異なります。

例えば「私がご案内します」は、「お(ご)~する」という言いまわしで相手を立てる①のパターン。「私が受付にまいります」という表現は「行く」の謙譲語「まいる」を使うことによって、自分を下げて相手を立てる②のパターンです。

同様に、「こちらからご連絡(いた)します」「お荷物をお預かり(いた)します」は相手を立てる言いまわしなので①のパターン。「作業療法士の村尾は午後には(こちらに)おります」は「いる」の謙譲語「おる」を使って自分を下げる②のパターンです。
具体的な謙譲語の例を、下記にまとめました。

「お(ご)~いたす」

「メールにて、知らせいたします

「お(ご)~する」

「メールにて、知らせします

「お(ご)~願う」

「メールにて、知らせ願えますか」

「お(ご)~いただく」

「メールにて、知らせいただけますか」

謙譲語を使用する際は「へりくだりすぎ」にも要注意

受付などで「お名前をちょうだいできますか」と話している人の声を聞きますが、名前はもらうものではないので「ちょうだい」という表現には違和感があります。この場合は、「お名前を教えていただけますか」「お名前をお聞かせ願えますか」とした方がスマートでしょう。

また、謙譲語で気をつけたいのは「いただく」の多用です。「先日お問い合わせいただいた件でおうかがいさせていただきます」など、短い文章の中に「いただく」が続くと、聞き苦しいものです。この場合は「おうかがいさせていただきます」ではなく、「おうかがいします」「おうかがいいたします」とするのが適切でしょう。

謙譲語で難しいのは、なんといってもさじ加減です。へりくだりすぎると距離の開きを感じますし、場合によっては慇懃無礼だと思われてしまうことも。尊敬語と合わせて正しく使い分けができると、自信をもって患者さんへの応対もできるでしょう。

村尾 孝子(むらお たかこ)

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/

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