長野県は、県一帯が川や山などの自然に囲まれており、落ち着いた暮らしができる県です。
平成27年度都道府県別生命表では、長野県民の平均寿命は81.75歳と、全国で2番目に高い数値を記録しています。
(出典:長野県「平成27年都道府県別生命表の概況」/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/tdfk15/index.html)
高齢者が活き活きと暮らしている長野県は、作業療法士として働くにあたっても最適なエリアです。
当記事では、長野県の作業療法士求人について、全国平均と比較しながら紹介します。長野県で作業療法士として働くことを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
1.長野県における作業療法士求人の特徴
長野県には、作業療法士として活躍できる場所がどのくらいあるのかを明らかにします。下記は、厚生労働省の調査をもとに、長野県における病院数・一般診療所数をまとめた表です。
長野県では、令和3年4月末時点における病院数が126・一般診療所数が1,572となっています。中部地方の隣県である山梨県と比べても、長野県は施設数が多い傾向です。
また、長野県は、2019年~2022年度を「長野県地域福祉支援計画」の期間と位置づけ、地域共生社会の実現に向けた取り組みを活発化させています。子どもからお年寄りまで全ての人が活躍できる社会を目指している長野県にとって、リハビリ業務を行う作業療法士の活躍は欠かせないと言えるでしょう。
(出典:長野県「長野県地域福祉支援計画について」/
https://www.pref.nagano.lg.jp/chiiki-fukushi/2018keikaku.html)
実際に、マイナビコメディカルでは、2021年8月時点で51件の作業療法士求人を掲載しています。
長野県の作業療法士求人数は51件であり、隣県の富山県や岐阜県、山梨県と比べて求人が多い傾向にあります。施設別に見ると、特に介護福祉施設(34件)と病院(13件)が多い点が特徴です。
長野県で介護福祉施設の求人数が多い理由としては、高齢化の進行が影響しています。令和元年10月時点で長野県の高齢化率は31.9%と、全国平均(令和2年度)の28.8%を上回っている状況です。将来的な高齢化進行も見込まれており、介護福祉施設の需要は年々高まっています。
(出典:長野県「長野県の人口と高齢化率の推移」/
https://www.pref.nagano.lg.jp/kaigo-shien/tiikihoukatsukea/documents/koureikasuii.pdf)
(出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書(全体版)」/
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html)
また、正社員向けの求人が中心ではあるものの、契約社員や非常勤・パートの求人もあります。長野県での就業は、柔軟な働き方を求めている人にもおすすめです。
さらに、長野県の作業療法士求人には、下記の特徴もあります。
●長野県における作業療法士求人の特徴(1)住宅手当の支給がある求人が多い
長野県の作業療法士求人は、住宅手当の支給が多い傾向にあり、2021年8月現在では13件にのぼります。住宅手当を受給できれば、生活にかかる負担を減らせるため、ワークライフバランスを充実させやすくなるでしょう。ただし、支給額や支給要件は施設によって異なるため、事前に求人を確認するようにしてください。
●長野県における作業療法士求人の特徴(2)地域密着型の施設が多い
地域を巻き込んだ福祉の取り組みを行っていることもあり、地域密着型の施設が多い特徴もあります。デイサービスや介護老人保健施設、訪問看護など、施設形態もさまざまであるため、利用者と近い距離で接したい人は理想的な職場を見つけやすいでしょう。
2.【長野県】作業療法士の平均給与
ここからは、作業療法士の平均年収について、全国平均と比較しながら解説します。下記の表は、長野県と全国における作業療法士の平均年収を比較したものです。
なお、表中の平均給与に関しては、「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士」を合わせた統計値です。待遇も施設ごとに異なるため、平均年収を超える可能性は十分にあります。
長野県における作業療法士の平均給与は、男女共に全国平均より低い状況です。年収アップを狙って長野県で作業療法士として働く場合は、給与や賞与、手当などの幅広い条件に目を向ける必要があります。
長野県の作業療法士求人は、賞与が出る施設が多い傾向にあります。ただし、「何カ月分の給与が支給されるのか」「年に何回支給されるのか」などは施設によって異なるため、応募前に求人内容の確認が必要です。
3.【長野県】作業療法士の求人が多いエリア
長野県では、長野市・松本市・上田市で特に作業療法士の求人が多い傾向にあるため、転職先を探す際は同エリアを中心とすることがおすすめです。
最後に、長野市・松本市・上田市における求人情報の特徴を紹介します。
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求人情報の特徴 |
長野市 |
・給与が高い求人が多い ・休みを取りやすい施設が多い |
松本市 |
・経験者歓迎の求人が多い ・未経験OKの求人がある |
上田市 |
・手当の種類が豊富にある ・退職金が設けられている求人がある |
長野市は、長野県でもっとも人口が多いことから求人数が多く、作業療法士の需要が高い市です。そのため、給与水準が高く、年収アップを狙いやすいと言えます。また、休みの取り扱いが求人ごとに多様であり、固定休やシフト制などさまざまです。自分に合う求人を見つけられれば、理想的なワークライフバランスを築けるでしょう。
松本市は、経験者を募集している求人が多い特徴があるため、これまで作業療法士の就業経験がある人は、条件に合う勤務先を探しやすいと言えます。一方で、未経験OKの求人もあるため、経験値にかかわらず幅広い人におすすめです。
上田市は、通勤手当や資格手当、職務手当など、求人ごとに豊富な手当が設定されています。ぜひ、自分が対象となる手当がないかを確認してみてください。退職金が設けられている求人も多くあるため、長期間働く予定の人にもおすすめです。
まとめ
長野県は、高齢化率が高いことから作業療法士の需要が高く、2021年8月時点で51件の求人が掲載されています。地域密着型の施設が多いため、利用者となるべく近い距離で接したい人には特におすすめです。
長野県の作業療法士求人は、全国平均と比べて低い水準にあるものの、待遇は施設によって異なるため、求人を選べば平均を上回ることが十分に可能です。特に求人が多いエリアである長野市・松山市・上田市を中心に、ぜひ自分に合う求人を探してみてください。
※当記事は2021年8月現在の情報をもとに作成しています