長崎県は九州の西部に位置する、複数の島々から成り立つ都道府県です。2020年10月時点における長崎県の高齢化率は33.2%であり、全国平均の28.8%と比べて高齢化が進んでいます。
(出典:長崎県「令和2年度長崎県老人保健福祉関係基礎資料」/
https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/koreisha/keikaku-koreisha/roujinkisosiryou/502694.html)
(出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書」/
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html)
高齢化が進む見通しであることから、長崎県では高齢者などのリハビリを支える作業療法士の需要が今後も見込まれています。
この記事では、長崎県の作業療法士求人の特徴・平均給与から、求人が多いエリアまでを紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1.長崎県における作業療法士求人の特徴
ここでは、長崎県に点在する病院・一般診療所の施設数を紹介します。
長崎県にある施設数は合計で1,493であり、そのうち病院が148、一般診療所が1,345です。また、人口規模が近い青森県(病院93、一般診療所856)と奈良県(病院75、一般診療所1,213)と施設数を比較すると、長崎県のほうが病院も一般診療所も多い傾向です。
長崎県では「長崎県老人福祉計画・長崎県介護保険事業支援計画」が実施されています。この支援計画では、「介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)」という項目を掲げ、地域に密着したリハビリテーション支援体制の充実を図っています。
長崎県では、2025年までに2,078人の介護人材が不足するといわれています。介護施設の整備が進むことに伴って、介護人材だけでなく作業療法士の需要も高まるでしょう。
(出典:長崎県「長崎県老人福祉計画・長崎県介護保険事業支援計画」/
https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2021/04/1617254294.pdf)
次に、マイナビコメディカルに掲載されている、長崎県の作業療法士求人数を紹介します。
長崎県の作業療法士求人数は、福岡県や熊本県より少ない状況です。長崎県の作業療法士求人の半数は、介護福祉施設から出されています。前述したとおり、長崎県では介護施設数を増やす取り組みを実施しているため、これから作業療法士求人が増加する可能性は高いでしょう。
下記では、長崎県の作業療法士求人の特徴を2つ挙げます。
●長崎県における作業療法士求人の特徴(1)年間休日が120日以上の施設がある
長崎県には、年間休日が120日以上の施設がいくつかあります。年間休日が120日以上ある場合は、週休二日に加えて祝日休みが含まれる計算です。仕事とプライベートの時間にメリハリをつけながら生活を送ることができるでしょう。
●長崎県における作業療法士求人の特徴(2)待遇面の良い施設がある
長崎県には、交通費・住宅手当・業務手当などの諸手当が支払われる作業療法士求人が多くあります。また、賞与が4か月以上の作業療法士求人もあります。
2.【長崎県】作業療法士の平均給与
下記では、長崎県における作業療法士の平均年収と全国平均を紹介します。
上記の平均年収は作業療法士だけでなく、理学療法士・言語聴覚士・視能訓練士の年収も含まれた統計値です。
長崎県における作業療法士の平均年収は約416万円であり、全国に比べて低いものの、福岡県の平均年収である約410万円よりも高い数値です。また、女性の年収が高いことも長崎県の特徴といえます。長崎県では男性と女性の年収に大きな開きがないことから、性別に関係なく活躍することが可能な環境です。
マイナビコメディカルに掲載されている、長崎県の作業療法士のモデル年収を見ると、400万円を超える求人がいくつかあります。作業療法士としての実務経験がある人であれば、転職によって年収が上がると期待できます。
また、賞与・待遇によっては、上記で紹介した以上の年収を得られる場合も少なくありません。
3.【長崎県】作業療法士の求人が多いエリア
最後に、長崎県内で作業療法士の求人が多い3つのエリアを紹介します。
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求人情報の特徴 |
長崎市 |
・駅の近くに施設があったり、マイカー通勤が可能であったりするなど、通勤しやすい ・経験不問の求人があり、ブランクがある人でも作業療法士に復帰しやすい |
諫早市 |
・4.2か月分の賞与を支給する施設がある ・経験者であれば、450万円以上の年収を得られる可能性がある |
対馬市 |
・年間休日が120日以上の施設がある ・通勤手当だけでなく、住宅手当・家族手当など諸手当が充実している |
長崎県における作業療法士の求人は、全体的に残業が少なく、プライベートの時間を確保しやすい傾向です。施設の種類は、デイサービス・療養病院・介護老人保健施設など複数あります。
対馬市は、長崎県内で最も作業療法士の求人数が多いエリアであり、同一法人が運営する複数の施設から求人募集が出されている状況です。対馬市内は公共交通機関が限られるため、車での通勤が前提となります。
まとめ
長崎県の病院・一般診療所の施設数は1,493であり、九州地方のなかで4番目に多い施設数です。また、人口が同水準である青森県・奈良県の施設数よりも、長崎県のほうが病院も一般診療所も多いことから、1人あたりの施設数が充実しているといえます。
長崎県では、リハビリテーション支援体制に力を入れており、作業療法士の需要が高まることが予想されます。
長崎県内で作業療法士の求人を探す場合は、施設によって賞与・待遇に大きな違いがあるため、複数の求人情報を見比べることが大切です。
※当記事は2021年7月現在の情報をもとに作成しています