整形外科勤務の理学療法士の役割とは?求められるスキルや向いている方の特徴を解説

更新日 2025年12月04日 公開日 2021年02月15日

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整形外科勤務の理学療法士の役割とは?求められるスキルや向いている方の特徴を解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

整形外科で働く理学療法士は、どんな仕事をしているのか知りたい方もいるのではないでしょうか。整形外科勤務の理学療法士は整形疾患に対するリハビリが中心ですが、職場によっても特徴が大きく異なります。

この記事では、整形外科で働く理学療法士の役割や求められるスキルをご紹介します。仕事の詳細を知ることで、今後の就職・転職先を決めるきっかけになるでしょう。

整形外科で働く理学療法士の役割

整形外科で働く理学療法士の役割は、おもに整形疾患を抱える患者さんに対してリハビリを提供することです。骨折や捻挫などのケガをした方や、変形性膝関節症をはじめとした疾患をもつ方の身体機能の改善を目指すために、専門的なサポートを行います。

たとえば、骨折後に手術を受けた方であれば、術後の回復を早めるためのリハビリプログラムを作成し、実施することが中心となるでしょう。さらに患者さんが日常生活で安全に動けるよう、正しい姿勢や体の使い方を教えたり、場合によっては禁忌肢位を説明したりします。

職場による整形外科のリハビリの特徴

職場による整形外科のリハビリの特徴

職場によっても、理学療法士のリハビリの特徴は大きく異なります。ここでは、職場による整形外科のリハビリの特徴を解説します。

病院は入院患者さんのリハビリが中心

整形外科を中心とした病院の場合、入院患者さんへのリハビリがおもな仕事です。病院でのリハビリは、1人の患者さんに対して40〜60分(2〜3単位)を提供することが一般的です。後述するクリニックと比べると、患者さんと接する時間は比較的長い傾向にあります。

また、病院では医師や看護師などの職種が連携してチーム医療を提供します。入院している患者さんに対して、多角的なアプローチで継続的なリハビリを提供できる点が病院の大きな特徴です。

クリニックでは外来の方のリハビリが中心

クリニックの場合、外来で通院される患者さんへのリハビリが中心です。クリニックでのリハビリは、20分(1単位)で行われることが多い傾向にあります。病院と比べて1人あたりの時間は短くなりますが、その分多くの患者さんと関われます。

また、クリニックでは慢性期の患者さんを担当する機会も多いです。そのほかにも、病院のようなカンファレンスや多職種連携の機会は少なく、医師と理学療法士を中心とした関わりが主体となるのが特徴です。

整形外科で働く理学療法士に求められるスキル

整形外科で働く理学療法士に求められるスキル

整形外科で働く理学療法士には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、具体的なスキルについて解説します。

整形疾患に関する知識・技術

まず重要なのが、整形疾患に関する幅広い知識と技術です。整形外科を受診する患者さんの多くは、骨折や捻挫などの運動器の疾患を抱えています。これらの疾患に応じたリハビリを提供するためには、整形外科に関する理解が必要です。

さらに、禁忌肢位に関する知識も欠かせません。人工股関節の手術を受けた患者さんであれば、あぐらや深く腰を曲げる動作には注意する必要があります。

効率的なリハビリ方法

整形外科のクリニックで働く場合、効率的にリハビリを行うスキルが必要です。先ほど説明したように、クリニックでは1人あたりの治療時間が短く、1日に多くの患者さんを担当するケースが多くなる傾向にあります。限られた時間のなかで成果を出すには、評価からリハビリまでの流れをスムーズに組み立てることが重要です。

さらに、患者さんの状態を素早く見極める力も大切です。前回の治療からどのくらい改善しているのか、今日はどこに重点を置くべきかを判断したうえで、効果的なアプローチを選択する必要があります。このように無駄のない流れでリハビリを進めることで、短時間でも質の高い治療を提供できるのです。

コミュニケーションスキル

リハビリ技術だけでなく、高いコミュニケーションスキルも求められます。患者さんの症状を正しく理解し、効果的なリハビリを行うには、信頼関係を築くことが不可欠です。コミュニケーションスキルが高ければ、患者さんの本当の悩みや希望を引き出しやすくなり、適切なアプローチが可能です。

また整形外科では、幅広い年齢層の患者さんと接する機会も多いでしょう。部活動でケガをした学生から疾患に悩む高齢者まで、それぞれにあわせた言葉選びも重要です。

整形外科での勤務に向いている理学療法士の特徴

整形外科での勤務に向いている理学療法士には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、その特徴についてみていきましょう。

整形疾患のリハビリが好きな方

整形疾患のリハビリに興味がある理学療法士は、整形外科での勤務に向いています。整形外科で働くことで、骨や関節などの運動器の専門知識を深められます。手術前後の患者さんの経過を継続的に観察できる機会も多く、整形疾患に対する理解がより一層深まるでしょう。

また、徒手療法や物理療法などの整形分野ならではの治療技術を磨けます。このように、整形疾患のリハビリが好きな方にとって、整形外科は専門性を高められる理想的な環境といえるでしょう。

スポーツ分野に関わりたい方

将来的にスポーツ分野に携わりたいと考えている方も、整形外科での勤務はおすすめです。整形外科を中心とした職場はスポーツ領域と深く関わっており、スポーツに関する知見を蓄積しやすい環境といえます。スポーツによるケガは整形外科の治療対象であり、部活動で負傷した学生からプロのアスリートまで、幅広い層の患者さんと関わる機会があります。競技復帰を目指すリハビリを通じて、各スポーツの動作特性や必要な身体機能についても学べるでしょう。

このような経験は、将来スポーツトレーナーとして活動する際の貴重な基盤となります。スポーツ分野でのキャリアを考えている方にとって、整形外科での勤務は専門知識と実践経験を積めるよい職場といえます。

整形外科の勤務に向いていない理学療法士の特徴

人によっては、整形外科のある職場の勤務に向いていない場合もあります。ここでは、整形外科の勤務に向いていない方の特徴を解説します。

幅広い疾患のリハビリを経験したい方

幅広い疾患のリハビリを経験したい場合は、整形外科が中心の職場には向いていない可能性があります。とくにクリニックの場合、整形疾患を中心とした治療がメインです。そのため特定分野の専門性は高められますが、幅広い経験を求める方には物足りなく感じる可能性があります。

ただし、病院であれば脳血管疾患や呼吸器疾患など、整形分野以外のリハビリ経験を積むことも可能です。将来的にさまざまな分野で活躍したいと考えている方は、複数の診療科がある病院を選ぶとよいでしょう。

患者さんにじっくりと関わりたい方

患者さんにじっくりと関わりたい方も、向いていない可能性があります。クリニックでは、外来患者さんに短時間のリハビリを提供することが多いため、一人ひとりとゆっくり向き合う時間は限られてしまいます。患者さんと長く向き合いたい方にとっては、クリニックの勤務では物足りなくなることもあるでしょう。

それでも整形疾患のリハビリを積極的に行いたい場合は、病院での勤務をおすすめします。病院でのリハビリであれば40分〜60分程度の時間をかけて行うことが多いため、こちらの勤務を検討してみましょう。

整形外科で働く理学療法士の特徴を知っておこう

整形外科を中心とした職場では、整形疾患に対するリハビリがおもな仕事です。職場によっても特徴が異なり、病院では入院患者さん、クリニックでは外来患者さんのリハビリを行います。

整形外科勤務の理学療法士には、整形疾患に対する知識や効率的なリハビリを行うスキルが求められます。ぜひ今回の記事を参考にして、整形外科での勤務も検討してみましょう。

【監修者コメント】
整形外科の現場は、動きを通して「人の生活を取り戻す」場所です。痛みの裏には、動けない不安や日常の不便があり、リハビリを通してそれを解きほぐしていくのが私たちの仕事です。大切なのは、技術よりも“観察と気づき”。目の前の一人が少しずつ動きを取り戻していく過程に寄り添えること──それこそが整形外科で働く理学療法士の醍醐味です。

著者プロフィール

内藤 かいせい

理学療法士

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

監修者プロフィール

寺澤 慶大

理学療法士

2007年に長野医療技術専門学校(現在の長野医療大学)を卒業。
長野県松本市にある一之瀬脳神経外科で10年、長野県松本市にある武内整形外科クリニックで4年勤務。
また、介護分野領域でも4年程度の経験あり。
その他、自費診療での施術やスポーツトレーナー等もおこなう。
現在は整体院を開業し、整体りびるど院長として様々なクライアントの悩みに寄り添う施術をおこなう。

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