理学療法士に適した服装は?仕事中・学会参加時それぞれの服装を解説
「理学療法士の服装には一定の決まりがあるのだろうか」。これから理学療法士として働く方や理学療法士を目指している方のなかには、そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。
理学療法士の服装に厳密なルールはありませんが、多くの施設では動きやすく清潔感のある服装や、職場の雰囲気に合った服装が求められます。就職前には、必ず職場の規定を確認しましょう。
この記事では、理学療法士が働く際の服装として代表的なケーシー、スクラブ、白衣の特徴や利点、着こなし方などを解説します。理学療法士が学会に参加する際の服装についても紹介するので、仕事中の服装でお悩みの方は、ぜひご一読ください。
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理学療法士の服装に決まりはある?
理学療法士の服装は、職場から指定されるのが一般的ですが、自分で服装を選べる職場も増えています。
理学療法士は、患者さまに直接触れながら治療や施術を行うことが多いため、最も気をつけたいのは清潔感です。また、リハビリ中はさまざまな体勢をとるので、動きやすいことも服装選びの大事な要素となるでしょう。
加えて、職場の雰囲気から浮かないよう、ほかの職員と服装を合わせることも大切です。服の種類や色などが大まかに決まっている職場もあるため、職場見学などを通して事前に確認しておくとよいでしょう。
理学療法士の仕事中の服装は?
理学療法士の仕事中の服装として代表的なのは、ケーシー、スクラブ、白衣の3種類です。以下では、それぞれの服装の特徴やメリットについて紹介するので、服装選びの参考にしてください。
ケーシー
理学療法士の仕事中の服装として、最もよく見られるのがケーシーです。ケーシーは、1960年代にアメリカで流行した医療ドラマ「ベン・ケーシー」のなかで、主人公のケーシーが着用していたことから、こう呼ばれるようになったと言われています。
タートルネックのような丸い立ち襟と短めの丈が特徴で、ほどよいフォーマル感があるため、理学療法士に限らず医師や看護師、作業療法士といった職種からも高い人気があります。
着脱がしやすい上に、ストレッチ性にも優れているため、運動リハビリなどでアクティブに動く理学療法士にはぴったりの服装と言えるでしょう。肩の部分でボタンを留めるデザインが一般的ですが、最近はファスナーつきのものも登場しています。
立ち襟や肩のボタンといったデザインにより、インナーが透けにくく、見た目の清潔感を保ちやすいというメリットもあります。
スクラブ
ケーシーと同じく、スクラブも理学療法士の着用率が高い医療ウェアです。スクラブはカジュアル感のあるVネックを採用しており、Tシャツのような感覚でゆったりと着用できる点にメリットがあります。上からかぶって着用するものが主流ですが、最近は前開きのタイプも増えてきました。
スクラブの語源は「ごしごし洗う」という意味の英単語「scrub」で、その名の通りごしごし洗っても傷みにくい丈夫な生地を使っているのが特徴です。もともとは手術衣として使われてきましたが、耐久性があって汚れに強く、着脱もしやすいことから、幅広い医療・介護現場で活用されるようになりました。
スクラブはカラーバリエーションが豊富で、職種やチームによって色分けできる点も魅力です。ただし、かがんだ際に胸元が見えやすいため、特に女性はインナーに気をつける必要があります。
白衣
白衣は、医療ウェアのなかでも特にフォーマルな印象のある服装です。一般的な医療現場で着用されるのは「ドクターコート」と呼ばれる丈の長いタイプですが、ほかにも腰丈ほどのショートコートや、着丈が短いジャケットタイプもあります。
白衣は白色で清潔感があるほか、ポケットが多く道具を持ち歩くのに便利です。また、長袖・ロング丈のものは広範囲に体をカバーできるため、薬品を扱う作業にも向いています。
白衣は医師の仕事着というイメージがありますが、他の医療職が着用するケースもあります。ただし、理学療法士の場合は、大学などの教育機関で働く方が授業の際に着る程度で、医療・介護の現場で勤務する方が着る機会はあまりありません。
理学療法士の服装の選び方
理学療法士は、物理的にも心理的にも患者さまとの距離が近い職業です。そのため、実用性はもちろん、患者さまに与える印象にも考慮して服装を選ぶ必要があります。理学療法士が仕事着を選ぶ際には、下記の点を重視しましょう。
- ・動きやすさ
理学療法士は、訓練内容に合わせてさまざまな体勢をとるため、動きやすい服装を選ぶことが大切です。動作が制限されるような服装を選ぶと、患者さまに提供するリハビリの質が下がる恐れがあるので注意してください。おすすめは、体の動きに合わせて伸縮するストレッチ素材のウェアです。軽量であれば、より動きやすさが増すでしょう。
- ・清潔感
前述したように、理学療法士の業務では患者さまに直接触れる機会が多いため、清潔感は重要なポイントとなります。こまめに洗濯して清潔さを保つ必要があるため、耐久性、防汚性の高い素材を選ぶとよいでしょう。ノンアイロンで着用できるものであれば、手入れに手間をかけずに清潔感を保てます。
- ・着心地
理学療法士の仕事着は毎日着るものなので、着心地のよさも大切です。肌触りがよいものや軽量のものを選べば、長時間着ていてもストレスを感じにくいでしょう。可能であれば、購入前に試着して着心地を確かめるのがおすすめです。吸汗速乾性や通気性の高いウェアであれば、汗をかいてもべたつかないので、快適な着心地を維持しやすくなります。
- ・視認性
理学療法士が活躍する職場では、医療職や介護士などさまざまな職業の方が働いているため、患者さまから見て「誰が理学療法士なのか」がひと目でわかるウェアを着るのが理想です。職業ごとに色の系統を決めるなどの工夫をすれば、それぞれの業務がよりスムーズになるでしょう。
- ・値段
理学療法士は体を動かす機会が多いことから、ウェアの生地が劣化しやすい傾向にあります。買い替える機会も多いため、気軽に買える値段のものを選ぶとよいでしょう。手に入りやすい価格であれば多めに所持できるので、清潔感も保ちやすくなります。
理学療法士が学会に参加するときの服装は?
理学療法士は、学会に参加する機会も多いものです。その際、「どんな服装で行けばよいのか」で悩むことのないよう、学会への参加に適した服装についても解説しておきましょう。
理学療法士が学会に参加する際の服装について、明確なルールはありません。学会発表を聞く側であれば基本的にスーツを着用する必要はなく、私服で問題ないでしょう。ただし、オフィスカジュアルを意識する必要はあります。
男性の場合はワイシャツにジャケット、チノパンという組み合わせがベターです。基本的にはノーネクタイで問題ありませんが、心配な場合はネクタイを持参し、必要に応じて着用するのがおすすめです。
女性の場合はパンツスタイルにブラウス、もしくはシンプルなワンピースなどを選ぶとよいでしょう。夏場でもスカート丈が短すぎる服装や、極端な肌の露出は控えるのがベターです。空調が苦手な方は、カーディガンなどを持参するようにしてください。
学会によっては、カジュアルな服装が多かったりスーツの人が多かったりしますが、「何を着るか」で迷った場合は、男女ともにジャケットスタイルを選ぶのが無難です。「場の雰囲気に合った服装をしたい」という場合は、参加経験者から事前に情報を集めておくとよいでしょう。ただし、どのような集まりであれ、服の汚れやシワ、傷みなどには気を配り、清潔感のある着こなしを意識してください。
一方、学会で発表する場合は、聞く側よりもあらたまった服装を意識するのが一般的です。男女ともにフォーマルなスーツスタイルがよいでしょう。
まとめ
理学療法士の主な仕事着にはケーシー、スクラブ、白衣の3種類があり、ケーシーはストレッチ性があり動きやすい点、スクラブは耐久性と速乾性が高い点が魅力です。白衣は、教育機関で働く理学療法士が着用するケースがほとんどなので、医療・介護の現場で活躍する方はケーシーかスクラブを選ぶのがよいでしょう。
理学療法士は患者さまと近い距離で業務を行うため、服装選びでは実用性だけでなく、清潔感にも十分配慮してください。加えて、着心地や視認性、価格にも気を配ることが大事です。
理学療法士は学会に参加することも少なくありませんが、その際はビジネスカジュアルを基本にするのがおすすめです。ただし、学会で発表する場合は、フォーマルなスーツスタイルを選ぶのがよいでしょう。
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※当記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています
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