理学療法士のおもな就職先は?働く場所を決める5つのポイントをご紹介!

文:内藤 かいせい(理学療法士)
理学療法士は身体機能に障害を抱えた方の機能回復をサポートする、人気が高いリハビリ専門職です。理学療法士の資格を勉強中または資格取得したてで、どのような場所で働けるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、理学療法士の具体的な就職先とその特徴、働く場所を決める際のポイントをご紹介します。理学療法士の働き方を考えて就職活動を行いたい方へ参考になれば幸いです。
目次
理学療法士のおもな就職先

理学療法士のおもな就職先として、以下があげられます。
- ・医療施設
- ・社会福祉施設
- ・介護関連施設
- ・教育研究施設
- ・訪問リハビリサービス
- ・行政関連施設
- ・一般企業
ここでは、それぞれの就職先の特徴を詳しく解説します。
医療施設
理学療法士にとって、医療施設は代表的な就職先です。
医療施設で働く理学療法士は、医師や看護師など他医療スタッフと連携しながら患者さんの機能回復をサポートします。
理学療法士のおもな仕事内容は、以下の3つです。
- ・患者や家族とのコミュニケーション
- ・機能訓練プログラムの立案
- ・リハビリの指導や支援
入院設備がある医療施設では、入院患者の体力低下を予防する体力維持訓練も行います。
各施設の特徴をみてみましょう。
病院
病院勤務の理学療法士は、おもに病気やケガが原因で身体機能に障害がある方の機能回復を行います。急性期病院や回復期病院など、種類によって患者さんの状態やリハビリの内容が大きく異なります。
診療所
診療所では、外来の患者さんがおもなリハビリ対象です。新しいリハビリプログラムを作成することが多くなるため、診療所で働く理学療法士は患者さんとのコミュニケーションが重要です。
リハビリテーションセンター
リハビリテーションセンターは、幅広い年齢の方にリハビリ医療を提供するための医療機関です。施設利用者は日常生活に支障がある方であり、理学療法士はコミュニケーションを取りながら機能回復に向けた訓練・指導を行います。
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社会福祉施設
運動機能に障害がある方のサポートを行う理学療法士は、社会福祉施設で働けます。社会福祉施設における理学療法士の仕事内容は、基本的に医療施設と大きく変わりません。
ただし、施設ごとにサービス提供の方針が異なるため、理学療法士はその方針を理解して機能回復を支援する必要があります。
児童福祉施設
児童福祉施設では、自分の体を思うように動かせない子どもの基本動作訓練がおもな仕事です。子どもは理学療法士の指示に従ってくれないケースもあるため、根気強く接することができる方に向いています。
リハビリの際は子どもを怖がらせたり、トラウマが残ったりしないよう配慮することが大切です。
身障者福祉センター
身障者福祉センターでは、車椅子の方や義肢・装具を付けた方に機能回復訓練や生活訓練を行います。利用者の方は自宅から通所しているため、本人や家族とよく話し合い、日常生活で支障が出ないように訓練を行うことが必要です。
デイケアセンター
デイケアセンターは、医師の指導によりリハビリを行う通所型施設です。理学療法士は利用者の送迎を行い、施設内で運動療法や物理療法を行います。
介護関連施設
介護関連施設で働く理学療法士は、加齢などの影響で日常動作が難しくなった方に機能回復訓練を行います。
介護士や作業療法士・言語聴覚士の方と情報共有しながら仕事を行うことも特徴です。
仕事内容は医療施設と同じであるものの、心身の健康状態の維持・改善がおもな目的となります。
高齢者介護施設
介護老人保健施設をはじめとした高齢者介護施設では、要介護高齢者の自宅復帰を目的とした看護・介護サービスを提供しています。基本的に入所期間が限定されているため、理学療法士は期間内に自宅復帰できるような訓練プログラムを組む必要があります。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、自宅生活が困難な高齢者に介護サービスを提供する施設です。利用者の入所期間制限がなく、高齢者にとって終の棲家となることもあります。理学療法士は高齢者が楽しく過ごせるよう、機能訓練のほかにレクリエーションも行うことが特徴です。
在宅介護支援事業所
施設入所ではなく自宅で介護を受けたい方のために、在宅介護サービスを提供する施設です。担当のケアマネジャーが利用者にあったケアプランを作成し、理学療法士はその内容に応じた機能訓練を行います。
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訪問リハビリサービス
訪問リハビリサービスは、利用者の自宅に直接訪問してリハビリを提供するサービスです。おもに病気やケガなどで通院が難しい方が対象であり、訪問看護ステーションや病院・介護施設に併設された事業所で勤務します。
訪問リハビリの特徴は、実際の生活環境にあわせて実践的なリハビリができる点です。病院とは異なり、自宅にある玄関の段差やトイレなどを使って、生活に直結した動作を練習できます。
訪問リハビリでは、基本的に理学療法士が1人で車や自転車を使って利用者さんの自宅へ伺います。医師や看護師がいない環境のため、利用者の体調変化に気づく観察力や、緊急時に適切な判断を行うリスク管理能力が求められます。さらに、介護をする家族の悩みを聞いたり、負担の少ない介助方法を指導したりするコミュニケーション能力も欠かせません。
教育・研究施設
理学療法士が活躍できる場は、教育・研究施設にもあります。
教育機関では専門学校や特別支援学校で教鞭を取り、研究分野は理学療法に関わる技術研究など、働き方は多彩です。
勤務する施設によって求められる能力や働き方が異なるため、施設ごとの特徴を把握しておきましょう。
理学療法士養成校
理学療法士を目指す学生を対象に、国家試験に合格するための授業や実技の指導などを行います。勤務する理学療法士は学生に教える立場であるため、一定の現場経験や実績が必要です。
研究施設
大学などの研究施設で、医療機器や理学療法技術の研究・開発を行います。研究成果は販売される製品や論文発表として形となり、さまざまな人の役に立つことが魅力です。
ただし、リハビリや機能訓練に直接関わることは少なくなります。
特別支援学校
特別支援学校で働く理学療法士は、障害を持つ生徒に対する支援者としてだけでなく、教員としても関わります。理学療法士が特別支援学校に入職するためには、特別免許状または自立活動教諭免許の取得が必要です。
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行政関連施設
保健所や役場などの行政関連施設も、理学療法士の需要があります。
行政関連施設で働く理学療法士は、地域住民の福祉相談やリハビリ指導などがおもな仕事内容です。
なお、行政関連施設で働く場合は公務員となるため、公務員試験を受ける必要があります。
保健所
保健所で働く場合は、事務仕事や地域の方に対してのリハビリを行うこととなります。開催されるリハビリ教室の指導も仕事の一つです。
保健センター
保健センターは地域住民の健康推進を目的として、健康診断や保健指導などを行う施設です。理学療法士は在宅療養の方を訪問し、訓練方法や口腔衛生・生活環境などを指導することもあります。
都道府県庁・市町村役場
都道府県庁や市町村役場で働く理学療法士は、事務仕事のほかにリハビリ相談なども受け付けています。
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一般企業
理学療法士の中には、医療・介護施設や研究施設だけでなく、一般企業で活躍する人も一定数います。
一般企業で働く理学療法士は、高年収を目指しやすいことが特徴です。
以下に紹介する業種以外にも、住宅メーカーや出版社など、理学療法士が活躍できる場は豊富に用意されています。
医療機器メーカー
高齢者用の医療機器やリハビリ用品を開発する医療機器メーカーにおいて、理学療法士は高い需要があります。製品使用者の健康・利便性を損なわない製品開発を行うことが、理学療法士の役割です。
スポーツトレーニング施設
スポーツトレーニング施設における理学療法士の仕事内容は、施設利用者のリハビリやケガ予防です。動作分析と評価を行い、動作改善により利用者のパフォーマンス向上をサポートします。
スポーツチーム
スポーツチームでは、理学療法士はスポーツトレーナーとしてチームを支えます。スポーツトレーナーは選手の指導・ケアを中心に行うため、運動学や該当スポーツに関する高度な知識が必要です。
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このように、理学療法士は職場によって働き方はもちろん、給料や福利厚生も大きく異なります。
まずは「自分が理学療法士として、どのように活躍したいか」という目的を明確にしたうえで、希望の働き方を実現できそうな就職先を選ぶことをおすすめします。
理学療法士が働く場所を決める際の5つのポイント

理学療法士が働く場所を決める際は、以下の5つのポイントを意識することが大切です。
- 1.自分のしたいことを明確にしておく
- 2.具体的な仕事内容をチェックしておく
- 3.希望する職場の雰囲気や設備を確認しておく
- 4.待遇面をチェックしておく
- 5.今後のキャリアプランも考えておく
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1. 自分のしたいことを明確にしておく
1つ目は、自分のしたいことを明確にしておくことです。働く場所には病院や介護施設などたくさんの選択肢があるので、自分の目的が決まっていないと、どこで働くべきか迷ってしまいます。
「どんな患者さんの役に立ちたいのか」「どのようなリハビリに関わりたいのか」など、自分の興味や関心をあらためて見直してみましょう。やりたいことが明確になれば、自分にあった職場を絞り込みやすくなります。就職後に後悔しないためにも、まずは自己分析をしっかりと行ってみましょう。
2. 具体的な仕事内容をチェックしておく
2つ目は、働きたい職場が決まったら具体的な仕事内容をよく調べておくことです。職場によって、リハビリの進め方や対象となる患者さんは大きく異なります。そのため、職場のイメージだけで決めてしまうと、入職後の業務内容にギャップを感じる可能性があるでしょう。
仕事内容をチェックするためには、施設のホームページを調べる、職場見学で質問するなどの方法があげられます。職場に関する情報を徹底的に集めておけば、理想に近い環境で働けるようになるでしょう。
3. 希望する職場の雰囲気や設備を確認しておく
3つ目は、希望する職場の雰囲気や設備をチェックしておくことです。職場によっては人間関係がギスギスしていたり、十分なリハビリ機器がなかったりする場合もあります。そのため、求人票やネットの情報だけで判断せず、実際に現場で確かめることが大切です。
就職・転職前に必ず職場見学に参加し、スタッフ同士の会話や設備などを確認しておきましょう。雰囲気がよく、設備が整っている環境であれば、やりがいを持ちながら仕事に専念しやすくなります。
4. 待遇面をチェックしておく
4つ目は、仕事内容だけでなく待遇面もチェックしておくことです。自分にあった仕事内容だとしても、待遇面に不満があると長く働き続けることが難しくなります。
具体的には、以下のような項目を確認する必要があります。
- ・資格手当や住宅手当などの各種手当
- ・年間の賞与
- ・福利厚生
- ・休日日数や形態
- ・有給休暇のとりやすさ
- ・月の平均残業時間
求人票の情報を確認するのはもちろん、疑問点があれば職場見学や面接などの場で質問して、納得したうえで入職を決めましょう。
5. 今後のキャリアプランも考えておく
5つ目は、今後のキャリアプランもしっかり考えておくことです。将来のビジョンを持っておけば、自分に必要な経験やスキルが積める環境を選びやすくなります。
たとえば、「専門的な資格を取得したい」と考えているなら、教育制度が充実している職場がおすすめです。「地域医療に貢献したい」「在宅ケアのスペシャリストになりたい」という目標があるなら、訪問看護ステーションや地域密着型の施設で働くのがよいケースもあります。
また結婚や子育てなどの際に、仕事と両立できるかを早いうちから考えておくことも大切です。将来のなりたい自分を具体的に想像し、その目標に近づけられる職場かどうかを検討してみてください。
まとめ
理学療法士は身体機能が低下した人にリハビリを提供する職業であり、さまざまな働く場所があります。
求人募集が見つかりやすい就職先は、医療施設や社会福祉施設・介護関連施設です。
利用者に寄り添ってリハビリを行えるため、理学療法士のやりがいを感じやすい働き方といえるでしょう。
一方で、理学療法士は研究施設や一般企業でも活躍できます。ここまでの内容を参考に、ぜひ自分にあった働き方ができる職場を探してみてください。
参考
著者プロフィール

内藤 かいせい
理学療法士
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部
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