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理学療法士として働く女性の現状は?男女比の割合と転職の進め方

公開日:2018.11.30 更新日:2021.03.04

文:伊東浩樹  理学療法士・ NPO法人
地域医療連繋団体.Needs 代表理事


近年、養成校の増加に伴い、理学療法士数も年々増えており、なかでも女性の資格取得率が高まっています。

国家試験開始直後には男性理学療法士が全体の90%を占めていましたが、2018年時点で理学療法士の男女比は6:4となり、女性の活躍が目立つようになりました。

今回は女性理学療法士ならではの働き方に注目し、転職を考える時のアピールポイントをまとめます。

女性理学療法士の誕生といま

病院内だけでなくさまざまな職域での活躍が期待されている女性理学療法士ですが、初めて誕生したのは1970年のことでした。

当初はたったの113人で全体の1割程度。その後、1990年代以降に理学療法士の養成校の開設が急増したことに伴い、性別を問わず資格取得を目指しやすい環境が整いました。

また、社会変化に合わせて女性理学療法士のニーズも高まった結果、平成28年度には資格取得者が3万8千人を超えています(累積人数)。

ライフステージによって変わる女性理学療法士の働き方

理学療法士に限らず、女性が働き続けるうえで大きな分岐点となるのが結婚と出産のタイミングです。とくに、体力勝負になりやすい理学療法士の仕事は、妊娠時の負担になりやすく、妊娠を機に働き方を見直す女性も多いかもしれません。

理学療法士協会のデータによると、20代で就業した理学療法士の就業率は性差関係なく約90%。男性は定年となる60歳までの就業率には、ほとんど変化がありません。

しかし、同じ条件であっても女性理学療法士は31歳以上からの就業率が約80%に低下しています。その後、46歳から55歳までの期間で就業率がやや上昇していることから、子育てなどの家庭環境が落ち着いた後、復職に至ったのではないかと考えられます。

退職に至らずとも、家庭や子育てと両立するために働き方を変える人も多いでしょう。

たとえばフルタイムからパートに変わったり、シフト勤務になりやすい病院を避けて、固定時間で働ける介護施設を選んだりなどです。

いずれにせよ、女性がキャリアプランを考えるうえで「結婚」「妊娠・出産」「子育て」などの期間でどれだけ柔軟に対応できるかが、より良いキャリアパスを考えるポイントになります。

また、専門性が高い理学療法士という職種は、ブランクがあったとしてもそれまでの経験をいかして再就職が可能です。

超高齢社会のなかで、ますます理学療法士の需要は増えており、子育て中の休職期間を経たとしても、復帰できる場所は多くあります。とはいえ、将来的なキャリアプランを考えるうえでは、「ブランク後にどのような働き方をするのか」まで、休職前の段階でしっかり考えておいた方がよいでしょう。

女性理学療法士の活躍が注目される転職先

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より条件の良い職場から採用されるためにも、自分ならではのアピールポイントを知っておくとよいでしょう。

たとえば、女性理学療法士だからこそ女性の患者さんに抵抗感をもたれずできる丁寧なリハビリといった強みもそのひとつです。

女性の患者さんは、リハビリも女性に担当してほしいと考える人が少なくありません。女性患者が多い病院や施設への転職は、それまでの経験だけでも十分に有利といえるでしょう。

女性は平均寿命が男性より長く介護・リハビリを受ける人数がこれからも増えることが予想されます。また、男性とは違う経験を活かした視点でアプローチが可能なため、小児や高齢者の分野でも女性理学療法士が好まれる傾向にあります。

加えて、近年注目されている排尿ケアへのリハビリテーションにおいても、女性理学療法士ならではの強みが発揮されるでしょう。平成28年の診療報酬改定により、下部尿路機能障害を持つ患者さんに対するケアの評価が「排尿自立指導料」として算定されるようになりました。各医療機関では、他職種で構成される排尿ケアチームを結成し、チーム内には理学療法士も含まれます。

本来、排尿ケアチームに加入する理学療法士は男女どちらでも構いません。しかし、女性患者さんを担当する場合は通常、男性よりも女性の方が好ましいといえます。デリケートな問題に対応できる女性理学療法士として、転職先での働き方を考えてみましょう。

このように、多くの臨床現場で排尿ケアに関する知識と経験を高めることで、転職先でのアピールポイントにもなりえます。妊娠出産による休職期間を考えたとしても、専門的な強みがあることでキャリアパスも描きやすくなるでしょう。

自分の能力と環境を考えながら働く

これからますます、女性理学療法士の需要が増えるとともに、有資格者数も増加していくことが予想されます。ライフステージによって、働き方を見直す必要もありますが、専門的な職種である理学療法士は、ブランクがあっても復帰が可能です。

早い段階で新しい分野にチャレンジしたり、女性としてのワークライフバランスを考えたりしながら、より良い働き方を選んでいきたいものです。

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