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大腿骨頚部骨折への手術方法の違いによるリスク、注意点とは?2017.01.20

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理学療法士として担当する症例のなかでも、よく目にするもののひとつが「大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)」です。治療は手術適応となることがほとんどですが、手術方法の違いによってリハビリ時に注意するべき点が異なることをご存知でしょうか? 骨接合術、人工骨頭置換術(じんこうこっとうちかんじゅつ)など、それぞれの術法に対する利点や欠点も含め、術後リハビリで注意したいポイントについて考えてみましょう。

大腿骨頚部骨折について

大腿骨頚部骨折は、高齢者に非常に多い骨折です。原因として、高齢による骨密度の低下をはじめ、高齢者が転倒しやすいこと、転倒した際にとっさに手が出にくいこと、大転子(だいてんし)が体の他の部位より突出しており、転倒時に受傷しやすいことなどが挙げられます。また、骨折の際に付近を通る栄養血管も一緒に障害される場合が多いことや、立位時、重力による骨折部への剪断力(せんだんりょく)が加わる影響で、骨折部にズレが生じやすくなるため、自然治癒が困難な骨折とされています。その結果、保存療法での治癒が見込めないため、ほとんどが手術適応となります。手術方法は大きく分けて2つあり、骨接合術と人工骨頭置換術のどちらかが行われます。この2つの手術方法には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか? それぞれの特徴や注意点について確認してみましょう。

骨接合術

骨折による転移が少ない場合に選択される「骨接合術」。金属のピンやプレートを使用し、骨折部を固定する方法で、手術時の侵襲(しんしゅう)が少ないことが利点です。手術侵襲は少なければ少ないほど、術後の疼痛(とうつう)や筋力低下の早期改善につながりますし、感染の危険性も減らすことができます。ただし、骨密度が低下している患者さんでは固定が十分に得られないことや、人工骨頭置換術に比べると早期に全荷重が行えないという欠点もあります。偽関節や大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)などの合併症を発症することもあり、リハビリでも注意が必要です。

そうしたリスクを軽減するために、リハビリ前に荷重量、荷重時期を主治医へ確認し、その指示の範囲の中で患側に荷重を行っていくことが大切です。またレントゲン画像をこまめに確認し、骨折部の状態を把握、患者さんが訴える疼痛のレベルと合わせて、カットアウトや合併症の早期発見に努めることを心がけましょう。

人工骨頭置換術

「人工骨頭置換術」は、骨折による転移が大きい場合に選択される手術です。文字通り、骨折した骨頭を取り除き、金属やセラミックでできた人工の骨頭に置き換える術式となります。利点として、術直後より荷重が可能となること、骨接合術ではリスクとなる偽関節や骨頭壊死などの合併症がないことが挙げられます。

この手術方法の欠点としては、関節の脱臼(だっきゅう)リスクがあることや、手術侵襲が骨接合術と比較して大きいこと、人工骨頭の長期の使用により、ゆるみが生じる可能性があることが報告されています。それにより脱臼が発生した場合、徒手的に整復できなければ再手術となることもあり、リハビリでも特に気をつけなければいけません。

脱臼肢位は手術のアプローチ方法により変わるため、主治医やカルテから確認し、リハビリ中はもちろん、入院期間中も負担になるような姿勢をとらないよう、患者さんへの指導が必要です。また高齢者では骨密度の低下により、挿入した骨頭の沈み込みが起こる場合もあります。脚長差の原因となり、歩行の不安定性につながるため、早期発見が求められます。術直後のレントゲン画像と最新の画像を見比べながら、疑わしい所見が見られる場合は速やかに主治医に報告、相談しましょう。

骨折以前の歩行能力を再獲得するために

つえや歩行器を使用するとしても、また自分の足で歩けるようになりたいと思う患者さんは多いものです。患者さんの思いにこたえるためにも、リスクをできるだけ減らしながら、安全なリハビリを提供していきたいですね。

 

【参考URL】

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