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コルセット装着によって筋が弱る!? 継続使用が体幹筋活動に及ぼす影響について2016.11.14

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腰痛や圧迫骨折に処方されるコルセット。疼痛の軽減に効果がありますが、長期間の使用は体幹筋の筋力低下を招き、結果として痛みを助長してしまうこともあります。コルセットを装着すると体幹筋の活動にどのような影響があるのか、その効果や注意点について改めて理解しておきましょう。

コルセットの効果

コルセットを装着することで、得られる効果は以下の2つです。

  1. 運動の制限
    腰痛は疼痛部位が動くことで生じるため、脊椎の運動を制限すると疼痛は軽減する。
  2. 固定性の向上
    コルセットにより腹圧が上昇し体幹の固定性が強くなることで、疼痛部位にかかる負担を減らし疼痛を軽減する。

このように、コルセットは疼痛軽減に効果を発揮します。
また、一般に販売されているゴムやメッシュ素材の簡易なもの、医療機関で処方される固定性に優れた軟性のダーメンコルセットやさらに強固な硬性のフレームコルセットなど種類によって固定性は異なります。骨折を伴わない腰痛であれば簡易なものを、圧迫骨折であればダーメンやフレームコルセットをといったように、コルセットが用途に合っているか確認が必要です。

コルセット利用の注意点

疼痛軽減に有効なコルセットですが、メリットだけではなく、体幹筋力の低下を招くというデメリットもあります。普段は脊柱を中心に腹筋や背筋によって支えられている体幹ですが、コルセットがその代わりをすることで筋の廃用が進行します。体幹筋力が低下すると、筋による固定性が低下し疼痛が増します。結果、コルセットが手放せない状況になり、常用することでさらなる筋力低下、そして疼痛の悪化……と悪循環に陥ってしまうことになるのです。
こうしたケースは、患者さんだけではなくセラピストや医療従事者にも当てはまります。患者さんの介助による腰部への負担は大きく、腰痛をかかえてコルセットを使用しながら働くセラピストは多いのですが、毎日使っているうちにコルセット依存になることも。このような事態にならないよう、コルセットは疼痛が強い急性期や腰部に負担のかかる動作時のみ使用し、疼痛が軽減した場合にはこまめに外すといった対応が必要です。

鍛えるべき筋肉

コルセットを長期間使用することで起こる筋力の低下は、セラピストなら見逃せない状態です。コルセット未使用時と比較すると、コルセットの使用中には腰部安定化運動における内腹斜筋と腹直筋の筋活動量の低下が見られたという、川崎医療福祉大学の研究報告があります。
腰痛の原因を考えると、内腹斜筋は特に優先的に鍛えなければならない筋肉であるといえます。腹圧を高めるとともに、日常生活でよく行うねじれを伴った体幹の運動に必要な筋肉で、コアマッスルである腹横筋と併せてしっかりとトレーニングしたい部位です。
腰痛予防や改善に向けて筋肉を鍛えるとき、通常の腹筋運動に取り組む人は少なくありません。しかし、一般的な腹筋運動では腹直筋が優位に働くため、内腹斜筋や腹横筋を効率よく鍛えられません。腹筋運動に身体のねじりを加えることで、腹斜筋を鍛える方法もありますが、どちらの場合も過負荷になりやすく、疼痛を助長してしまう可能性すらあります。

体幹を維持するためには腹斜筋や腹横筋の刺激を意識し、背筋を伸ばした姿勢の保持や呼吸を意識しながら腹部を凹ます「ドローイン」に取り組むのが有効でしょう。
ドローインはとても簡単にできる方法です。手のひらを腹部にあて、筋の収縮を確認しながらおなかを凹ませます。呼吸を止めずに凹ませた状態を約30秒間キープさせる運動を4~5回行うだけ。短時間でできるので、リハビリに取り入れてみましょう。

コルセットに依存しない生活を

筋の代わりに体幹を支え、疼痛を軽減してくれるコルセット。常時つけ続けることにはリスクもありますが、患者さんの治療に役立て、上手に使っていきたいですね。

 

【参考URL】

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