医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報

セラピストプラス

マイナビコメディカル
マイナビコメディカル

医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報

セラピストプラス

作業療法士の初任給はいくら?就職先での違いと年収アップのポイント

公開日:2021.05.28

作業療法士の初任給

文:田口 昇平
(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)

作業療法士になり、仕事へのモチベーションを考えたとき「どのくらいの初任給をもらえるのか」気になる人も多いのではないでしょうか。実は作業療法士は職場によって、給料に差がつきやすい職業です。

初任給が高い職場で働くことができれば、研修会に参加したり、専門書籍を購入したりする金銭的な余裕もでき、スキルアップもしやすくなります。

今回は、作業療法士の初任給の相場を紹介するとともに、給与の高い職場を選ぶポイントについて解説します。

作業療法士の初任給の平均は約23万円

まずは、作業療法士の初任給の相場を見てみましょう。

厚生労働省が発表する「賃金構造基本統計調査(令和元年)」を参考に、作業療法士と一般社会人の給料を比較してみましょう。

公的機関の調査には作業療法士1年目のみのデータはありません。そのため、ここでは新卒世代となる20~24歳の平均月給のデータを参照しています。そして作業療法士にあわせて、一般社会人のデータも20~24歳を参照しました。
20~24歳の
所定内給与額※1
20~24歳の
平均年収※2
作業療法士(男)※3 22.98万円 279万6500円
作業療法士(女)※3 22.79万円 276万1700円
一般 高校卒 19.41万円 236万100円
一般 大学・院卒 22.32万円 270万6000円

※1:経験年数0年目
※2:経験年数0年目かつ20~24歳の「所定内給与額」12カ月分を乗算し、「年間賞与その他の特別給与額」と合算したもの
※3:理学療法士と作業療法士の合算項目

表のとおり、作業療法士の初任給は一般社会人の平均に比べ、やや高い水準です。

記載した金額は、健康保険料・厚生年金保険料・所得税・住民税などが含まれます。これらを引いた額が「手取り(実際に受け取れるお金)」となるため、たとえば月給が約23万円であれば手取りは約19万円となります。

それでは作業療法士としてキャリアを積んでいくと、どのくらいの年収を目指すことができるのでしょうか?

同じく賃金構造基本統計調査(令和元年)から、作業療法士全体の平均年収も確認しておきましょう。作業療法士全体の平均月収は28万7,500円(平均年齢33.3歳、平均勤続年数6.2年)。賞与を加えた平均年収は約410万円でした。

この金額はあくまでも平均値であり、職場やキャリアにより年収も大きく変わります。例えば病院の作業療法士であれば、役職やチームリーダーにつくことで、年収が数万~数十万円違ってくることもあります。作業療法士として自分の理想とする収入を得るためには、キャリアアップを図っていくことが大切です。

>>マイナビコメディカルの「作業療法士の求人ランキング」で給料相場をチェックする

作業療法士の初任給は施設形態で変わる

作業療法士の初任給は、病院や介護施設など、就職先の施設形態でも異なります。

一般的な傾向として、病院に比べると、介護施設のほうが給与の高い職場が多いでしょう。ただし、作業療法士としてのスキルアップを考えれば、必ずしも給与が高い職場に就職するのがベストな選択とは限りません。

自分がどのようなリハビリをおこなっていきたいのかを考え、将来的なキャリアプランを見据えながら、就職先を選ぶことが重要です。

勤務地によっても、給料に大きな差がある

作業療法士の平均月給は、勤務地の都道府県によっても異なります。厚生労働省の「労働統計年報(平成29年)」によれば、同じ医療・福祉分野で働く人でも、北海道では平均月給が約33.2万円であったのに対して、鹿児島県は約23.8万円でした。

作業療法士も勤務地の都道府県が変わるだけで、年収が数万~数十万円も変わるケースがあります。給料条件の良い職場に就職するために、色々な地域の求人情報をチェックしてみるのもおすすめです。

作業療法士が給料の高い職場を選ぶ際の3つのポイント

続いて、給料の高い職場を選ぶために知っておきたい3つのポイントについてお伝えします。

①基本給が高い

作業療法士の給与で、もっとも重要なのは基本給です。なぜなら、賞与や残業代は、基本給をもとに計算されるからです。給料の高い職場を選ぶ際は、収入の土台となる基本給をチェックしてみましょう。

②賞与の支給額が多い

職場によって賞与にも差があります。1年間に月収の1~3カ月分の賞与が支給される職場がある一方で、賞与が全くない職場もあります。

これでは基本給が同じでも、年収に大きく差がついてしまいます。求人情報をチェックする際には、賞与の支給額にも注意が必要です。

③昇給率が高い職場を選ぶ

医療機関や介護施設では、昇給率も大きく異なります。作業療法士の場合、毎年の昇給額が1万円の職場もあれば、昇給額が1000円に満たないケースもあります。希望する就職先の昇給額は、どの程度かも知っておくと良いでしょう。

ただし求人情報には記載されない情報であり、情報収集は難しいです。採用選考の段階では尋ねにくい質問でしょう。

もし応募の段階から職場の情報を知りたい際は、転職エージェントを利用がおすすめです。第三者である転職アドバイザーが仲介に入り、相談にのってくれるでしょう。

>>マイナビコメディカルの転職サポートとは(利用無料)

作業療法士が年収アップするための3つのポイント

作業療法士の初任給

もしいまの職場で年収をアップしたい場合は、どのような方法があるのでしょうか。ここからは年収アップのための3つのポイントについて紹介します。

①医療・介護系の資格を取得する

資格手当が充実した職場では、作業療法士のほかに医療・介護系の資格を持っていることで、収入がアップすることもあります。例えば、ケアマネジャーや福祉住環境コーディネーターを取得すれば、リハビリの専門性が高い人材として、職場によっては数千円~1万円程度の「職務手当」などが支給されるケースがあります。

【関連記事】
福祉住環境コーディネーターとは?仕事内容・資格・できること

②副業する

近年では、副業を許可する医療機関や介護施設が増えています。年収アップを目指したい人は、週に1~2回、休日を利用して副業するもおすすめです。例えば、デイサービスや訪問リハビリでは、非常勤の職員を募集する事業所が多くあります。

副業によって、リハビリのキャリアも増えるでしょう。ただし、無理をすると心身に負担をかけてしまいます。本業とのバランスを考えながら実行しましょう。

【関連記事】
作業療法士におすすめの副業4選!資格を活かす働き方で収入アップを

③転職する

年収アップを目指しているけれど、現状のままでは変化が感じられない場合には、転職するのもひとつの方法です。作業療法士のキャリアをうまく活かせれば、より良い条件の職場で働くこともできるでしょう。

キャリアプランを見据えた就職先を選ぼう

新人の頃は、基本的な知識やスキルを身につけるための重要な時期です。たしかに、年収が高いほど仕事へのモチベーションも維持しやすくなりますが、それだけで仕事は続きません。就職先を決める時には、年収だけでなく、今後のキャリアを考えることも大切です。

例えば、将来的に老人保健施設で働きたいなら、まずは回復期病院でリハビリの基本的な技術を学ぶのも良いでしょう。また、訪問リハビリで働きたい方は、利用者さんの急な状態悪化にもひとりで対応できるように、急性期病院でリスク管理を学んでおく必要があるかもしれません。

理想とするリハビリをできるようにするためには、必ずしも給料が高い職場を選ぶことがベストとは限りません。どのようなリハビリをおこないたいのか、将来的なキャリアプランを考えながら、就職先選びは慎重に行いましょう。

関連記事

理学療法士の初任給はいくら?就職先での違いと年収アップのポイント
【決定版】作業療法士の給料・年収の実情|高収入を狙うためにできること

参考

賃金構造基本統計調査(令和元年)
労働統計年報(平成29年)

田口 昇平(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)
2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境づくりなど、幅広いテーマで執筆。心理学・脳科学分野の書籍を愛読し、学んだ内容をブログやSNSで情報発信している。
今よりさらに良い環境で働けるよう
キャリアドバイザーが全力でサポートします
\今すぐ1分で完了/

    <PR>マイナビコメディカル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  LINEで送る

他の記事も読む

おすすめ

TOPへ