理学療法士のキャリアプラン例4つを紹介|キャリア形成の方法も

更新日 2023年05月18日 公開日 2023年05月18日

#情報収集 #転職検討/準備

理学療法士として働いていると、「自分はこれからどのようなキャリアを目指していけばいいのだろう」と悩む場面もあるのではないでしょうか。リハビリ職のキャリアには、大きく分けて「スペシャリストになる」「ジェネラリストになる」「知識・スキルを生かして転職する」「起業する」という4つのパターンがあります。

当記事では、理学療法士の4つのキャリアプランが、それぞれどのようなものかを具体的に解説します。キャリアプランの例からご自身の適正を知り、今後どのようなキャリアを歩むべきかを考えるきっかけにしてください。

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理学療法士のキャリアプラン例4つを紹介|キャリア形成の方法も

理学療法士のキャリア(1)スペシャリストを目指す

スペシャリストとは、各症状への理解を深めたり、リハビリテーションの技術を高めたりしながら、「特定の分野における専門性」を持った理学療法士を目指すキャリアです。近年では、リハビリだけでなく、トレーニングを専門とする理学療法士の方も増えており、スペシャリストとして専門性を高める分野は、人によってさまざまです。

勉強し続けることが好きな方や、この先も臨床現場で患者さまと関わり続けたいと思っている方は、スペシャリストに向いているでしょう。ここからは、スペシャリストになるための方法について解説します。

技術を磨き、資格を取得する

専門的な技術と知識を身につけるためには、自分の高めたい分野に関する資格を取得するのも1つの方法です。理学療法士の資格だけでなく複数の資格を取得すると、施術の幅を広げたり、キャリアの選択肢を増やしたりすることにつながるでしょう。

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リハビリや介護に関わりたい方が、キャリアアップを目指す際におすすめなのは、「福祉住環境コーディネーター」「介護支援専門員」の資格です。また、スポーツ領域に興味のある方は「健康運動指導士」「JSPO-AT」などの資格を取得すると、自身の成長につながるはずです。

福祉住環境コーディネーター

医療や福祉、建築についての幅広い知識を生かしながら、高齢者や障害を持つ方が住みやすい環境を提案するのが、福祉住環境コーディネーターです。住宅をリフォームする際や、福祉用具を貸与・購入する際のアドバイスなどもできるため、在宅復帰を目指す患者さまに寄り添った理学療法士になれるでしょう。福祉住環境コーディネーターに受験資格などはないため、比較的容易に受験できます。

(出典:東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験®とは」/https://kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi/about/

介護支援専門員

要支援・要介護の方の相談に対応し、適切なケアやサービスを受けられるように、ケアプランを作成する資格です。一般には、ケアマネジャーと呼ばれています。

理学療法士が介護支援専門員の資格を取得すれば、他の職種の方とよりスムーズに情報共有を行ったり、退院後の患者さまに適切なサポートを行ったりすることができるでしょう。介護支援専門員の資格取得には、理学療法士の資格を取得した上で、介護にかかわる実務を5年以上行い、都道府県が主催する実務研修を受講する必要があります。実務研修には受講するための試験があり、合格率が10%台の年も多いため、難易度は高めです。

(出典:福祉医療機構「介護支援専門員(ケアマネジャー)」/https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job07.html

健康運動指導士

健康運動指導士とは、保健医療関係者と連携しつつ、安全で効果的な運動を行うためのプログラムを作成したり、指導を行ったりする専門職です。近年では、スポーツの現場だけでなく、病院や介護施設で活躍する方も増えており、さまざまな現場で役立つ資格と言えそうです。理学療法士の方が健康運動指導士を目指すには、104単位コースの講習を受講し、認定試験に合格する必要があります。

(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/index.html

JSPO-AT

日本スポーツ協会が公認しているアスレティックトレーナーのことで、スポーツドクターやコーチと連携しながら、スポーツを行う方々の安全・安心を確保し、パフォーマンスを向上させるための支援を行います。また、スポーツ活動中の外傷や障害を予防したり、選手のコンディションを整えたりする役割も担っています。資格の取得には、日本スポーツ協会が行う講習の受講が必要です。

(出典:公益財団法人日本スポーツ協会「アスレティックトレーナー」/https://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid218.html

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大学院に進学する

大学院に進学することで、より専門性の高い知識と研究方法を学ぶことができます。理学療法士としてのスキルを磨きたい方はもちろん、専門分野の研究を行いたい方や、理学療法士を育成する教員を目指す方にも有効な選択肢です。

理学療法士の大学院進学率は6.3%であり、ほとんどの方は養成学校を卒業した後に臨床の現場で活躍します。大学院に進む人はまれなため、大学院で身につけた専門性や論理的思考力は、将来のキャリアを築く上で大きなメリットになるでしょう。

(出典:一般社団法人全国大学理学療法学教育学会 「「大学院における理学療法教育の課題と将来展望」に関する答申書」/http://www.pt.ipu.ac.jp/zenkokudaigakuPT_HP/PDF/PTgraduatesschool_report2015.pdf

もし、働きながら大学院に通う場合は、仕事と勉強を両立させる忙しい生活を送ることになります。学費も決して安くはないため、モチベーションを保つために「自分は大学院で何を学びたいのか」「何を研究したいのか」など、目的を明確にしておく必要があるでしょう。

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理学療法士のキャリア(2)ジェネラリストを目指す

ジェネラリストとは、施設のリハビリテーション科長や施設長など、管理職として働くキャリアのことで、マネジメントに興味がある方や、幅広い知識を身につけたい方に向いています。

リーダーとして現場をまとめるには、他職種ときちんと連携するためのコミュニケーション能力や、部下の信頼を得るための人間力が必要です。また、後輩を指導することもあるため、理学療法士としての業務スキルも身につけておく必要があります。

キャリアパスが設定された職場で長く働きながら、スキルを身につけ、職場の経営層から信頼してもらえるように心がけることが、ジェネラリストを目指す際のポイントと言えるでしょう。

理学療法士のキャリア(3)知識・スキルを生かして転職する

理学療法士の中には、理学療法の知識やスキルを生かしながら、一般企業で働いている方もいます。

(出典:公益社団法人 日本理学療法士協会「統計情報」/https://www.japanpt.or.jp/activity/data/

高齢化が進む日本では、近年リハビリに対する注目度が高まっており、理学療法のスキルを持つ人材の需要も増しています。そのため、理学療法が一般企業で働く場合は、ハウスメーカーに勤務して住宅のリフォームに関わったり、医療機器メーカーや物理療法機器の販売会社で経験を生かしたりと、幅広い選択肢が考えられます。「理学療法士として働くうちに、他の職種に興味がわいてきた」という方であれば、転職もキャリアプランの1つでしょう。

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理学療法士のキャリア(4)起業する

理学療法は医師の指示のもとに行うものであり、理学療法士に開業権は認められていません。しかし、資格が不要な別の事業(整体院やリラクゼーションサロンなど)で起業して、そのなかで理学療法士の知識を生かしたり、開業権のある他の資格を取得して、整骨院やマッサージ店を開いたりすることはできます。

キャリアプランの1つとして開業を目指す際には、大きく3つの選択肢があります。

  • ●デイケアや訪問介護ステーションの事務所を開設する

    デイケアや訪問介護ステーションを開業して、機能訓練を提供すれば、理学療法士の知識を生かして独立することが可能です。事務所を開設する際は、法人を設立した上で、自治体の指定を受ける必要があるなど、さまざまなハードルがあります。

  • ●整骨院を開業する

    柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師には開業権があるため、ダブルライセンスを取得すると、整骨院やマッサージ店を開業することができます。ただし、開業権のある資格で起業した場合、理学療法そのものは提供できない点に注意が必要です。

  • ●フリーランスのトレーナーとして働く
    店舗を持たず、フリーランスのトレーナーとしてフィットネスクラブやジムなどと契約することでも独立できます。近年は健康意識の高まりから、1対1でのサポートを求める方も増えているため、理学療法士の知識を用いた正しい指導は、今後ますます需要が高まるでしょう。
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まとめ

理学療法士のキャリアプランには、「スペシャリストになる」「ジェネラリストになる」「知識・スキルを生かして転職する」「開業する」の4種類があります。自身のキャリアプランに迷いがある方は、「自分にはどのようなキャリアプランが合っているのか」「何を目指したいのか」を一度じっくりと考えてみましょう。キャリアプランを模索し、あらためて理学療法士の仕事と向き合うことで、新しい夢が見えてくるかもしれませんよ!

キャリアプランを考えるなかで、「転職を検討したい」と思った方は、ぜひマイナビコメディカルにご相談ください。マイナビコメディカルでは、理学療法士の業界に精通したキャリアアドバイザーが、希望するキャリアをふまえながら転職のサポートをさせていただきます。

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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

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