理学療法士(PT)が訪問リハビリで働くメリット・デメリット

最終更新日:2021年2月24日
 公開日:2021年2月15日

文:rana(らな) 理学療法士

理学療法士として訪問リハビリ勤務を考えている方に向けて、実際に働いた経験をもとに仕事の特徴やメリット・デメリットを解説します。

訪問リハビリとは?

超高齢化社会を迎え、要介護者が増えている現代。高齢者のなかにはリハビリを受けたくても、身体的や体力的な制限により通院できない方がいます。そうした方々を対象にセラピストが直接自宅を訪問してリハビリを行うのが「訪問リハビリ」です。

これから訪問リハビリで働くことを考えている理学療法士に向けて、訪問リハビリの仕事内容の特徴や、勤務するメリット・デメリットなどについて、実際の経験をもとにお伝えしましょう。

訪問リハビリで理学療法士に求められるスキル

訪問リハビリが病院や施設でのリハビリと大きく異なるのは、自宅という限られた環境下でリハビリを行う点にあります。利用者さんの自宅環境を確認できるため、利用者さんそれぞれの生活場面に直接介入できるのが特徴です。

理学療法士には解剖学や運動学の知識だけではなく、自宅で行えるリハビリメニューを考えたり、介護用品などを導入して環境を整える提案をしたりするスキルも求められます。利用者さんの生活全般に密着したサポートを行いたい人にとっては、魅力ある働き方となるでしょう。

訪問リハビリにおける理学療法士の仕事の特徴

ここでは、訪問リハビリの仕事の特徴を3つ紹介します。

対象となるのは要介護認定を受けている、通院が困難な方

訪問リハビリの対象は要介護認定を受け、かつ通院困難な方が中心です。そのため、立つ、歩くといった移動動作に何らかの支障をきたしている人が大半を占めます。

回復期病院や整形外科クリニックでのリハビリでは、機能を改善して能力向上を目指しますが、訪問リハビリの場合、現在の生活レベルを維持することを目標にリハビリを実施するケースがほとんどです。

利用者さんの自宅に1人で訪問してリハビリを行う

訪問リハビリでは、基本的に1人で利用者さんの自宅を訪問してリハビリを実施します。病院などの施設では、先輩や上司、同僚からのサポートを得ることも可能ですが、訪問リハビリでは1人で対応するため、その場に合わせた判断力が求められます。

主治医・ケアマネージャー・看護師との連携が重要

訪問先の利用者さん1人に対して、セラピストだけでなく、主治医やケアマネージャー、看護師など多職種が携わっています。それぞれの情報を共有しながら、利用者さんに対してサービスを展開していくため、多職種との連携が欠かせません。

理学療法士が訪問リハビリで働くメリット・デメリット

では、理学療法士が訪問リハビリで働く場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット:利用者さんに直接的なアプローチできる

上述したように、訪問リハビリのメリットは「利用者さんの生活場面に直接関わることができる点」です。一人ひとりに合わせた環境設定や動作指導など、直接的なアプローチができるため、生活シーンに合わせたサポートを行いたい方にとってはやりがいのある仕事となるでしょう。

また、利用者さんごとに移動しながらリハビリを行うことになるため、病院のように籠りっきりになることはほとんどありません。移動が苦にならない方や移動を楽しめる方にとっては、気分転換を図れるのもメリットです。加えて歩合制を導入している事業所であれば、多くの件数を回ることで収入アップも期待できます。

デメリット:リハビリの環境に制限がある

一方で、訪問リハビリのデメリットには「リハビリを実施する環境に制限がある点」が挙げられます。リハビリ室のように広いスペースが確保されるとは限らず、リハビリ器具も揃っていないため、提供できるプログラムが限られてしまうケースも。たとえば、ベッドが狭かったり、歩行スペースを確保できなかったりなんてことも少なくありません。

また、基本的に1人で訪問するので、急なトラブルが発生した場合にも自身で判断し、対処しなければならないこともあるでしょう。都心部などでは、自転車で移動する施設もあり、移動時に天候や季節の影響を受けやすいこともデメリットといえます。

訪問リハビリで理学療法士に求められる3つのスキル

訪問リハビリで働く理学療法士には、以下のようなスキルが求められます。これから訪問リハビリでの勤務を考えている方は、自身のスキルや適性をチェックしてみてください。

環境に合わせたリハビリの組み立て力

一般宅という限られた環境下でリハビリを行うため、その中で効率的に行えるリハビリメニューを組み立てるアイデア力が求められます。自宅にあるスペースや環境を上手く利用して、動作訓練などを実施していくといった臨機応変さが必要です。

コミュニケーション能力

訪問リハビリでは1人の利用者さんに対して複数の職種が関わります。また、利用者さんの家族と関わることも多く、それぞれに状態を報告したり、相談を密に行ったりしながら連携をとるため、コミュニケーション能力が求められます

身体面だけでなく全体像を把握する能力

病院や整形外科クリニックと比較して、訪問リハビリでは長期的に利用者さんと関わるケースがほとんどです。そのため、身体面だけでなくバイタルなどの全身状態、精神面、将来的な予後、個人的な背景、環境因子、家族との関わりといった全体像を把握する能力が求められます。

生活期に深く関わりたいのなら訪問リハビリがオススメ

訪問リハビリは、実際の生活場面に直接関わることができるので、利用者さんの生活に即したリハビリが行えるのが大きな特徴です。

「機能面だけでなく、ADL(日常生活動作)にも直接アプローチしたい」、「病院から在宅に戻った方のリハビリを見届けたい」と思う方にとっては魅力的な職場であるといえるでしょう。また、歩合制を利用して多くの件数を訪問できれば、収入アップにもつながります。自分の進みたい方向性と、キャリアを考えながら、より良い働き方を検討してみましょう。

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プロフィール

rana(らな)

理学療法士

理学療法士として、これまで総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科で働きながら、訪問看護ステーションにて非常勤勤務を兼務。腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。
業務をこなす傍ら、webライターとしても活動し、健康、医療分野を中心にこれまで多数の記事を執筆している。

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