理学療法士(PT)の就職先について

最終更新日:2020年10月1日
 公開日:2018年2月6日

理学療法士はさまざまな疾患の発症後から介入し退院を目指し、自宅に戻られてからも自立の支援や社会復帰など、幅広い分野で活躍が期待されています。ここでは、急性期から生活期における各時期において理学療法を提供する場合の特徴を解説します。

1. 精鋭部隊!急性期病院

急性期は病気の発症直後や、手術後などの身体状態が不安定な時期といえます。病態も変化しやすいため、リスク管理への十分な知識が必要であり、症状の安定や治癒を主な目的としています。急性期病院が主な就職先となります。

以前は急性期でのリハビリテーションは推奨されておらず、手術後は絶対安静などが当たり前の時代がありました。現在は、ベッド上で動かない時間が長くなるほど退院の時期が遅くなることが知られており、状態に合わせながら機能の回復を促すために理学療法士が配置されています。

心臓外科や消化器科など学生では経験しにくい疾患も数多く担当することとなるため、直に命に関わるという事で尻込みしてしまう理学療法士も多いのが事実です。しかし、急性期でプレッシャーのかかる環境下での経験は、それ以降のすべてのリハビリテーション場面で活かされてくることもまた事実なのです。

できるだけ早めに経験をしておきたい分野ではありますが、ダイナミックな運動やリハビリテーション技術自体のスキルアップはしにくいため、リスク管理や緊急時の対応など医療従事者としてのスキルアップを図りたい方に特におすすめだといえます。

また、治療という視点でも身体機能の回復が目に見えてわかる時期ともいえるので、身体の変化をリアルに学ぶことができることも魅力の一つでしょう。

2. 回復期リハビリテーション病院なら安心? 実際のところは・・・

回復期というのは病気や怪我の状態が安定し、機能回復や能力改善を目的に理学療法を集中的に行える時期のことをいいます。いわゆるリハビリテーション病院などで、一般的にイメージするリハビリテーションはこの時期を指すことが多いです。

じっくりと時間をかけて理学療法を提供することができ、比較的幅広い疾患の患者を担当できるため新卒者・既卒者ともに人気があり、患者との接し方(コミュニケーション、身体への触れ方など)を学ぶにも持ってこいの時期といえます。

自宅への生活復帰や社会復帰を目的としており、医師や看護師、介護士などと連携を取りながらチーム医療を学ぶことも可能です。特にリハビリテーション病院では専門職である理学療法士や作業療法士が舵取りをすることも多く、実際に患者や家族からも感謝されやすいので、やりがいも感じやすいようです。

退院に向けて積極的なリハビリテーションを行っていきますが、一方で生活期における経験が少ないと在宅における明確なイメージが構築しにくいという側面もあるようです。

3. プロからアマまで!整形外科

理学療法士の花形分野とも言われる整形外科疾患は、学生の時に詰めに詰め込んだ筋肉や骨、関節の知識を十分に発揮できる分野といえます。就職先が病院やクリニックの場合は高齢者に関わることは多いですが、スポーツに興味がある方も向いているでしょう。

若い世代の方々は部活動、仕事などの継続を強く望むため、生活を継続しながら早期の機能回復を目指す外来でのリハビリテーションの提供なども役割としては大きいです。

近年では、理学療法士としてスポーツトレーナーを目指している方も少なくないようです。スポーツチームや個人と契約し、運動選手の高いパフォーマンス発揮のための指導、スポーツ障害への予防、コンディショニングのためのアイシング・テーピングなどを行うなど選手に寄り添うことができる魅力があります。一方で、関わることができるのはほんの一握りというのも事実であり、高い専門性を要求されます。

スポーツとの関わりで言えば、障害者スポーツは専門性を発揮しやすいといえます。団体に所属しトレーニング方法や競技中の事故への対処なども指導できるようです。

4. 要注目!退院を支える生活期(維持期)

生活期はご自宅や施設などで、自己の能力を活用し、その人らしい生活を実現する時期とされています。介護施設での関わりをはじめ、介護予防や健康増進として体操教室や講座の開催などにも理学療法士が参加しているようです。

生活期における理学療法士の活躍できる場としては、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションなどがあります。特に近年の在宅医療の拡大に伴って、訪問リハビリテーションを提供する訪問看護ステーションも増えてきています。国の政策として、「入院医療から在宅医療へのシフト」が目指されていることもあり、人気が高まっています。

訪問看護ステーションや訪問リハビリテーション事業所から自宅に訪問し、利用者が実際に生活をされている場面で必要とされる理学療法を提供することができるため、生活に直結できることが魅力の一つです。リハビリテーションの時間も40~60分とゆっくり作業することができ、外出が苦手な高齢者などへも対応できます。

病院との決定的な違いは、たった一人で自宅に訪問し、バイタルチェックなどのリスク管理を含め自己責任で理学療法をしなければならないことです。一見すればゆっくりとリハビリテーションを行っている印象ですが、緊急時は助けてくれる医師や看護師はいないためそれ相応の知識が求められるという事です。

最近では新人から訪問リハビリを任せる場合も増えていますが、一般的には3年程度病院で臨床経験を積んでから転職されることが多いようです。その経験の中には、急性期でのリスク管理、回復期のリハビリテーション技術、痛みに対応できる整形外科の知識など、さまざまな分野を学ばなければならないのがわかります。

まとめ

就職先を選ぶ際に、職場の雰囲気や給与面などには目が行きがちです。しかし、急性期から生活期における各時期の理学療法士の関わりをしっかりと把握することは、自分が目指したい就職先に進むための大きな判断材料にすることができます。活躍できる領域は日々拡大しており、常に情報を収集し、やりたいことを探し続けていきましょう。また、重要視する部分を妥協することなく、広い視野で就職先を選ぶようにしましょう。

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