「理学療法士をやめてよかった」と思う理由とは?やめる前にやっておきたいこと
公開日:2023.04.10 更新日:2026.02.03

文:rana(理学療法士)
「理学療法士をやめてよかった」そんな声を聞いたことはありませんか? 理学療法士は身体機能の回復を支援するスペシャリストとして、やりがいや魅力も多い仕事です。しかし、思っていた仕事とは違うと感じて、やめてしまう人も少なからずいます。実際に理学療法士をやめてよかったと感じる理由には、どのような点が挙げられるのでしょうか。この記事では、「理学療法士をやめてよかった」といわれる理由や、やめる前にできることなどについて、現役理学療法士が解説します。
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なぜ理学療法士をやめてよかったと思うのか?

理学療法士という専門職を離れた後、「やめてよかった」と感じる背景には、単なる業務負担の軽減だけでなく、キャリアと生活全般における具体的な改善点があります。まずは「やめてよかった」と感じる理由について、筆者の経験や周囲の声からまとめてみました。
ワークライフバランスが改善し、生活の質が向上した
理学療法士は、リハビリ時間の確保に加え、記録、カンファレンス、委員会活動への参加など時間外労働が多い職種です。また、休日を使って研修に参加して研鑽を積む人もいるでしょう。
異業種に移ることで、拘束時間が少ない職場を選べるようになり、ワークライフバランスが改善する場合もあります。これまでの負担が軽減され、趣味や家族との時間が増加するなど、生活の質が向上したと感じる声も多く聞かれます。
給与がアップした
理学療法士の給与は、診療報酬制度に依存するため、思うように伸びにくいことがほとんどです。その一方、一般企業では成果や実績が給与に直結しやすいため、自身の能力がダイレクトに評価・還元されて給与がアップすることも少なくありません。
理学療法士をやめて異業種に移ったことで、年収アップを実現できたというケースも多いようです。
「他にも活躍できる場がある」と気づけた
理学療法士は専門性が高い反面、「医療現場以外でのキャリアはない」という閉塞感を感じやすい職種です。しかし、退職後に自身のスキルを再評価することで、新たな可能性に気づき、キャリアの選択肢が広がったと感じられる方もいます。
臨床経験で培った「問題解決能力」「傾聴力」「計画性」といったスキルは、異業種の営業、IT、教育など、多様な分野で通用することも多いでしょう。また、企業の健康経営、Webメディア、予防医療など、社会課題の解決に広がる活動に、新たなやりがいを見出すこともできます。
ライフステージの変化に合った働き方になった
結婚、出産、育児、介護など、ライフステージが変化するたびに、理学療法士の勤務体系や責任の重さが負担になることがあります。
異業種では、リモートワーク、時短勤務、フレックスタイム制など、より柔軟な勤務形態を選べる職場が数多く存在します。これにより、家庭と仕事の両立がしやすくなり、生活の変化に合わせたキャリアを構築できたと感じられる方も多いようです。
理学療法士をやめずに働き方を変える方法

「辞めたい」という感情が、現在の職場の環境や働き方にある場合、資格を捨てずに、働く場所や環境を変えるだけで状況が劇的に改善することがあります。
退職を決断する前に検討すべき「働き方を変える」という選択肢について解説します。
病院からクリニック・訪問リハへ移る
働く場所を変えることで、業務内容や残業時間、求められるスキルが大きく変わる場合もあります。
例えばクリニックは、外来リハビリが中心のため、病棟業務や委員会活動など、他業務の負担が少ない傾向です。暦通りの休日も取りやすいので、生活リズムが安定して、ワークライフバランスの改善に繋がりやすいでしょう。
また、訪問リハビリは基本的に1人で訪問するため、自分のペースで業務を進めやすく、利用者との関わりも深まります。歩合制を導入している事業所も多くあり、働き方次第で給与アップが望めるかもしれません。
急性期/回復期/維持期など、フェーズを変える
リハビリの対象期間を変えることで、仕事の目標や求められる専門性が変化し、新たなやりがいを見つけられることもあります。
例えば急性期・回復期から維持期へ移れば、疾患の治療よりも生活機能の維持・向上に焦点を当てた支援にシフトできます。地域包括ケアシステムの中で、生活指導や社会参加の支援といった新たな役割に価値を見出すことが可能です。
勤務形態を変えて負担を減らす(時短・パートなど)
業務量を調整し、精神的・肉体的な負担を大幅に減らすのも一つの選択肢です。
時短やパート勤務になれば、空いている時間を育児や介護、あるいは自己学習に充てることが可能になります。また、正社員と比べると責任の重い仕事も減り、精神的余裕が保ちやすくなります。給与は下がりますが、責任範囲が限定され、仕事へのプレッシャーや負担からも解放されやすいでしょう。
理学療法士をやめる前にすべきこと

では、理学療法士をやめてしまう前に、何ができるのでしょうか。また、すべきことはあるのでしょうか。できる対策について具体的にまとめました。
上司に相談する
人間関係や職場環境で悩んでいるのなら、まずは上司に相談してみましょう。担当分野を変えてもらったり、仕事内容を見直してもらったりすることで、自分が働きやすい環境に身を置ける場合もあります。
筆者の周りにも、上司に相談して担当病棟を変更したり、外来から訪問へ部署を変えたりして、環境が改善した人がいました。
転職をする
給料や職場環境の悩みを解決したいのなら、転職するのもひとつの選択肢です。理学療法士は専門的な国家資格であり、一般職と比べても転職しやすい傾向にあります。
自分が希望する条件や仕事内容を満たしてくれる職場に転職できれば、多くの悩みを解決できるでしょう。筆者は複数回の転職経験がありますが、いずれも給料アップに成功しています。
副業をする
給料面での不安を抱えているのなら、副業を始めてみるのもよいのではないでしょうか。近年は理学療法士に限らず、副業する人が増えており、仕事先の選択肢も広がっています。
理学療法士の副業として、非常勤で訪問リハビリやデイサービスに勤めている人も多く見られます。こうした副業は一般的な時給よりも高い傾向にあり、収入アップが見込めます。
理学療法士をやめた後のキャリア選択肢

理学療法士を辞める決断をしたとしても、これまで培ったスキルや知識は決して無駄になりません。ここでは、理学療法士の経験を活かせる分野や、全く新しい分野へのキャリアチェンジの選択肢を紹介します。
医療・福祉分野で経験を生かせる仕事
理学療法士の資格を使わなくとも、リハビリの知識や医療・介護保険制度の知識が活きる職種は多くあります。
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- Ø 生活相談員、介護施設スタッフ:
理学療法士はチームの中で、介護士や相談員と連携する経験が豊富です。介護現場の状況を把握しており、より質の高い生活支援やレクリエーションの計画立案に貢献できるでしょう。
- Ø 生活相談員、介護施設スタッフ:
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- Ø 福祉用具専門相談員:
患者さんの身体機能や生活環境を評価してきた経験は、最適な福祉用具を選定・提案するうえで強力な武器になります。
- Ø 福祉用具専門相談員:
- Ø 企業の健康支援(産業理学療法):
一般企業で社員の健康指導、腰痛予防、メンタルヘルス対策の運動プログラムを提供するなど、予防医学の専門家として活躍する道です。
身体の知識を生かした仕事
学んだ解剖学、運動学、生理学の知識を直接的に活用し、顧客の身体をサポートする職種です。
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- Ø 整体師、ボディメイク:
医療保険外の領域で、顧客の要望に応じてサービスを提供します。
- Ø 整体師、ボディメイク:
- Ø スポーツトレーナー、パーソナルトレーナー:
スポーツ現場やジムでのトレーナー業務です。国家資格に基づいた、疾患や外傷の知識があるからこそできる「安全性の高い指導」が大きな強みとなります。
教育・研修・講師としてのキャリア
自分の経験や知識を言語化し、他者に伝えることにやりがいを感じる方に向いています。
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- Ø セミナー講師、大学・専門学校の教員:
臨床経験や研究実績を活かし、次世代の理学療法士を育成する仕事です。
- Ø セミナー講師、大学・専門学校の教員:
- Ø Webライター・コンテンツクリエイター:
医療や健康に関する専門知識を、一般の方や同業者向けに分かりやすく解説します。理学療法士としての客観的な視点と正確性が重宝されます。
一般企業へのキャリアチェンジ
専門性ではなく、理学療法士経験で培った問題解決能力やコミュニケーション能力を武器に、全く異なる業界へ転身するのも一つです。また、これまでとは全く違う自分の強みを活かせる仕事に就くのも新たなキャリアを見出せるかもしれません。
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- Ø 営業職、接客業:
リハビリの経験で養った高いコミュニケーション能力は、企業での顧客折衝や法人営業において強力な武器となります。
- Ø 営業職、接客業:
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- Ø 人事・労務:
組織の課題を分析し、スタッフの配置や教育計画を立案する能力は、理学療法士としてチームマネジメントや教育に関わった経験が活かせるでしょう。
- Ø 人事・労務:
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- Ø 運送業や飲食業:
「運転が好き」「料理が得意」といった自分の趣味や特技を仕事にするのも、新しい自分を見出すきっかけになります。
- Ø 運送業や飲食業:
- Ø 事務職:
人とのコミュニケーションに疲れてしまった場合には、目の前のタスクに集中できる事務職も一つの選択肢になるでしょう。
理学療法士をやめる前に環境を変えてみよう
自分の人生を充実させるために、理学療法士の資格に縛られず、他の職を模索することも選択肢のひとつかもしれません。
ですが、やめてしまえば、これまで学んできたことが生かせなくなったり、キャリアを失ったりすることもあります。
新しい仕事を始めても、また違う悩みが出る可能性もあるでしょう。まずは何か対策をとって、環境をかえることから試してはいかがでしょうか。

rana(理学療法士)
総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
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