【現役OT解説】作業療法士が年収1000万円を突破するには
公開日:2023.05.10 更新日:2024.01.11

文:平岡 泰志(作業療法士)
作業療法士の給料は安定していますが、決して高収入の職種とはいえません。しかし、年収アップを目指すにあたり、「作業療法士でも頑張れば年収1000万円を目指すことはできるのだろうか」と考えたことのある人もいるでしょう。結論からお伝えすると、作業療法士が年収1000万円に到達するのはかなり難しいものの、不可能ではありません。
本記事では作業療法士が年収1000万円を達成するのが難しい理由を解説したうえで、年収1000万円を達成するためにはどうすればよいか、具体的な方法を解説します。
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作業療法士の年収1000万円突破が難しい理由
まず、作業療法士が年収1000万円を突破するのが難しい理由について考えてみましょう。
作業療法士が生み出せる利益には限界がある
作業療法士が提供するサービスは、診療報酬や介護報酬により金額が決められているため、作業療法士1人が生み出せる利益には限界があります。
例えば、デイサービスで1日10名の利用者さんに、リハビリを実施した場合で考えてみましょう。個別機能訓練加算(ロ)は利用者さん1人当たり85単位です。
1日当たりの利益を計算すると、(85単位/日)×10名=850単位で、8,500円(1単位=10円)となります。ひと月で22日間リハビリを提供したとしても、月当たりで事業所にもたらす利益は約18万円。これでは、作業療法士単体では自身の給料分さえ稼げていないことになります。
生み出せる利益が少ない分、年収アップも難しいといえるでしょう。
作業療法士の平均年収は1000万円を大きく下回っている
厚生労働省が公表した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士(理学療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む)の平均年収は約427万円(平均年齢35.1歳)です。
35歳の作業療法士が65歳までに年収1000万円を達成しようと考えると、賞与等を含まず、毎年約19万円もの昇給が必要な計算となります。年収ベースが低いため、昇給や役職手当がついたとしても年収1000万円をクリアするのは難しいといえます。
参照:令和3年賃金構造基本統計調査|職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
作業療法士が年収1000万円を目指す方法

では作業療法士が年収1000万円を目指すには一体どうすればよいのでしょうか。具体的な年収アップの方法を紹介します。
「作業療法士として」年収アップを目指す場合
作業療法士として年収アップを目指す場合は、以下の2つの方法があります。
1.研修会や講演会で講師をする
作業療法士の権威として広く認知されると、研修会や講演会の講演依頼がくる可能性があります。講演料は内容や時間、経験や実績によって異なりますが、3万円から10万円が相場といえます。
また、勤務先の法人名や事業所名で講演することは会社の広報にもなるため、交渉次第では勤務先から金銭的インセンティブを受けられる可能性もあります。
2.大学の教授になる
厚生労働省が公表する「令和3年賃金構造基本統計調査」によると大学教授(高専含む)の年収は約1,072万円(平均年齢58.2歳)でした。とはいえ、大学教授になるには多くの研究実績などが必要になる場合がほとんどです。
教授になるためには、飽くなき研究心と長い年月が必要といえるでしょう。
参照:令和3年賃金構造基本統計調査|職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
「作業療法士の経験を活かして」年収アップを目指す場合
次に、作業療法士の経験を活かして年収アップを目指す2つの方法を紹介します。
1.転職または昇進して執行役員になる
転職や昇進によって経営に携わるポジションに就くことができれば、大幅な年収アップが期待できます。重要なのは「作業療法士目線をもっていかに会社に利益をもたらせるか」です。
会社に利益をもたらし続けることができれば、大幅な年収アップにつながる可能性があります。
2.起業して事業を展開する
作業療法士には開業権がないため、作業療法士として独立することはできません。しかし、実務経験を活かして、訪問介護や訪問看護の開設のほか、パーソナルジムの経営者などとして起業することは可能です。
ただし、訪問介護や訪問看護事業所を経営する場合、介護報酬により料金が設定されているため一定の収益で頭打ちになります。そのため、起業する場合には、事業を広く展開して収入源を増やす必要があります。
■関連記事
作業療法士が開業するには?施設運営やフリーランスなど働き方を紹介
スキルを身につけて年収1000万円を目指そう

作業療法士が年収1000万円に到達するのはかなり難しいものの、時間をかけてスキルを磨き行動すれば、着実な年収アップは期待できます。
年収アップを目指して、転職をしたり、役職を得たりするためには、スキルや経験、実績が求められます。加えて、自身が培ったキャリアを表現し、説得できるコミュニケーション力も必要でしょう。年収1000万円まで到達しなくても、平均以上の収入を得ることは可能です。
長く険しい道になるかもしれませんが、「年収1000万円を目指したい!」という方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
■関連記事
「作業療法士はやめとけ」に対して現役OTが伝えたいこと
理学療法士は年収1000万円を目指せるのか?収入アップのためにできることについて
■参考
令和3年賃金構造基本統計調査(職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))

平岡 泰志
作業療法士/医療介護分野専門ライター
地方の二次救急指定病院にて5年間勤務。その後、多職種と共にデイサービスの立ち上げに携わり、現在は主任として現場を統括。「高齢者の尊厳を守る」を念頭に、利用者と家族の生活をサポート。プライベートでは4人の子どものパパ。仕事と子育ての両立をするべく、日々奮闘中。
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