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老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介

公開日:2025.01.30

老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

老健では、どのようなリハビリをしているのか気になる方はいるのではないでしょうか。老健とは、おもに在宅復帰を目的とした利用者に対して支援を行う介護施設のことです。そのためリハビリ職は、利用者の在宅復帰に向けたリハビリを提供します。

この記事では、老健で行われる具体的なリハビリ内容や、利用者の特徴をご紹介します。実際の業務内容を知ることで、老健での仕事を検討するきっかけになるでしょう。

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老健(介護老人保健施設)とは?

ここでは、老健とはどのような施設なのか、どのような特徴があるのかを解説します。

老健は介護保険施設の1つ

老健とは、介護保険が適用される「介護保険施設」の1つです。具体的には、医療機関から在宅復帰を目指す高齢者に対して、リハビリと介護を提供するための入居型の施設です。入居型といっても期間は3〜6か月であり、無期限に利用できるわけではありません。

老健ではリハビリ職だけでなく、医師や看護師などの多職種のスタッフが所属しており、チームで入所者の支援にあたります。このように、老健は在宅での生活を安全に過ごすためのサポートをしている施設といえます。

老健を利用する方の特徴

老健は誰でも利用できるわけではなく、以下の基準のいずれかを満たす必要があります。

● 65歳以上で要介護1以上
● 特定疾患によって要介護認定されている40〜64歳の方

そして老健を利用する方の多くは、病院での治療を終え、病状が安定している傾向にあります。このように、老健を利用する方は医療機関の患者さんと比較すると状態が安定しており、極端に介護が必要というわけではありません。

しかし、自宅での生活に不安を持っている方が多いため、老健でのリハビリによって必要な機能や動作を身につけていきます。

老健のリハビリ内容

老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介

実際に、老健ではどのようなリハビリが行われるのでしょうか。ここでは、具体的なリハビリ内容について解説します。

在宅復帰を目的としたリハビリが中心

老健は在宅復帰を目的とした施設のため、身体機能の改善だけでなく自宅生活に必要な動作の獲得に向けたリハビリが行われます。たとえば、歩行訓練や生活環境に応じたADL訓練などがあげられます。

また、集団でのリハビリや家族への介護指導を行うケースもあるでしょう。必要に応じて、自宅の環境調整や福祉用具の手配・アドバイスを行うこともあります。これらのリハビリを通じて、利用者が自宅で安全に生活できるよう支援します。

そのほかの業務内容

老健ではリハビリ以外にも、以下のようなさまざまな業務を行います。

● 利用者への評価
● リハビリ記録の作成
● リハビリ計画をはじめとした書類業務
● 多職種との情報共有
● カンファレンスの参加

このような業務は老健に限らず、医療機関やそのほかの介護施設でも行うため、決して珍しいものではありません。

リハビリ職が老健で働く際の1日のスケジュール例

老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介

ここでは、リハビリ職が老健で仕事をするときのスケジュール例をみていきましょう。

【老健での1日のスケジュール例】

8:30 出勤
9:00 朝礼・午前のリハビリ業務
12:00 午前のリハビリ業務終了
昼休憩・リハビリ記録等の入力
13:00 午後のリハビリ業務
17:00 午後のリハビリ業務終了
片付け・リハビリ記録等の入力
退勤・帰宅

リハビリ業務が中心であることは、医療機関と同様です。リハビリの合間に、記録や書類業務を行います。

リハビリ職が老健で働くメリット

リハビリ職が老健で働くのは、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットについて解説します。

集団でのリハビリが行える

老健では、医療機関と比べて1日の対象者が多い傾向にあるため、集団リハビリを実施する機会が多いといえます。集団リハビリは、個別のリハビリとは異なる楽しさがあります。

レクリエーション的な要素を取り入れたリハビリを実施することで、楽しみながら身体機能の改善を図れるでしょう。集団リハビリによって利用者同士の交流が活発化されれば、モチベーションの向上につながります。

このように、集団でのリハビリは個別リハビリでは得られない相乗効果も期待できます。リハビリ職にとっても、創意工夫を凝らしたリハビリを提供できる機会といえるでしょう。

在宅を意識したリハビリを提供できる

老健は在宅復帰を目的とした施設であるため、自宅での生活を意識したリハビリを提供できます。在宅を意識することで、実生活を聴取するスキルや、ADLに対するリハビリスキルを養えるでしょう。これらのスキルを身につけられれば、生活期に該当するほかの職場でも活躍が可能です。

このように、医療機関とは異なる視点で利用者をサポートする経験は、リハビリ職としての成長につながります。

リハビリ職が老健で働く際の注意点

老健では生活期に関するさまざまなスキルを身につけられる一方で、注意すべきポイントもあります。ここでは、老健で働く際の注意点を詳しく解説します。

リハビリ対象が限られている

老健では利用するにあたって条件があるため、リハビリは対象が限られている点に注意しましょう。多くの利用者は、ある程度身体機能が回復した状態で入所されるので、生活期(維持期)に該当します。そのため、急性期や回復期に対するリハビリを提供する機会は少ないといえます。

幅広い症例を経験したい方や、より専門的な技術を磨きたい方にとっては、物足りなさを感じる可能性があるでしょう。ただし、生活期のリハビリに特化したスキルを身につけられるという利点もあるため、自身のキャリアプランにあっているか考えることが大切です。

医療機関で得られるスキルが身につきにくい

老健で働くリハビリ職は、病院をはじめとした医療機関と比較すると、特定のスキルが身につきにくい傾向があります。まず、老健の利用者は比較的状態が安定していることが多いため、急変時の対応や医療機器の管理などの知識・スキルを磨く機会が限られます。

医療機関は、老健よりも多様な疾患を持つ患者さんと接する機会が多いといえるでしょう。そのため、幅広い疾患への理解や最新の治療法に関する知識を深めることが難しい場合があります。

老健に向いているリハビリ職の特徴

老健は、おもに生活期に該当する方が対象であり、在宅復帰に向けたリハビリを中心に提供します。生活期での知識を身につけられるだけでなく、集団リハビリのスキルも養えるメリットがあります。

一方で、医療機関と比較するとリハビリの対象範囲が限られている点もおさえておきましょう。ぜひ今回の記事を参考にして、老健での仕事も検討してみてください。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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