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理学療法士と柔道整復師の違いとは?共通点や難しさ、将来性を解説

公開日:2021.02.04 更新日:2021.04.08

文:rana  理学療法士

患者さんに対して手技を用いた施術を行う医療資格には、理学療法士のほかに柔道整復師やマッサージ師(あん摩マッサージ指圧師)などがあります。いずれも体の不調を改善するために施術を行う専門家として混同されやすいのですが、その違いはどこにあるのでしょうか。

今回は患者さんからも質問されることの多い、「理学療法士と柔道整復師の違い」について詳しく解説します。

理学療法士と柔道整復師の共通点

まずは、理学療法士と柔道整復師の共通点を見てみましょう。

共通点.1 国家資格である

いずれも医療系の国家資格であることが、大きな共通点です。国の法律に基づき、各分野における一定水準以上の知識や技術を有していることが証明され、そのスキルが認められています。

整体師やカイロプラクターといった民間資格と比べて、理学療法士や柔道整復師は資格取得の難易度が高く、社会的な信頼性や信用性を得られやすい資格です。

共通点.2 資格取得には指定された養成校に通わなければならない

どちらも資格取得には、文部科学大臣もしくは厚生労働省大臣の指定する養成施設(専門学校や大学など)で3年以上、学ばなければなりません。

カリキュラムは解剖学や生理学など、一部共通する部分もありますが、それぞれの資格に特化した内容を受講します。養成校の必要なカリキュラムを修了したうえで、国家試験に合格した人だけが資格を取得できるのです。

共通点が多いこの2つの資格。どちらのほうが難しいのか気になる人も多いでしょう。

過去3年間の国家試験合格率は、「理学療法士が85%前後、柔道整復師は60%前後」です。

~過去3年間の国家試験合格率~

<理学療法士>

平成29年度 90.0%
平成30年度 81.0%
平成31年度 86.0%

<柔道整復師>

平成29年度 58.4%
平成30年度 65.8%
令和元年度 64.5%

合格率だけ見ると柔道整復師の難易度がやや高いように思えますが、試験科目や授業のカリキュラムの違いがあるため、一概にそうとは言い切れないでしょう。

というのも、理学療法士は就学中に養成校が指定する施設(病院や老健、クリニックなど)で臨床実習を受ける必要があります。一般的には3週間の評価実習を1回、8週間の臨床実習が2回です。

実習に合格しないと進級できないため、国家試験とは違った難しさがあるのです。

共通点.3 体の不調を訴える人に対し、徒手で施術を行う

対象や範囲は異なりますが、いずれも徒手を用いた施術を行います。施術中の様子が一見同じように見えることが、混同されやすい理由といえるでしょう。

また、施術内容は資格取得者それぞれが学んでいる手技や治療方針による部分が大きいものです。そのため、実際に行う施術の違いは少ないかもしれません。

理学療法士・柔道整復師の違いは?それぞれの特徴と対象となる疾患


今度は、理学療法士と柔道整復師の違いについて見てみましょう。それぞれ資格ごとにまとめました。

~理学療法士の特徴~

理学療法士は、医師の指示の下、必要と判断される患者さんに対して、身体機能・動作能力の改善、日常生活能力の向上を目的としたリハビリを行います。その対象が幅広いのが特徴です。

<理学療法士のリハビリの対象となる主な疾患>
・整形外科疾患
・脳血管障害
・神経難病
・呼吸器疾患
・脊髄損傷 など

リハビリ方法は、徒手療法だけでなく、運動療法、動作分析、呼吸訓練、日常生活動作訓練、福祉用具選定など多岐にわたり、対象者により深く関わります。

幅広い分野の疾患を経験したい、患者さんと深く関わりたいと思う人は、理学療法士が向いているといえるでしょう。ただし、開業権はないため、治療院を持つといった独立はできません。

主な就職先は病院、介護施設、訪問リハビリ、クリニックといった医療機関で、収入面でも安定している傾向にあります。また需要も高いことから、転職しやすい仕事といえます。

高齢化が進むなか、理学療法士の活躍の場は増えるでしょう。

~柔道整復師の特徴~

柔道整復師は、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのけがに対して応急的治療を行います。基本的にはけがの急性期に対応し、整復や固定などの手技を用います。

理学療法士とは異なり、医師の指示がなくても決められた範囲内であれば自身で診察・診断・施術が可能です。また開業権があるため、自分で独立して接骨院・整骨院を営むこともできます。

就職先は、接骨院や整体院が主ですが、トレーナーとしてスポーツチームに帯同する人も少なくありません。スポーツ現場でけがの応急処置をしたい、自分で接骨院を開業したいと思う人は、柔道整復師が向いているでしょう。

自分で開業した場合、収入は集客や売り上げに左右されてしまいますが、定年がないので長く働けるのがメリットです。

理学療法士と柔道整復師、ダブルライセンス取得のメリットは?

すでに理学療法士として活躍している人のなかで、スキルアップのために柔道整復師の資格取得を考える人もいます。

もちろん理学療法士資格を取得した後、柔道整復師の資格を取得することも可能です。理学療法分野とはまた違った知識や手技を学ぶことができ、何よりも自分で独立できる開業権が得られるのが大きなメリットとなるでしょう。

ですが、理学療法士資格を持っていても柔道整復師養成校のカリキュラムが免除されることはありません。一から全て受講・修了しなければならないため、学費と時間を要します。

また、ダブルライセンスを持っているからといっても、診療報酬上の点数は変わらないため、雇用の場合は給料に反映される可能性は低いでしょう。

「自分は理学療法士だけど接骨院を開業したい」という目標が定まっている場合、ダブルライセンスの取得はアリかもしれませんが、それ以外はあまりメリットがないのが現状です。

理学療法士にしかない強みを示すために


患者さんから、「接骨院の先生やマッサージ師とは何が違うの?」と聞かれたことがある理学療法士も多いのではないでしょうか。

患者さんからすると、自分の体を良くしてくれる人であれば、資格の違いにこだわりはないのかもしれません。しかし、それぞれはあくまでも違う資格であり、対応する範囲が異なります。

理学療法士として柔道整復師にはない強みを示すことができれば、患者さんの信頼を得る機会にもつながるでしょう。

理学療法士は幅広い分野に対応し、より深く患者さんと関われる職種です。理学療法士としての専門性を磨き、さらなるステップアップを図りたいものです。

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参考

統計情報 – 公益社団法人 日本理学療法士協会
柔道整復師とは | 公益社団法人 日本柔道整復師会
公益財団法人 柔道整復研修試験財団

rana 理学療法士
理学療法士として総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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