新卒理学療法士が就活を成功させるには?進め方の基本と注意点
公開日:2021.07.20 更新日:2022.11.07
文:rana(理学療法士)
理学療法士として働くためには、国家試験に合格し、資格を取得するのはもちろん、就活を成功させなければなりません。とはいえ「就職できればどこでもいい」というわけではないでしょう。
「自分が理想とする職場で働けるか」、「どのようにして就職先を決めればよいのかわからない」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。これから就活を始める未来の新卒理学療法士に向けて、就活を成功させるために知っておきたい注意点について解説します。
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理学療法士の主な就職先はどこ?6割が病院へ
まずは「日本理学療法士協会の統計情報」を参考に、理学療法士の主な就職先にはどのような施設があるのか、それぞれの特徴について確認してみましょう。
病院
理学療法士の就職先として最も多いのは病院で、日本理学療法士協会会員の6割近くが従事しています。
また病院は、脳血管、運動器、呼吸器、循環器など幅広い分野のリハビリを行うのが特徴です。新卒として入職すれば多くの経験を積めるでしょう。
クリニック
クリニックは診療所や医院とも呼ばれ、入院設備が19床以下の医療機関を指します。理学療法士の在籍数は病院に次いで2番目に多い数となっています。 理学療法士が働くクリニックの多くは整形外科で、主に腰痛や膝痛、スポーツ障害など、運動器疾患を有した人がリハビリの対象となります。
整形疾患をメインでリハビリを行いたい人は、運動器に特化したスキルや知識を学べるため、オススメの職場です。
介護施設
高齢化が進むなか、介護分野では理学療法士の需要が高まっています。主な就職先としては、介護老人保健施設やデイサービス、デイケア、訪問看護ステーションなどが挙げられます。
いずれもリハビリ対象は、介護認定を受けている高齢者であり、身体機能の維持や、介護量の軽減を目標にリハビリを行います。
高齢者のリハビリに携わりたい、生活期のリハビリについて学びたい人にオススメしたい分野です。
その他(スポーツ分野・行政機関)
フィットネスクラブ、プロチームといったスポーツ分野や行政機関なども理学療法士が活躍できる職場です。ただし、求人数は少なく、狭き門といえます。
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理学療法士の就活はいつから?行う時期と流れ
理学療法士の養成校に通っている学生のほとんどは、最終学年時の臨床実習を終えた後に、本格的な就活を始めます。
養成校にもよりますが、夏から秋ごろに実習が終了するため、その時期に合わせて求人数も増えていきます。
就活は、まず興味のある施設(病院)へ事前に連絡をして、施設見学(病院)を行います。就職を希望するのであれば、その旨を当日、または後日連絡して伝え、採用試験を受けるという流れになることが多いでしょう。
見学と面接を同日に行うこともあるので、事前に履歴書を持参するよう求められるケースもあります。合否の通知は、施設によっても異なりますが、おおよそ1週間から10日後程度で、電話または手紙で連絡があるでしょう。
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理学療法士の就活における注意点4つ
理学療法士の学生が就職活動を行うにあたって、いくつか注意しなければならないことがあります。場合によっては希望の就職先で働けなくなってしまう可能性があるため、事前の対策が必要です。理学療法士が就活するにあたって注意すべきポイントをまとめました。
募集時期を見逃さない
就職先の募集期間は、施設ごとに異なります。施設によっては、年度初めや夏前に募集を締め切ってしまうこともあります。就職を希望する施設が決まっている場合は、こまめにチェックしておきましょう。国家試験後に就活を始める人もいますが、選択肢が大幅に狭まってしまうことになるので注意が必要です。
また、自分が働きたいと思っている施設の募集自体がないこともありえます。募集待ちをしていたばかりに、他施設への就職のタイミングを逃してしまうかもしれません。どうしても働きたい施設があれば、直接問い合わせておくと安心です。
実習期間中に応募が終了する場合もある
理学療法士養成校では、最終学年で臨床実習に行くことになりますが、この実習期間中に希望の就職先が採用試験を実施していたり、募集を締め切ったりする場合があるため、事前のチェックが欠かせません。特に遠方へ実習に行く場合は、すぐに帰ってこられないこともあるでしょう。
試験や面接の日程や移動条件などを考慮して、検討することが大切です。希望の就職先の募集期間がわかっている場合には、事前に養成校の教員に相談をして、時期をずらすなどの対応をお願いしましょう。
就職の併願を禁止している場合もある
一般の大学生は、複数の企業に応募し内定をもらえたところから選択する方法で就職先を決めています。しかし、理学療法士の場合、養成校が複数の就職先に応募すること自体を禁止している場合があります。
というのも、養成校と就職先との関係性や、後輩への悪印象を与えないためといった諸事情があるからです。
「とりあえず抑えとして、第一志望ではない他施設の内定をもらっておこう」という就活ができない可能性があることを知っておくことが大切です。併願が可能かどうか、養成校に確認しておくと良いでしょう。
内定は国家試験(国試)に合格することが大前提
当然のことながら、理学療法士の有資格者であることを前提に就職先は採用します。そのため、養成校在学時は、国家試験合格見込みという肩書で就活を行うことになるでしょう。
内定を取れたとしても、卒業できなかったリ、国家試験に合格できなければ、採用は取り消しされます。
まずは、確実な国家試験合格を目指して、しっかり取り組むことが重要です。稀に、介護職員や助手として雇ってもらえるケースもありますが、あまり印象は良くないでしょう。
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希望の就職先がある場合は、こまめに情報チェックを
理学療法士として最初に働く施設は、今後の土台となるため、慎重に考える必要があります。ただし、自分が働きたいと思う施設が決まっていたとしても、募集期間に間に合わなかったり、面接のタイミングで実習に行かざるを得なくなったりすれば、採用試験すら受けられないかもしれません。
そうした失敗を招かないためにも事前に募集情報をチェックし、計画性をもって就活することが大切です。募集情報は、養成校に届く求人票や、ホームページ、求人サイトなどから確認できます。こまめにチェックしながら、希望の就職先を目指して、万全の準備を整えましょう。
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理学療法士として総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
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