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【理学療法士の実習が辛い人へ】現役PTが教える実習を乗り切るコツ

公開日:2021.08.18 更新日:2026.02.03

【理学療法士の実習がつらい人へ】現役PTが教える実習を乗り切るコツ

文:rana(理学療法士)

理学療法士を目指すうえで、避けてはとおれないのが実習です。実習は病院や施設などの臨床現場に短期間通いながら、実際の患者さんにかかわるもので、養成校の必須カリキュラムとなっています。ですが、実習と聞くと「つらい」「大変」「キツい」という声をよく聞きます。

筆者も、学生時代に実習でとても苦労した経緯があります。そして、バイザーとして実習生を指導した経験もあります。

今回は理学療法士を目指す学生さんに向けて、実習生とバイザー双方の視点を持つ筆者が、実習を上手に乗り切るためのコツを実体験に基づいてお伝えします。

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理学療法士の実習の内容

理学療法士の実習は、その目的によって「見学」「評価」「総合臨床」の3つに大きく分けられます。まずはそれぞれの内容や目的について解説していきます。

見学実習

見学実習は、まだ学びを始めたばかりの学生が雰囲気を感じるための初歩的な実習です。臨床現場の全体像を把握することに重点が置かれており、期間は数日〜1週間程度が多いでしょう。

理学療法士が患者さんに対してどのような治療を行っているのか、多職種(医師、看護師、作業療法士など)とどのように連携しているのかを観察します。現場の空気を肌で感じ取り、自身が目指す理学療法士像を具体化する最初のステップといえるでしょう。

評価実習

評価実習は、養成校で学んだ評価を実際に臨床で活用する経験を積むための実習です。担当患者さんの情報を収集し、評価項目を決定、実施、結果を分析するプロセスが中心で、期間は3週間〜5週間程度です。

治療自体はバイザーが行いますが、学生は評価結果に基づいた「理学療法評価レポート」の作成に時間を費やします。評価結果と患者さんの問題点を結びつけ、評価の根拠をバイザーに論理的に説明する能力(臨床推論能力)が試されます。

総合臨床実習

総合臨床実習は学生としての集大成ともいえる実習です。評価から治療プログラムの立案、実際の治療実施まで、一連のプロセス全てを任される実習で、期間は8週間〜12週間程度です。

バイザーの指導のもと、実践的なスキルと、患者さんのゴール達成に向けた自己管理能力が求められます。卒業後に即戦力となるための自信を培う期間で、これまで学んできたことを活用し、積極的に治療実践に挑戦する意欲が求められるでしょう。

理学療法士の実習スケジュールの例

理学療法士の実習スケジュールの例

理学療法士養成校では知識と技術を段階的に習得するため、学年ごとに実習の内容と期間が異なります。ここでは、一般的な4年制大学・専門学校の実習におけるモデルスケジュールを解説します。

実習の種類 期間 概要
1年次 見学実習 数日~1週間程度 現場の雰囲気を掴むことが目的です。実習に向けて、解剖学や生理学といった専門基礎科目の基礎を固め、基本的なビジネスマナーを習得します。
2年次 評価実習 3~5週間程度 臨床で必須となるバイタルサイン測定、関節可動域測定(ROM)、徒手筋力検査(MMT)といった基本的な評価・測定技術を正確に行う能力を身につけます。
評価結果が患者さんの身体状況にどう関連するのかという根拠を常に考える訓練が必要です。
3年または4年次 総合臨床実習 8週間~12週間程度 担当患者さんの情報を収集・分析し、問題点を抽出して治療までおこなう「臨床推論」能力を身につけます。
卒業後の即戦力となるための応用力を養う実践的な内容です。
教科書を読み込むだけでなく、バイザーとのディスカッションを通して、自分の考えを論理的に言語化する力が求められます。

理学療法士の実習が「つらい」と感じる理由

実習がつらいと感じるのには、いくつかの構造的な要因があります。これらの原因を理解すれば、感情的な不安を解消し、対策を立てる第一歩となるかもしれません。理学療法士の実習が「つらい」と感じる理由についてまとめました。

バイザーからの指導が厳しい

実習の評価は卒業や国家試験受験資格に直結するため、バイザーからの厳しい指摘が「自己の存在否定」のように感じられ、精神的な負担となることも少なくありません。

もちろん、学生自身を否定しているのではなく、プロとして通用する水準にまで知識や技術を引き上げようとするが故に厳しくなる場合がほとんどです。バイザーからのフィードバックは、「成長するための指摘」であり、学生の能力を低く評価しているわけではないと切り分けて捉えることが重要です。

記録業務による負担

実習ではレポート、日誌、カルテの読影記録など、記録業務をしなければなりません。近年、負担を軽減するために量は見直されていますが、少なからず業務は存在しています。

特に文章作成が苦手な学生が、作業に追われ、慢性的な睡眠不足に陥るケースも少なくないでしょう。

知識の「応用力」不足と臨床のギャップ

養成校で座学の知識は学びますが、臨床では複数の疾患や複雑な生活背景を持つ患者さんに対応しなければなりません。

教科書通りにいかない症例も多く、「なぜその症状が出るのか」「何をすれば改善するのか」という答えを自分で見つけ出す能力が求められます。患者さんを目の前に、慣れない雰囲気の中で対応しなければならないプレッシャーも「つらい」と感じる要因の一つかもしれません。

理学療法士の実習体験談|つらい・きついときに取り組んだこと

理学療法士の実習体験談|つらい・きついときに取り組んだこと

当時、私は夜間部の養成校に通い、昼間は整形外科でリハビリ助手として働いていました。患者さんの対応には自信を持っており、少々甘い考えを持って実習に臨みました。そんな背景もあり、「実習生らしさ」が欠けていたようで、うまく人間関係が築けずに、実習ではとても苦労をしました。

というのも整形外科で働いている経験があったため、逆に変に場慣れしている感じが出てしまったのです。

はじめての実習でつらかったことやバイザーから受けた指摘

最初の実習では「立ち姿や見学中の座り姿が悪い」という指摘や、「バイザーの作業の見学中によそ見し、自分が担当する症例の患者さんばかりを気にしている」といった指摘を受けました。

そのせいか、態度の悪い学生という印象をセラピストに与えてしまったようで、良い関係を築けず、孤独な状態で心身的にとても苦労をしました。

2回目の実習で感じたバイザーとのすれ違いと改善のための取り組み

2回目の実習は、機能面に特化して学びたいという思いで臨みましたが、バイザーは生活面を重んじる方だったため、私は学びたい内容の指導をあまり受けることができませんでした。

その不満が徐々に膨らみ、バイザーにもそれが伝わり、次第に関係が悪化してしまいました。

このままでは実習不合格になってしまうと不安になった私は、バイザーが重きを置いている生活分野を積極的に調べ、不明な部分はバイザーに相談し始めました。

そうした取り組みが結果的に良い方向へ進み、次第にバイザーとの関係を修復することに成功しました。

最終的には、「実習期間中に苦手な分野を克服するような姿勢が見られ、大きく成長できた」という評価をもらい、無事に合格できた経緯があります。

バイザーとして実習生を指導したときに感じたこと

私自身, 過去にバイザーとして実習生を指導したことが何度かあります。バイザーを経験してみて感じたのは、指導したことの受け入れが悪く、学生らしい緊張感のない実習生は良い印象を持たれにくいことでした。これは、まさに実習生時代に苦労した私の特徴と一致しています。

逆に良い印象を持った実習生は、決して知識が豊富ではないけれど積極的に学び、学ばせていただくという緊張感を常に持っている傾向にありました。

具体的には、指導されたことを深掘りした質問をする、片付けやベッド拭きなどの細かな気配りができる、立ち姿・座り姿が整っているなどです。

バイザー目線で見ると、知識の豊富さよりも、実習に対する姿勢や積極性に重きを置いて評価することが多いかもしれません。

実習に合格するには?目標やレポート作成のコツ

実習に合格するには?目標やレポート作成のコツ

実習ではさまざまな状況が考えられるため、乗り切るための対策方法も多岐にわたります。筆者の体験談を元に、実習を成功させるために必要なことについてまとめました。

1.実習生として謙虚な姿勢で臨む

実習生は、セラピストや患者さんにとって大切なリハビリの間を縫って指導を受けます。そのため、常に謙虚な姿勢で臨むのが理想的です。

言葉遣いやマナーを守るのはもちろん、見学中に姿勢が崩れたり、よそ見をしたりしないように心がけましょう。

また、セラピストがリハビリで使用した器具を片付けたり、患者さんの車いすを引いたりなど、細かな気遣いをすると良い印象を与えられます。

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2.達成可能な目標を具体的に掲げる

実習では開始時と終了時の成長度合いが評価されます。そのため、実習中に達成可能な目標を具体的に掲げるようにしましょう。

<実習目標の例>
・患者さんの可動域測定をスムーズに行えるようになる
・機能面だけでなく生活動作を把握できるようにする など

自分の苦手な部分を克服できるような項目が望ましいです。

3.書籍や文献は豊富にそろえておく

実習中は何かと調べ物が多くなります。実習中に必要となる書籍や資料が不足していると、調べることができないため、あらかじめそろえておくようにしましょう。

最近はインターネットにも専門的な情報が掲載されていますが、信頼性に欠けることも多々あるので、書籍や資料をコピーしたり、PDF化したりしておくことが望ましいです。

4.レポートは指摘されたことを必ず反映させる

実習では、担当症例のレポート作成を求められることがあります。その際、バイザーから指摘された内容は必ずレポートに反映させるよう心がけましょう。

私自身がバイザーとしてレポートを添削した際、伝えた内容が全く反映されなかった実習生には、理解力が乏しい、または指導の受け入れが悪いというような印象を持ちやすい傾向にありました。

理学療法士の実習が「つらい」と感じた時の対処法

理学療法士の実習が「つらい」と感じた時の対処法

つらい状況を乗り切るためには、具体的な行動とマインドセットの転換が必要です。理学療法士の実習を戦略的に乗り切るための対処法を紹介します。

「つらさ」を言語化し、学校の担当教員に相談する

最も重要なのは、つらい状況を一人で抱え込まないことです。バイザーに直接言いづらいことや、精神的に追い詰められている状況は、必ず学校の担当教員に報告・相談しましょう。

教員は、うまくいかない学生がいることを前提に準備をしているので、客観的な視点でアドバイスや仲介をしてくれるはずです。また、状況によっては実習期間や内容の調整など、学生の安全と学習を最優先した措置をとってくれる可能性があります。

記録業務を効率化する「テンプレート」を作成する

記録にかける時間を削減するため、日々の記録やレポートの構成をあらかじめテンプレート化しましょう。

評価項目を網羅したシートや、頻繁に使う専門用語、測定値の単位などをテンプレートに組み込んでおくのがおすすめです。記録業務が効率化できれば日中は臨床や見学に集中でき、作業時間を大幅に削減できるでしょう。

完璧主義を捨て、「優先順位」をつけて学習する

実習期間中にすべての知識を完璧にすることは不可能です。学習すべき事項に優先順位をつけ、割り切って学ぶことが心身の健康を保ち、実習を乗り切る鍵となります。

例えば、リスク管理や患者さんの主訴に関連する評価だけは妥協しないようにして、動作分析や治療メニューはバイザーに協力してもらうというようにすれば負担もかなり軽減されるはずです。完璧主義を捨て、妥協ポイントも作ることで、ストレスと疲労の軽減にもつながります。

バイザーが重視している分野に重きをおく

バイザーが得意としているアプローチ方法や重視している分野に重きをおくことも一つの方法です。バイザーは実習合否の決定権を持っており、うまく関係性を築けないと実習は絶対にうまく行きません。

バイザーが何を重視してリハビリをしているのかを把握し、それに応えるように実習を進めていけばおのずと良い関係性が築けるはずです。自分の意見や信念だけを貫くのではなく、バイザー好みの学生になることも視野に入れておきましょう。

実習生らしく謙虚な姿勢で実習に臨むのがポイント

実習ではさまざまな状況が想定されますが、常に実習生らしく謙虚な姿勢で実習に臨むことが重要です。成績が良い、場慣れしているというようなことは、あまり通用しないことを知っておきましょう。

実習は大変なことも多いですが、無事合格を勝ち取りましょう。

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参考

公益財団法人日本理学療法士協会

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