自重トレーニングで気軽に自宅で筋トレを!おすすめメニューをご紹介
公開日:2024.04.10
文:内藤 かいせい
(理学療法士)
筋トレをはじめたいと思っているものの、ジムの利用はハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。そのような方におすすめなのが、「自重トレーニング」です。自重トレーニングは体重を活用した筋トレ方法で、気軽に行いやすいのが大きな特徴です。
この記事では、自重トレーニングのメリットやおすすめのメニューについてご紹介します。自重トレーニングの方法やコツを知れば、自宅での筋トレをはじめるきっかけになるでしょう。
自重トレーニングとは?
自重トレーニングとは、自分の体重を活用した筋トレのことです。自重トレーニングでは、基本的にダンベル・チューブなどの器具や機械を使用しません。なかには「筋肉をつけるには、器具や機械を活用したウェイトトレーニングが必要ではないのか?」と思う方も多いでしょう。
しかし、器具や機械を使用しなくても、適切な自重トレーニングをすれば筋力の増強は十分に期待できます。これから筋トレをはじめる方にとっては、自重トレーニングはとくにおすすめできます。
自重トレーニングの3つのメリット
器具や機械を活用した筋トレにはない自重トレーニングのメリットとして、以下の3つがあげられます。
2.どこでもトレーニングができる
3.ケガをしにくい
ここでは、それぞれのメリットを詳しく解説します。
1.器具を用意する必要がない
1つ目のメリットは、自重トレーニングでは器具を用意する必要がない点です。トレーニングをするうえでお金がかからないため、気軽にはじめられます。自宅で自重トレーニングをするのであれば、器具だけでなくウェアの購入も節約できるでしょう。
このように、「すぐに筋トレをしたい」「あまり出費をかけたくない」という方にとって、自重トレーニングは非常におすすめです。
2.どこでもトレーニングができる
2つ目は、どこでもトレーニングができる点です。自重トレーニングはある程度のスペースがあれば、場所を選ばずにはじめられます。
器具や機械を活用したトレーニングだと、どうしても場所が限定されます。ジムを利用している場合、通うのに手間がかかってトレーニングをやめてしまうこともあるでしょう。
自重トレーニングであれば自宅はもちろん、出先でも筋トレが可能です。また、どこでもトレーニングができるため、継続しやすいメリットもあります。
3.ケガをしにくい
3つ目のメリットは、ケがをしにくい点です。自重トレーニングでは、自分の体重を大きく越える負荷はかかりにくいです。そのため、器具や機械を使用した場合のトレーニングと比べると、筋肉や関節にかかる負担をおさえられます。
また、器具や機械は誤った使い方をするとケガにつながる可能性もありますが、自重トレーニングではその心配はありません。適切なフォームで自重トレーニングを心がければ、より安全かつ効率的に運動できるでしょう。
自重トレーニングの注意点
自重トレーニングの注意点は、筋肉にかかる負荷量に限界がある点です。先ほど説明したように、自重トレーニングでも筋力をつけることが十分に可能です。しかし、「さらに筋力をつけたい」「効率的にボディメイクをしたい」という場合は、器具や機械を使用したほうが良いケースもあります。
今後自重トレーニングを継続して物足りないと感じたら、まずは今よりも負荷量が高い内容に変更してみましょう。それでも不十分であれば、器具や機械を利用したウェイトトレーニングへの切り替えをおすすめします。
自重トレーニングのおすすめメニュー
自重トレーニングには、どのようなメニューがあるのでしょうか。ここでは初心者でもすぐにはじめられる、自重トレーニングのおすすめメニューをご紹介します。
プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップは、大胸筋(胸の筋肉)や上腕三頭筋(腕の筋肉)を鍛えられる自重トレーニングです。
1. うつ伏せの状態で両腕・両足を床につき、身体を浮かす
2. 両腕は肩幅よりも広くして、両足は閉じておく
3. 身体をまっすぐにしながら、肘を曲げてゆっくり上体を下げる
4. 上体を床につく直前まで下げたら、肘を伸ばしてゆっくりと元に戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
プッシュアップの最中は上体を反らしたり、丸くなったりしないように注意してください。
クランチ
クランチは、おもに腹筋を鍛えられる自重トレーニングです。
1. あお向けの状態で、両膝を90度に曲げて足を上げたままにする
2. へそをのぞき込むようなイメージで上体を起こす
3. できるだけ上体を起こしたら、ゆっくりと戻る(頭は地面につけない)
4. 2〜3の手順を繰り返す
上体を起こす際は息を止めないように、ゆっくり吐きながら行ってみましょう。
ヒップリフト
ヒップリフトは、おもに大殿筋(お尻の筋肉)を鍛えられる自重トレーニングです。
1. あお向けになって両膝を立てる
2. お尻を持ち上げて、膝から上体を一直線にさせる
3. ゆっくりとお尻を下ろす
4. 2〜3の手順を繰り返す
ヒップリフトでの負荷が少ない場合は、左右どちらかの足を組んで片足の力だけでお尻を持ち上げてみましょう。
スクワット
スクワットは、大腿四頭筋(太ももの筋肉)や大殿筋など、下半身全体の筋肉を鍛えられる自重トレーニングです。
1. 立った状態で両足を肩幅程度に開く
2. つま先より前に出ないように、膝をゆっくりと曲げる
3. ゆっくりと元に戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
スクワットをする際は、背中を丸めないように注意してください。膝を曲げすぎると関節に負担がかかるので、90度程度に留めておきましょう。
ランジ
ランジとは足を前方に踏み込む自重トレーニングで、下半身の筋肉を鍛えられます。
1. 立った状態で片足を前方に踏み込む
2. 踏み込んだ足に体重を乗せながら、膝を90度まで曲げる
3. 踏み込んだ足を元に戻す
4. 反対の足で同じように行い、交互で繰り返す
ランジをするときは、体幹がぶれないように姿勢をまっすぐにした状態を意識してください。
カーフレイズ(踵上げ)
カーフレイズは踵上げのことで、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)を鍛えられる自重トレーニングです。
1. 壁や手すりに手を添えながら立ち、両足を肩幅程度に開く
2. ゆっくり踵を上げてつま先立ちになる
3. できるだけ踵を上げたら、ゆっくりと下ろす
4. 2〜3の手順を繰り返す
踵を上げる際は、重心が前に移動しすぎないように注意してください。カーフレイズでの負荷量を強くしたい場合は、片足で交互に行ってみましょう。
自重トレーニングは毎日行うべき?
結論からいうと、自重トレーニングは毎日行うよりも週に2〜3日程度が良いとされています。その理由として、筋肉の「超回復」を妨げてしまうからです。
超回復とは、トレーニングで傷ついた筋肉を修復して、以前よりも太い状態になることです。筋肉が修復されるまでは、2〜3日かかるといわれています。毎日トレーニングをすると筋肉の超回復を妨げてしまい、筋力がつきにくくなる恐れがあります。また筋肉痛があると痛みで力が入りにくくなるので、トレーニングしにくいでしょう。
それでも毎日自重トレーニングをしたい場合は、日によって上半身や下半身などの部位を分けるのがおすすめです。トレーニングする部位を分割すれば、超回復を妨げずに筋肉を鍛えられます。
自重トレーニングで気軽に自宅で筋トレを
自分の体重を活用した自重トレーニングには、器具が不要でどこでも行えるメリットがあります。そのため、初心者が筋トレをする際は、まずは自重トレーニングからはじめるのがおすすめです。自重トレーニングのメニューもシンプルな内容が多く、継続もしやすいといえます。身体を鍛えるには筋トレの習慣をつけることが何よりも大切なので、ムリのないペースで自重トレーニングを行っていきましょう。
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内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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