理学療法士から社会福祉士への転職の方法|ダブルライセンスの概要も

更新日 2023年12月22日 公開日 2023年12月22日

#資格 #情報収集 #転職検討/準備

社会福祉士は、日常生活を送るのになんらかの困難を抱えている方の相談に応じ、アドバイスや支援を行う福祉の専門家です。病院や介護施設でリハビリを行う理学療法士のなかには、社会福祉士と連携した経験がある方も多いことでしょう。

もしかしたら、社会福祉士の働きぶりを身近で見たことで、その仕事内容に興味を持った方もいらっしゃるかもしれませんね。

この記事ではそうした方に向けて、社会福祉士の仕事内容や活躍する場所、理学療法士から社会福祉士を目指すためのルートについて解説します。資格取得によるメリットなども紹介するので、理学療法士から社会福祉士への転職を考えている方は、ぜひお役立てください。

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理学療法士から社会福祉士への転職の方法|ダブルライセンスの概要も

社会福祉士の概要と仕事内容

社会福祉士とは、相談援助を通じて困難を抱える方たちを支援する福祉の専門家です。1987年に制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいた国家資格であり、ソーシャルワーカーとも呼ばれます。

社会福祉士の主な仕事は、「相談業務」および相談内容に応じた「支援業務」です。支援対象は障害者、高齢者、生活困窮者、被虐待者など、生活を送るのに困難な状況に置かれているあらゆる人たちで、本人の事情に応じて適切な福祉サービスにつないだり、関係機関と連携して支援体制を整えたりします。

(出典:e-Gov「社会福祉士及び介護福祉士法」/https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=362AC0000000030

社会福祉士が活躍する場所

先に紹介したように、社会福祉士の支援対象者は非常に幅広いため、活躍の場も多岐にわたります。社会福祉士が働く主な職場は、下記の通りです。

児童福祉施設
主に18歳未満の子どもとその保護者を対象に虐待や非行、不登校、子育てなどに関する悩みをケアし、今後に向けた支援を行います。
学校施設
学校生活や日常生活における悩み・問題に関する相談を受け、家庭環境や学級環境の改善、整備支援などを行います。
高齢者福祉施設
施設利用者さまの生活や利用できる制度に関する相談支援、家族との連絡・調整などを行います。老人ホームなどでは、介護職員として業務を担当するケースも見られます。
地域包括支援センター
介護予防ケアマネジメントや包括的・継続的ケアマネジメント、介護に関する総合的な悩み相談、詐欺被害から高齢者を守る権利擁護などを担います。
障害者福祉施設
障害者が、日常生活において自立するための訓練や就労の支援を行います。
地方自治体の福祉事務所
各都道府県・市区町村に設置された福祉事務所で、地域住民の福祉に関する相談に対応します。
医療機関
患者さまやそのご家族が抱える社会的、精神的、経済的な問題の相談を受け、解決に向けた支援を行います。転院・退院の調整や社会復帰のサポートなども重要な役割です。

社会福祉士とその他の資格の違い

社会福祉士とその他の混同されやすい資格との違いは、下記の通りです。

名称 特徴
社会福祉士 ●国家資格が必要
●福祉の現場で支援を必要とするすべての方が対象
●支援を必要とする方の相談に乗り、状況の改善に向けた支援やアドバイスを行う
●地域の福祉に貢献することも多い
介護福祉士 ●国家資格が必要
●介護施設・事業所や身体障害者施設などを利用する方が対象
●介護が必要な方の身体介護や生活援助を行う
ケアマネジャー ●各都道府県で実施されるケアマネジャー試験に合格し、実務研修を修了することで取得できる
●要介護・要支援認定を受けた方が対象
●ケアプランの作成や自治体・事業者・施設との連絡調整との連絡調整を行う
【関連リンク】理学療法士の働く場所・就職先を紹介!

理学療法士から社会福祉士になるための方法

社会福祉士の資格を取得するためには、年に1回実施される社会福祉士国家試験に合格する必要があります。社会福祉士国家試験の受験資格は、学歴や実務経験によって異なるため、まずは自分がどの条件に当てはまるかを把握しましょう。

ここでは、社会福祉士の資格取得ルートを「学歴」と「実務経験」別に紹介します。

学歴別

学歴別のルートは、「指定科目履修済み」「基礎科目履修済み」「指定科目・基礎科目ともに履修なし」「社会福祉主事養成機関を修了」の4つに大別されます。

【指定科目履修済み】

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【基礎科目履修済み】

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【指定科目・基礎科目ともに履修なし】

img

【社会福祉主事養成機関修了】

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(出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」/https://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/route.html

【関連リンク】理学療法士(PT)とは?
仕事内容や作業療法士との違いについて

実務経験別

実務経験別のルートは、大きく「4年の実務経験あり」「相談援助の実務経験あり」の2つに分けられます。

【4年の実務経験あり】

img

【相談援助の実務経験あり】

img

相談援助の実務経験として認められる職種は、児童分野・高齢者分野・障害者分野・その他の分野・現在廃止事業の分野(過去において事業に従事していた期間が実務経験の対象となります)の5つです。

ただし、上記の職種に該当する場合でも、実務経験として認められないケースがあります。詳細は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページで確認してください。

(出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「相談援助業務(実務経験)」/https://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/s_11.html

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理学療法士が社会福祉士の資格を取得するメリット

理学療法士が社会福祉士の資格を取得すると、下記のメリットが得られます。

  • ・社会的信用が高まる
  • ・活躍の場が増える
  • ・資格手当がもらえる可能性がある
  • ・社会福祉の専門知識が身につく
  • ・相談・援助に関連した資格試験で一部受験科目が免除される
  • ・相談援助事業所の開業を目指せる
  • ・特別養護老人ホームの施設長を目指せる

社会福祉士の資格は、福祉の相談援助に関する高度な専門知識・技術を持っていることの証です。

理学療法士と社会福祉士では、支援対象が共通するケースも少なくないため、2つの資格を取得することで、利用者さまにより専門性の高いアドバイスをすることができます。社会的信用度が高まり、利用者さまからの信頼を得やすくなるので、就職・転職時に有利に働いたり、収入アップにつながったりもする可能性もあるでしょう。

また、相談援助事業所の開業や特別養護老人ホームなどの施設長を目指せることも、社会福祉士の資格を取得するメリットです。

【関連リンク】【決定版】理学療法士の給料・年収の実情|
高収入を狙うためにできること

ダブルライセンスを目指すときのポイント

理学療法士がキャリアアップやスキルアップを目指す場合、社会福祉士をはじめとするほかの資格を取得するのも1つの方法です。

ダブルライセンスを取得するにあたってポイントとなるのが、理学療法士資格との組み合わせ方です。理学療法士が医療・介護分野で活躍できる資格なので、できるだけ関連性の高い分野の資格を狙うと相乗効果を生み出しやすくなるでしょう。

それを踏まえると、社会福祉士のほか認定理学療法士、呼吸療法認定士、福祉住環境コーディネーターといった福祉系の資格もおすすめです。

ただし、将来的なキャリアプランによってはまったく別分野の資格を取得したほうが、選択の幅が広がるケースもあります。資格取得にはある程度の学習期間と費用が必要となるため、目的や目指す働き方をきちんと考えた上で、自分に合った資格を選ぶようにしましょう。

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まとめ

社会福祉士は国家資格の1つであり、日常生活に困難を抱える方の相談援助を担う福祉の専門家です。学歴や実務経験によって受験資格が異なるため、理学療法士の方が社会福祉士を目指す場合は、事前に条件を確認した上できちんと計画を立てましょう。

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※当記事は2022年7月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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