理学療法士は働きながら大学院に通える?メリット・デメリットなど

更新日 2023年09月21日 公開日 2023年09月21日

#情報収集 #転職検討/準備

現在、理学療法士として活躍している方や、理学療法士を目指している方のなかには、「大学院に進学して、より専門性の高い知識やスキルを身につけたい」と考えている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

当記事では、理学療法士が大学院に進学するメリット・デメリットや、理学療法士として働きながら大学院に通うことの可否について解説します。あわせて、理学療法士が大学院に進学する際に押さえておきたいポイントも紹介しますので、大学院進学を検討している理学療法士の方は、ぜひ参考にしてください。

今後のキャリアや給与のことなど、
転職のプロと考えていきましょう!(完全無料)
理学療法士は働きながら大学院に通える?メリット・デメリットなど

理学療法士が大学院進学を考える理由

理学療法士は、養成施設を卒業した後に国家試験に合格すれば資格を取得できるため、必ずしも大学院に進学する必要はありません。

では、理学療法士として活躍しているのや、理学療法士を目指して勉強している方が、大学院への進学を考えるのは、どのような理由からでしょうか。代表的なものとして、次のような理由が挙げられます。

■理学療法士が大学院進学を検討する理由(例)

  • ・専門分野を究め、自身が持つ知識やスキルの専門性を高めたい
  • ・理学療法について、後進に教える教員になりたい
  • ・最新の理学療法についての基礎研究や、臨床研究を行う研究者になりたい

大学院では、修士課程(通常2年間)を修了し、修士論文の審査・試験に合格すれば「修士」、博士課程を修了して、博士論文の審査・試験に合格すれば「博士」という学位が授与されます。ただし、学位の取得だけを目的として進学する方は少なく、多くの理学療法士は、上記のような明確な理由のもとで大学院に進学しています。

理学療法士が大学院に進学するメリット・デメリット

理学療法士が大学院に進学することには、多くのメリットがある一方、デメリットや注意点も存在します。ここでは、理学療法士が大学院に進学するメリット・デメリットについて紹介します。

■理学療法士が大学院に進学するメリット

  • ・研究の方法論が身につく

    大学院は、講義を受けるだけでなく、自ら調査・研究を行うことで専門性を高めていく場です。そうやって身につけた調査・研究の方法論やスキルは、臨床現場においても十分に役立つでしょう。

  • ・読解力や論理的思考が向上する

    大学院では、知識を深めたり研究を進めたりするために、多くの論文を読む必要があります。論理的にまとめられた文章に触れる頻度が多いことから、読解力や物事を論理的に考える力が向上するでしょう。

  • ・就職先の幅が広がる
    医学に関する専門知識を深く学ぶことで、教育機関や研究機関などに就職しやすくなる傾向があります。なお、理学療法士養成施設の教員には、「大学院卒」が求められるケースがあることも押さえておきましょう。

■理学療法士が大学院に進学するデメリット

  • ・学費がかかる

    大学院に通うには、学費を納める必要があります。事前に希望する学校の入学金や授業料などを確認し、修士課程や博士課程に進む上での資金を準備する必要があるでしょう。

  • ・就職が難しくなるケースもある

    職場によっては、大学院に通っていた期間をブランク(または、キャリアの中断)と見なされ、就職が不利になったり、難しくなったりする場合もあります。

  • ・勉強に多くの時間をとられる
    次の章で詳しく解説しますが、大学院では研究のために多くのことを勉強する必要があります。働きながら通学する場合は、仕事と学業の両立で手一杯になり、時間的な余裕がなくなることも考えられるでしょう。
【関連リンク】【決定版】理学療法士の給料・年収の実情|
高収入を狙うためにできること

理学療法士が働きながら大学院に通うことはできる?

理学療法士の養成施設を卒業後、そのまま大学院に進学する方もいらっしゃいますが、理学療法士として働きながら大学院に通っている方も多く見られます。

社会人として、日中に大学院に通うのが難しい場合は、夜間に授業を行う大学院や通信制の大学院を選んで、働きながら通学するのも1つの方法です。社会人でも学びやすいように、カリキュラムが整備された大学院もあるので、理学療法士として働きながら大学院への進学を目指している方は、事前に気になる研究科の履修カリキュラムを確認しておきましょう。

働きながらの通学は忙しい

社会人向けのカリキュラムが開講されている大学院を選べば、理学療法士として働きながら大学院に通うことも可能です。しかし、学校の立地や研究内容、所属する研究室によってはスケジュールが過密になることも考えられます。ときには、研究のために遅くまで学校に残ったり、休日や早朝の時間を利用して論文を書いたりすることもあるでしょう。

また、大学院に通っているからといって、理学療法士としての仕事量を減らしてもらえるわけではありません。そのため、仕事と学業を両立させるためには、「働きながら学ぶこと」に理解のある職場や学校を選ぶことも大切です。

【関連リンク】理学療法士は大変?
疲れたと感じる理由とおすすめ対処法

理学療法士が大学院に通うときに押さえたいポイント

理学療法士が大学院への進学を検討する際には、大学院に通う目的を明確にしておくことが求められます。働きながら大学院に通うモチベーションを維持するためにも、目標とする自分の姿を具体的にイメージしておきましょう。

理学療法士が大学院に進学する際には、ほかにも押さえておくべきポイントが存在します。

費用をまかなえるかどうか

大学院に通うには、入学金や授業料を納める必要があります。国公立と私立では学費が異なるため、あらかじめ目安となる費用を把握しておくと良いでしょう。

■大学院における学費の目安

国公立 私立
入学金 約30万円 20万~30万円前後
授業料(1年間) 約55万円 100万~200万円前後

なお、私立の大学院の場合、入学金や授業料のほかに施設管理費などがかかる場合もあります。また、国公立・私立を問わず、書籍代や通学にかかる交通費なども必要になります。状況によっては、奨学金制度や各大学院の学費減免制度などを活用して、費用負担を軽減することも検討しましょう。

職場の理解を得られるかどうか

理学療法士として働きながら大学院に通う場合は、職場の理解を得ることも大切です。まずは、現在の職場が「働きながら大学院に通うこと」を認めているかどうかについて、総務部・人事部などに確認しましょう。

職場が学業との両立を認めている場合でも、勤務体系や仕事量を考慮した上で、上司・同僚の理解を得る必要があります。大学院で学びたい旨を伝えて、勤務スケジュールや担当業務などを調整してもらいましょう。

【関連リンク】理学療法士の働く場所・就職先を紹介!

学習環境が充実しているかどうか

研究や講義、実習といった学習環境、あるいは施設、設備などの研究環境が充実しているかも、大学院を選ぶ際のチェックポイントです。可能であれば、興味のある研究室を見学させてもらうなどして、研究設備や研究室の雰囲気をチェックすると良いでしょう。

なお、文部科学省は大学・大学院に対して、学生の多様なニーズに対応するための支援や、学習環境の整備を推進するよう働きかけています。大学院での学びを有意義なものにするために、学生生活支援やキャリア支援、経済的支援などの制度が整っているかどうかも、きちんと確認しておきましょう。

(出典:文部科学省「第3 学生支援・学習環境整備について」/https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/attach/1297027.htm

修了後の進路を考えているかどうか

大学院に進学する際には、学ぶ目的を明確化するだけでなく、修了後の進路についてもよく考えておくことをおすすめします。

たとえば、大学院で学んだ知識・スキルを病院などの臨床現場で生かしたいと考えている方は、学習や研究を行いながら就職活動・転職活動を始める必要があります。また、大学の研究施設や企業などで研究職として働きたい方は、博士課程への進学を検討したり、研究発表・学位論文以外の論文執筆の機会を増やしたりする必要があるでしょう。

このように進路によって、大学院での過ごし方が少しずつ異なるため、修了後の進路を十分に検討した上で、大学院生活をより意義のあるものにしてください。

ちなみに、修士課程修了後に就職する方の割合は、75.8%となっています。

(出典:文部科学省「学校基本調査-令和3年度 結果の概要-」/https://www.mext.go.jp/content/20211222-mxt_chousa01-000019664-1.pdf

大学院修了後に理学療法士としての就職を検討している方は、理学療法士の業界に精通した就職・転職サイトを利用するのがおすすめです。経験豊富なキャリアアドバイザーによるサポートが受けられるほか、非公開の求人も豊富にそろっている「マイナビコメディカル」をぜひご利用ください。

【関連リンク】マイナビコメディカルで
訪問リハビリ(在宅医療)の理学療法士求人を探す
【関連リンク】マイナビコメディカルで
企業勤務の理学療法士求人を探す

まとめ

理学療法士のなかには、「専門分野を究めたい」「後進に理学療法を教える教員になりたい」といった理由から、大学院進学を目指す方もいらっしゃいます。働きながら大学院に通うのは決して簡単ではありませんが、社会人が通いやすい大学院もあるので、興味のある方は目的や進路を明確にした上で、計画的に進学準備を進めましょう。

大学院で学んだ知識・スキルを生かせる職場に就職・転職したいという方は、マイナビコメディカルを活用してはいかがでしょうか。マイナビコメディカルでは、理学療法士の業界に精通したキャリアアドバイザーが、理想の就職・転職をしっかりサポートいたします。非公開求人も数多く取り扱っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

マイナビコメディカルの
キャリアアドバイザーに転職相談する(完全無料)
転職のプロがあなたにマッチする
職場探しをお手伝いします♪
マイナビに相談する
【関連リンク】マイナビコメディカルへのよくあるご質問

※当記事は2022年7月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

リハ職・医療技術職・栄養士のみなさまの転職に役立つ情報を発信中!
履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
転職前の情報収集から入職後のアフターフォローまで、転職活動の流れに添ってきめ細やかなフォローができる転職支援サービスを目指しています。

理学療法士(PT)の転職ノウハウ 記事一覧

理学療法士(PT)の記事一覧を見る

理学療法士(PT)のピックアップ求人

理学療法士(PT)の新着求人2024年5月更新!

人気コラムランキング

直近1ヶ月でよく読まれている記事を
ランキングでご紹介します。

職種・カテゴリから記事を探す

キーワードから記事を探す

著者・監修者から記事を探す

簡単1分無料転職サポートに申し込む