理学療法士は在宅ワークできる?方法や在宅で行える仕事を紹介

更新日 2022年12月15日 公開日 2022年12月15日

#情報収集 #転職検討/準備

理学療法士として働く方のなかには、「在宅ワークに興味がある」「在宅ワークを行いたい」と思っている方もいるでしょう。リハビリは患者さまと直接関わる仕事のため、理学療法士が在宅で働くのは難しいように思われがちです。また、実際に在宅ワークを行っている職場もそれほど多いわけではありません。しかし、理学療法士の仕事のなかには、在宅で行える業務もあります。

当記事では、医療福祉業界で導入されている在宅ワークの現状や、在宅で行える理学療法士の仕事について紹介します。在宅ワークに興味のある理学療法士の方は、ぜひご覧ください。

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理学療法士は在宅ワークできる?方法や在宅で行える仕事を紹介

理学療法士は在宅ワークできる?医療福祉業界の現状

理学療法士は在宅ワークできる?方法や在宅で行える仕事を紹介

近年、テレワークや在宅勤務が話題となっていますが、医療福祉業界でのテレワーク普及率は決して高いとは言えません。2021年に内閣府が行った調査によると、医療福祉業界のテレワーク実施率は12.6%であり、全体平均の32.2%と比べると大きな差があります。

(出典:内閣府「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」/https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf

ここでは、医療福祉業界でテレワークが進まない理由と、テレワークを導入した際のメリットについて解説します。

医療福祉業界で在宅ワークが進まない理由

医療福祉業界でテレワークがなかなか進まない理由には、下記の2点が挙げられます。

在宅ではできない業務が多い

理学療法士や作業療法士が行うリハビリに代表されるように、医療や介護の現場においては患者さまの身体状態を確認することが重要な業務の1つです。そして、患者さまの顔色の変化や身体の状態、脈拍数などを詳しく知るには、患者さまと対面する必要があり、画面越しで行うと細かな変化を見逃してしまう恐れがあります。

また、理学療法士が行う運動療法、物理療法などは、直接患者さまに触れる必要があるため、テレワークでは行えません。「適切な診療のために、どうしても患者さまと対面する必要がある」という点が、医療福祉業界で在宅ワークが進みにくい要因の1つと言えるでしょう。

ICT化が進んでいない

在宅ワークを進めるには、現場のICT化が不可欠です。現在、カルテの電子化や患者さま、利用者さま情報のネットワーク化といった分野でデジタル化が進められていますが、「電子カルテの互換性(あるいは標準化・ルール化)が不十分」「全国統一のインフラになっていない」など、医療介護分野のICT化には課題も残っています。

(出典:厚生労働省「第2回未来投資会議 医療・介護分野におけるICT活用」/https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo_iryokaigo_dai4/sankou2.pdf

また、患者さま、利用者さまの個人情報を適切に扱い、活用するためのルールづくりやセキュリティ対策を検討する必要もあります。

医療福祉業界で在宅ワークを導入するメリット

医療福祉業界における在宅ワークの導入には、まだ課題が残っていますが、その一方でさまざまなメリットも存在します。

ワークライフバランスの実現

在宅ワークを導入すると、これまで介護や育児などの理由で働き続けることが難しかった方が、仕事に就けるようになります。また、在宅ワークでは通勤や移動にかかる時間も削減できるため、プライベートな時間も確保しやすくなります。

身体的にも精神的にも負担が減り、仕事とプライベートを両立させられれば、ワークライフバランスの改善につながるでしょう。

生産性の向上

ICT化が推進されることで、生産性の向上が見込めます。業務をデジタル化するとさまざまな無駄が省けるため、「在宅ワークのほうが集中して仕事を進められる」という方も増えるでしょう。

ワークライフバランスと生産性の向上は、人材確保にも有効です。国土交通省の調査によると、テレワークを実践した人の満足度は64.3%であり、今後もテレワークを実施したいと感じている人は81.5%に上ります。社会的に見て在宅ワークを希望する労働者は多く、病院や介護施設における在宅ワークの導入が進めば、離職率の低下や労働人材の確保につながる可能性もあるでしょう。

(出典:国土交通省「令和2年度 テレワーク人口実態調査」/https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/001469009.pdf

【関連リンク】理学療法士(PT)とは?
仕事内容や作業療法士との違いについて

理学療法士の在宅ワークはどんな仕事をする?

理学療法士は在宅ワークできる?方法や在宅で行える仕事を紹介

理学療法士が日々行う業務には、在宅ワークが可能なものも多くあります。患者さまと直接関わらない書類作成やリハビリプランの作成などは、在宅ワークで行える業務の代表例と言えるしょう。また、リハビリは対面で行うのが望ましいものの、現在はオンラインで行う方法も模索されています。

以下では、理学療法士が在宅ワークで行える業務について紹介します。

リハビリプラン作成などの事務作業をする

理学療法士の方が行える在宅ワークの1つに、リハビリプランの作成やカルテ入力などの事務作業があります。

リハビリのときに使用する個別機能訓練計画書は、患者さま1人ひとりに合ったリハビリを提供するための重要な書類です。そのため、事務作業を集中して行うことを目的に、「午前は出勤し患者さまへリハビリを行い、午後は在宅勤務で事務作業を行う」など、自由な働き方を取り入れている訪問リハビリ施設もあります。

リハビリをオンラインで行う

2018年にオンライン診療が可能になったことで、オンライン診療を取り入れる施設も増えています。

(出典:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000201789.pdf

理学療法の領域でも、患者さまの歩行動画で状態を確認した上で、患者さまに合った運動プログラム(動画)を提供し、自宅で実践してもらうオンライン訓練が可能になりました。また、リモートで患者さまの訓練の様子を見守り、リアルタイムでアドバイスを行うこともできます。このように、オンラインリハビリを導入することで、患者さまがリハビリを行う機会を増やせるのは大きなメリットです。

一方で、実際に対面し、手で触れないと分からない状態もあるため、オンラインリハビリには注意も必要です。リハビリ業務には、患者さまと理学療法士の信頼関係も必要なため、オンラインでのリハビリは、ある程度関係を構築できた患者さまとの間で行うのが良いでしょう。

知識を生かしてライター業務をする

臨床の現場で働くだけでなく、理学療法士資格を生かしてライター業務を行うこともできます。理学療法士は国家資格であり、高い専門性を持っているため、ライター業務においては、高単価の仕事を受けられる可能性も高いでしょう。また、記事の内容が適切かを精査する監修者の仕事や、外国の論文を翻訳する仕事など、自分の持っているスキル・知識に合わせてさまざまな仕事を選べるのも魅力です。

【関連リンク】理学療法士の働く場所・就職先を紹介!

理学療法士が在宅ワークを行うためには?

理学療法士は在宅ワークできる?方法や在宅で行える仕事を紹介

理学療法士として、臨床の現場で働きながら在宅ワークを行うには、職場の理解や在宅ワークを導入できる環境が必要です。では、実際に理学療法士が在宅ワークを行うにはどのような条件が必要なのでしょう。ここでは、在宅ワークを行うための具体的な方法を紹介します。

職場に掛け合ってみる

現在の職場で在宅ワークを行いたい場合は、職場に在宅ワークを導入できないか相談してみましょう。在宅ワークには、業務の効率化や離職防止などのメリットがあるため、導入を積極的に検討してもらえるかもしれません。

ただし、ICT化が進んでいない職場の場合は、設備・機器の導入コストや個人情報の問題など課題が多く、在宅ワークの導入が難しい可能性もあります。現在の職場の状況をよく考えて提案するようにしましょう。

在宅ワーク可の求人を探す

現在の職場で在宅ワークを行うのが難しい場合は、思い切って「在宅ワーク可」の職場に転職するのも方法の1つです。転職先を探す際は、求人情報で「在宅ワークができるか」を必ず確認してください。また、現在は在宅ワークの制度が整っていない職場であっても、ICT化や在宅ワークの導入を前向きに考えている場合があります。転職活動を行う際は、在宅ワークの希望を伝えた上で、今後の意向について聞いてみるのも良いでしょう。

【関連リンク】マイナビコメディカルで
理学療法士の求人を探す

なお、転職時に職場の事前見学を行う際は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

【関連リンク】理学療法士(PT)の転職における事前見学のポイント

まとめ

医療福祉業界における在宅ワーク導入率は、まだ低い傾向にあるものの、理学療法士の業務のなかには在宅で行えるものもあります。リハビリに必要な事務作業やオンラインでのリハビリ、知識を生かしたライター業務など、さまざまな選択肢があるため、在宅ワークに興味のある方は、自分に合った働き方を検討してみると良いでしょう。

また、現在の職場で在宅ワークを行うのが難しい場合は、在宅ワークが可能な職場に転職するのも1つの手です。

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【関連リンク】マイナビコメディカルへのよくあるご質問

※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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