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小児領域の言語聴覚士になるには?役割や仕事内容、需要について解説

公開日:2024.05.07

小児領域の言語聴覚士になるには?役割や仕事内容、需要について解説

文:tokoshi(言語聴覚士)

近年、小児を対象とする言語聴覚療法の需要が高まりつつあります。言語聴覚士は、子どもから高齢者まで年齢を問わず支援を行いますが、成人領域と比較すると、小児領域を専門とする言語聴覚士は少ないのが現状です。

本記事では、小児言語聴覚士における役割や仕事内容、小児領域の言語聴覚士になる方法について紹介します。

小児領域における言語聴覚士の役割

小児領域における言語聴覚士は、「ことば」や「聞こえ」、「食べること」などが困難な子どもを対象に、日常生活のコミュニケーションや食事をスムーズにするための訓練や支援をするという役割があります。対象となる小児の年齢は主に2歳〜15歳で、症状によっては早めに介入したり、15歳以降も訓練を続けたりするケースもあります。

小児の抱える症状は「ことばの遅れ」や「難聴」などさまざまです。小児言語聴覚士は検査をしながら原因や課題点を探り、個別の訓練プログラムを立案します。

小児領域で働く言語聴覚士の仕事内容

小児領域の言語聴覚士になるには?役割や仕事内容、需要について解説

小児領域における言語聴覚療法は、子どもの年齢や発達状況、症状などに合わせて行われます。小児言語聴覚士の主な仕事内容は下記のとおりです。

● 話す訓練
● 聞く訓練
● 食べる訓練
● 保護者への支援・学校への情報共有

順に詳しく紹介しましょう。

話す訓練

言語発達障害や吃音、構音障害などを抱える小児に対して「話す訓練」を行います。具体的には、話すというカテゴリーを「理解面」と「表出面」に分け、それぞれ苦手な部分を中心にアプローチしていくのが一般的です。

年齢や症状によって、理解面・表出面どちらに重きをおくのかは変わるため、一人ひとりに合わせた適切な訓練内容の立案が求められます。

聞く訓練

聴覚障害を抱える小児に対して、補聴器を装着しながら「聞く訓練」も行います。

そのほか、「聴力検査の実施」や「補聴器の扱い方の指導」をするのも小児言語聴覚士ならではの仕事といえるでしょう。

なお、難聴の子どもに関わる際、基本的なコミュニケーションは「手話」や「指文字」がメインとなります。手話や指文字を習得できていない場合には、事前に学ぶ時間を設け、実践的な経験を増やしておくとよいでしょう。

食べる訓練

脳性麻痺やダウン症、口唇口蓋裂などの障害を抱える小児に対して、「食べる訓練」を行うこともあります。

基本的には「嚥下訓練」が中心となりますが、食事姿勢の調整や食具の選定など、食事がより安全にしやすくなるような支援も実施します。また、食事介助が必要な場合は、保護者や看護師などに食事介助の指導を行うこともあります。

保護者への支援・学校への情報共有

上述した訓練以外に、「保護者への支援」や「学校への情報共有」なども、小児言語聴覚士の重要な仕事です。

「ことば」や「聞こえ」に障害を抱える子どもとのコミュニケーションに悩む保護者も多いため、関わり方や家庭でできる訓練などをアドバイスします。また、学校や施設などに情報を共有し、子どもが過ごしやすい環境づくりのサポートを行うこともあります。

小児領域の言語聴覚士になる方法

小児領域の言語聴覚士になるには?役割や仕事内容、需要について解説

小児言語聴覚士になるには、言語聴覚士の資格を取得後、小児を専門とする施設に勤務する必要があります。代表的な職場の例として、下記が挙げられます。

● 特別支援学校
● 児童発達支援センター
● 小児科のある病院・クリニック
● 放課後デイサービス

特別支援学校や児童発達支援センターなどは、求人募集が少ないため、就職や転職はハードルが高いかもしれません。特に、特別支援学校は教育機関にあたるため、言語聴覚士の資格に加えて、「教員免許」と「特別支援学校教諭の免許」が必要です。

一方で、小児科のある病院やクリニック、放課後デイサービスなどでは、言語聴覚療法の需要が高まっているため、言語聴覚士の求人が多い傾向にあります。

ただし、どのような職場に就職・転職する場合でも、小児言語聴覚士としての基本的な知識やスキルが求められます。例えば「小児領域に関する検査がひととおりできるか」「子どもの症状にあった個別訓練の立案ができるか」など、小児に特化した知見を深めておく必要があるでしょう。「小児領域未経験で不安」という場合は、言語聴覚士が1人だけという職場は避け、先輩言語聴覚士から指導してもらえるような職場を選ぶとよいでしょう。

小児言語聴覚士の今後の需要

冒頭でもお伝えしたように、小児言語聴覚士の需要が増加傾向にあります。なかでも「放課後デイサービス」を中心に、小児領域における言語聴覚士の求人が増えつつあります。

以前と比べて、言語聴覚士や言語聴覚療法の知名度が高まっていることもあり、今後ますます小児言語聴覚士の需要は高くなっていくでしょう。

言語聴覚療法を求めている小児は多い

近年では「ことば」や「聞こえ」に障害がある小児に対して、言語聴覚療法を早期に行うことが有効である考えが広まっています。

一方で、現状において小児領域を専門とする言語聴覚士が少なく、「言語聴覚療法を受けたいのに受けられない」という環境にある子どもが多いようです。小児言語聴覚士は子どもたちの未来を支えるやりがいのある仕事です。

言語聴覚士の資格を生かしながら、今後のキャリアの候補として、小児言語聴覚士を検討してみてはいかがでしょうか。

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tokoshi

tokoshi

言語聴覚士
回復期で失語症と高次脳機能障害を中心としたリハビリ業務に携わる。その後転職し、看取り施設で「最期の食事」を言語聴覚士として支援。現在は訪問リハビリやデイサービスでリハビリをしながらライターとしても活動しています。

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