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理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事が大変・辛いと感じるとき【セラピスト500名アンケート】

公開日:2019.01.07 更新日:2021.01.18

Asian female medical worker with medical chart and pen

文:伊東浩樹 理学療法士
NPO法人 地域医療連繋団体.Needs 代表理事

医療機関に従事し、誇りを持って毎日を過ごしているセラピストたち……。しかし、職場環境によっては、やりがいを失くしてしまったり、不満を感じることもあるでしょう。

今回は職場に不満を感じる理由を500人にアンケート調査した結果を踏まえ、今後の選択肢や対処法についてお伝えします。

療法士500人のアンケート結果 職場への不満について

職場を辞めたい、転職したいと考える人は多いものの、もしかしたら自分だけが不満を感じており、客観的には問題視されない可能性があるのではないか、と考える方もいることでしょう。

主観的になっているかどうかは、実際のところ自分では判断しづらいものです。

そこでマイナビでは、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のセラピスト500名を対象に、「職場に対してどんな不満点があるのか」というアンケート調査を実施しました(2018年10月実施 楽天インサイト利用)。

アンケートに回答した総数500名のうち女性が203名、男性が297名。また、年代別では30代が219名と最も多く40代が158名となっています。職域では病院やクリニックなどの医療関連施設が64.2%、次いで有料老人ホームやデイケアサービスなどの福祉施設が22.4%と、医療福祉業界の割合が高くなっています。

性別、年代ともに幅広い意見を得られた結果から、他のセラピストたちがどのような不満を抱えているのか見てみましょう。

セラピストが辞めたくなる理由。職場への不満第1位は?

まず、不満を抱える理由として最も多かったのは「給料が安い」という回答で4割以上が不満に思っています。

第1位. 給料が安い(41.8%)
第2位. 忙しすぎる・労働環境(24.4%)
第3位. 人間関係(17.8%)
第4位. 福利厚生(13.2%)
第5位. キャリアアップができない(10.0%)
(※複数回答のため、合計は100%になりません)

不満を感じる理由のトップ5を見る限り「セラピストとしてのやりがいが感じられなくなった」「セラピストとしての勉強ができない」などといった「職業」に対する不満は少ないようです。むしろ、「職」そのものへの不満ではなく、働く環境である職場の「待遇面」が大きな不満になっていることがわかります。

リハビリ職が仕事を辞めたいと思ったときの対処法

先の結果から見ても、職場環境が改善されることで理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の不満がかなり解消されることがわかります。とはいえ、就職・転職後には、理想と現実のギャップが大なり小なり出てしまうもの。職場環境が悪いことに気付いたからといって、すぐ退職や転職を実行するのは難しいケースが多いのではないでしょうか?

新人や就職1年目の場合は特に、「急いで違う職場を探すのではなく、まずは今の環境で改善できるポイント」を見出し、対処できることを考えてみましょう。

1.給料が安い場合
収入アップを目指すのであれば、昇給できるチャンスを見つけてみましょう。

働いている環境にもよりますが、キャリアアップによる手当などの支給を考えて役職を目指すのもひとつの手です。職場によっては管理職になることで、月数万円の手当てが支給されるケースがあります。

すでに管理職などについている、すぐにつくのが難しい状況であれば、さらなる専門資格を取得することで手当てにつながるスキルアップを検討してみてもいいでしょう。勤務先となる院内で、吸引やBLSなどの検定を取得したり、専門療法士制度を利用したりして、手当て支給につながるキャリアプランを考えてみましょう。

2.残業が多いなど、労働環境が過酷な(忙しい)場合
まず最初に、なぜ今の職場環境が過酷であるかを考える必要があります。

まず自分でできる効率化を進め、使いまわせるメールや書類のテンプレートを作ったり、スケジュールを練り直します。

自分自身の担当患者さんが多く、休みが取りにくい状況になっているのであれば、労働基準法に準じた有給休暇の活用や、シフトの見直しを考えるところから始めます。

有給を取得すること自体が難しい場合には、相談しやすい先輩や上司などに状況を説明し、増員について提案したり、患者さんの見本となるような体調を維持したいといった気持ちを訴えたりして、職場の環境改善を促したいところです。

3.人間関係が悪い場合
スタッフ同士の折り合いが悪い場合、異動を希望することで環境が変わり働きやすくなる可能性があります。職場によっても異なりますが、医療福祉施設に勤務しているのであれば、病棟の配属を変更する、整形リハビリチームから脳リハビリチームへ異動する、病院内から訪問リハビリなどへ部署異動を希望するといった対処が考えられます。

苦手な人と出会う機会を減らすことで、人間関係によるストレスが軽減することでしょう。

4.福利厚生が不十分な場合
福利厚生面は、すでに職場の規約として決まっていることが多く、現在の職場の制度を大きく変えるのはなかなか難しいかもしれません。

すぐにでもできる対処法としては、日本理学療法士協会のクラブオフなどに入会し、独自に福利厚生レベルを上げるという方法があります。

他には、一般の保険会社に加入して、保険内で利用できる福利厚生制度を活用するのもよいでしょう。少し費用がかかりますが、自身の満足できる福利厚生が選択できます。

5.キャリアアップができない場合
現在の管理職陣がほぼ固定されていて、数年先まで異動や退職となる可能性が低い場合には、どれだけ実績を積んでもキャリアアップが難しいかもしれません。

そんなときには、所長や課長といった固定の役職ではなく、主任やリーダーといった新たな役職を設置するように提案するという手があります。実際に主任やリーダーがいない職場では管理職がひとりで多くを取りまとめることになるため、かなりの負担となっているはずです。

将来的なステップアップへの道のりを考えても、新たに管理職を増やすことで、職場全体の改善にもつながるはず。職場環境の質を高めるためにも、具体的な提案をおこなってみてはいかがでしょうか?

6.できるだけの努力を現在の職場でしても、状況が改善されなかった場合
これまで述べた改善方法を色々試みても、どうしても現在の職場でうまく行かなかった場合、転職を考えるのもひとつの選択肢です。全国には何万件もの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を募集している求人が存在するので、今の職場で自分の心や身体を壊してしまうくらいなら、自分に合った新しい職場を探して転職した方がいいでしょう。

ただし辞めたい一心で下調べ無しに転職すると、同じ理由で辞める羽目にもなりかねません。自分の理想の優先順位をじっくり考え、職場が変わることによる不利益も覚悟してからということになるでしょう。

転職を検討する前に、情報収集と自分の中の優先順位付けを

上述したアンケート結果の中に、自分もそうだと共感した点があったのではないでしょうか? ただ、職場に不満があるからといって、すぐに転職活動を開始するのはお勧めできません。

まずは、現在の職場でできる対処法を実施して、それでも改善しない場合のみ転職を考えてみましょう。転職を決断した場合には、自分にとって何が本当に大事なことなのか優先順位を考え、転職先で同じような状況にならないように十分に情報収集・比較検討をするのがポイントです。

ネット検索以外にも一般・業界紙の購読、知人に評判を聞いてみる、学校や人材紹介会社の蓄積したデータの利用など、さまざまな情報入手経路があるので、自分に合った方法を見つけましょう。

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